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石製のお風呂はどうやって沸かす?都城島津邸で展示されている、いかにも肌触りのよさそうな石製の浴槽のおはなしのつづき[前回はこちら]なのですが・・・ たとえば温泉の湯を引き、このお湯を浴槽のなかに貯めて使用する場合などは 石を掘りぬけばいいので、まあ考えなくてもよいのでしょうけれど、 展示されている浴槽には、いかにも炊き込みして水を温めていたようなまあるい穴がついているんですよ。ふむふむ ここにで火を焚いて水を温めていたんだな・・・とは予想したのですが、自分には その焚口の構造がわからなかったんです。で、解説文をよみました。そこには これは大きな石をくり抜いて作られた風呂です。石風呂の下の 穴の部分に「つぶろ(鉄の釜)を横に倒した状態で差込み「つ ぶろ」の中で火を焚き、石風呂の中の水を温めて入りました。 石風呂と「つぶろ」の隙間から水が漏れないように布などを詰 め込みました。石風呂は湯が沸くまで時間がかかりましたが、 保温性が良く、体の芯までよく温まる風呂でしたという文章が書いてありました。なるほど、「つぶろ」とよばれる鉄の釜があって、それを穴に押し込んで、そのなかで火をおこして湯を温めていたのかあ・・とわかりましたよ。ただそこからです。ではその「つぶろ」なるものを見てみたいなと思って、ネット検索索してみるのですが、悔しいことにこれがまったくヒットしないんですよ。ほんとにもう、もどかしいったらありゃしない苦笑。。そこで・・・・石風呂の炊き込み口とかで検索すると、いまでいうサウナの蒸気風呂の話になったり、くるしまぎれに「てつぶろ」で検索するとお茶で使用する鉄製の風炉がでてくるしで、要領をえない。でけっきょくのところ時代が下って、↓こういった木桶の風呂の この燃料となるマキをつっこんである↓この部分みたいな構造物 ← アルミと銅板にみえますそれが、「つぶろ」だったんじゃないのかなあと、いまのところは自分を納得させてます。ということで今回は石製の浴槽をあたためていたという謎の構造物、「つぶろ」についてのおはなしでした[正解ではないにしてもまあこんなかんじということでよろしくおねがいいたします]。 明治以前は「蒸し風呂」が主流だったという日本。ただ、 一部の武家や豪農の屋敷では、現代で主流の首までつかる お風呂があった・・ということで、沸かしたお湯につかれ るというのは、とても贅沢なことだったみたいですね。 九州を含む関西ではこれを「五右衛門風呂」といいますが、 関東では「鉄砲風呂」なんていうのだそうですね。。「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」ままま
Sep 20, 2023
気持ちよさそうな石製の浴槽。早起きして、暑くないうちの早朝から農作業やガーデニングをこなしたうえで、汗を流し戸外においた石製の風呂を楽しむ・・・ なんてちょっと悠々自適というか、風情があるというか、まあひとつの憧れな感が あったのです。で、こんな石製の風呂が展示してあるのが、 宮崎県都城市にある都城島津邸です。 こちらが入口の門 入口の門をはいってお風呂の展示してある場所から広いほうに目を移していくと、 本宅・剣道場・農芸館・石蔵・都城島津伝承館などを備えているという広さ約5,000坪の敷地が広がります。奥にみえている伝承館では、都城島津家から寄贈されたという1万点を超える膨大な史料が保存されていて、それらをもとにした企画展が順次公開されているのですが、目の前にバーンと芝生がひろがり&このお風呂が展示されている側から入場するときは、 “やっぱり晴れている日がいいっ” とつくづく思わされます。 ときには芝生で、束ねた横木を撃つ示現流の稽古もみられておすすめです。 → 石製の風呂の話につづく。 過去の企画展で印象に残っているのは カッパの手[こちら]の ときと、お殿さまたちのお勉強にかんする回のとき。 とくに お勉強の回のときには、勉強しなければならない科目や教科書 に参考書などが机の周りに山のように積まれていて、ほんとに びっくりさせられました。「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」ままま
Sep 17, 2023
寝てる人を叩きおこすお祭り。神武天皇が東征に船出されたという伝説がある宮崎県日向市美々津。古くからの湊/みなとであったこの地では、その神武天皇がお船出をされたと旧暦の八朔である8月1日の早朝に、町の子どもらが笹を手に美々津の家々の戸を「起きよ、起きよ」と叩いて回る祭りがあります。名づけて おきよ祭。この早朝という時間、それが だいたい午前3時くらい。なぜにこの時間になったのかといえば、天皇がお船出に予定されていた時刻が急に繰り上がったがためだ・・といわれています。まあ当時の船にはエンジンなどの動力はついていないのですから、また天気予報のレーダーなどもないわけですから、急に船が出港するのに適した潮のかげんや帆に受ける風ぐあいとなったら、それは “いまだーっ、出港するぞー” と、なったのでしょう。ちなみにこの時代には、風の方向や強さなどといった気象条件を、空にあげる凧で測っていたらしく、現在では当時その凧をあげていたといわれる場所も地元には伝わっております。↓ 明治の終わりくらいの千石船で溢れる活気に満ちた美々津港。 またこの出港にちなんだ食べ物も伝わっていて、それがつきいれ団子。名前の由来は出港する船団にもたせるはずの団子を用意していたが急の出立で作る時間が足りず、ええいままよと団子の中に入れるはずの小豆をいっしょにつきまぜて、とにもかくにも作って持たせたということになってますから、これまたなかなかにライブ感があるというか、臨場感のある団子であるし、伝説でもあるんですよ、これが。じつはかくいうわたくしも子供のころにこの行事に参加して、笹を片手に家々の戸口や雨戸や壁など、そこらじゅうを叩いて回ってたのですが、当時は参加する子供の数もいまとはちがって百名以上はいたでしょうから、寝ているひとをおこすというよりも、むしろしょうじきいって家を叩き壊すくらいの勢いで叩いて回ってましたよ、家々を。こんなに夜中に騒いで、これもお祭りっていうのかなぁって 思っておりました笑。まあこの行事を知らない方が、 薄暗がりのなかで唐突にこの行事に参加している集団とその行動にでくわしたなら、よくいえばスペインの牛追い祭りとか、いやむしろ日本の一揆とか、打ちこわしの類だとおもったはずです/笑[ちなみにいまはずっとおとなしめで上品ですが]。まあまあそんな、出港されるから起きてください・お見送りしますよ という、日向市美々津に伝わる おきよ祭り。今年は 9月15日らしいのです。最近の祭りのライブは こちら]。ということで今回は地元に伝わる変わった、しかし歴史のあるお祭りのご紹介でした。 出港のおり貴人の衣が綻び/ほころびていて、その綻び た衣を脱いで縫う時間さえも惜しまれ、とりあえずの 応急処置でとして衣を脱がないまま立ったままで繕っ たという故事にちなんで、この美々津の港のちかくは、 立ち縫いの里・・ともいわれています。「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」kk
Sep 13, 2023
元気のよすぎの狛犬さま。インバウンドの復活ということで、日本に観光にこられた外国からのお客さま復活の今日この頃。そんな外国人観光客の方々に人気の狛犬さまのはなしです。こちらは・・・珠にのるのは あたりまえ、ときには あらよっ というかけ声一閃して 珠のうえで 逆立ちまでしちゃうという 狛犬さま。 迫力あり。 そのちからみなぎるお姿には、元気をいただきました。そしてついつい連想[おもいだ]しましたよ、スピード感 あふれるこの方、キングシーサーさま[こちら]を。平成版アンギラスとのタッグがまたまたみてみたいなあ・・ などとこの躍動感に思わされつつ、別の角度からも ついついパチリ。 さてさてそんな元気良すぎのこの狛犬さまは、唐津くんちでも有名な唐津神社の狛犬さまでした。このときちょうどいあわせた外国人観光客のみなさまたちにもこの狛犬さまは ずいぶんと好評のご様子でしたよ♪ そしてそして。以前ご紹介した しじみ貝に乗ってやっ てこられたという火伏稲荷さまはこちらの唐津神舎境内 におわされます[こちら]。 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」のの
Apr 1, 2023
狛猫となった忠義者な猫のはなし。狛犬ならぬ、狛トラや狛イノシシ関連シリーズ[こちら]として、熊本県水上村の生善院の門前を守る狛ネコの話です。狛猫となった 玉垂/たまだれにまつわる、いわゆる化け猫騒動の話ではありますが、有名な鍋島藩の話以前の、年代からいっても原型ともとれる話でもあります。当地を治めていた相良藩藩主自らが3月16日には市房神社に参り帰路にはこの狛猫の生善院にも参詣していたということでのご紹介です。ちょっと複雑な背景があるのですが、昭和の時代にクーラー代わりに見てぞくぞくさせられた典型的な化け猫映画と絡めて、よろしかったら。↓日本の怪談ものの代表格としてかか欠かせないのが、『化け猫』ものです。その話のなかで、お屋敷の主人の奥方や母親に成り変った猫の変化が、〔まるでその正体を自ら露見するかのように/笑〕行灯の油を夜な夜な舐める場面は、怪談話しの名場面といえるでしょう。そのシーンのあとの、“見たな~”という定番の名ゼリフには、ぞくぞくしてしまいます。そして個人的にもっと好きなのは、この化け猫の“招いた手”の動きで、ヒトを自らの意のままに操ったり、逆にヒトの動きを止めしまったり〔いわゆる金縛り〕もできること。「自分の念をヒトに送り込むことによって、自分の意のまま心のままに他人を操作すること」を テレキネシス〔念力〕という言葉で表現しますが、そういう意味では、化け猫はすぐれた超能力者であるともいえますよね。そして、化け猫物語の魅力は、それだけではありません。じつは化け猫は、“善良であったはずなのになんらかの罠や策謀によって無念のうちに命までも奪われた飼い主の無念”を 晴らすために、悪人なのに善人のふりをした権力者に復讐していることがほとんどなのだという点です。そう、じつは化け猫は、多くの場合は 正義の味方で忠義の士。それなのに典型的な多くの化け猫話では最後には討ち取られてしまうという、この律儀なゆえの哀しさはどうでしょう。・・・じつに美しく魅力的だとは、おもわれませんか。 そんな忠義な生きものである狛猫のあるお寺の生善院が、熊本県の水上村にあります。お寺の創建とその創建されたわけにまつわるお話ででてくる猫の玉垂/たまたれに関した水上村のページは、ちょっとむずかしい内容なのですが こちらです。 このお話の玉垂の場合は、主人である玖月善女といっしょに 身投げして亡くなっている点、そして祟られた側の相良氏によ って実際に供養されている点が、従来の化け猫話しとはちがっ て・・・けっこうリアルなお話になっています。そんな水上村 のページよりもわかりやすいページは こちら 。 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」のの
Mar 22, 2023
伊能忠敬が絶賛した風景。伊能忠敬。お生まれが1745年2月11日ということで、誕生日には少し遅れましたが、まだ2月うちということで よろしかったら。↓鹿児島県薩摩半島にある指宿から茶の産地として有名な頴娃[えい]を通過して枕崎方面に向かう。その道すじで左手にみえはじめるのが、みごとな円錐形をした開聞岳[かいもんだけ]です。 晴れ間がみえるとおもっていると、いきなり小雨がふりだり、 雨になるのかとおもっていると やおら晴れたりという不安定な天候を表すかのようにそんな笠雲をかぶった開聞岳のお姿を みつけ車中からシャッターを切る。あるときは 牧草地のむこうに。あるときはビニールハウスの向こうに。あるときは 芝生畑のむこうに。あるときは 岬の向こうに。あるときは キャベツ畑の向こうに。あるときは エンドウ畑の向こうに。という具合に[まわりに山がないために]どこから見てもその美しい稜線を確認できる開聞岳。さすがに薩摩富士とよばれることであるな と、再認識していたところ・・・いやいやそうではなく いちばんの絶景は、いまでいうところの番所鼻自然公園からだといった男がいたのを思い出しました。そしてそんな番所鼻自然公園からみた 開聞岳のお姿がこちら 。のののの 旅程の都合からお山が逆光になってしまったのですが、それはそれととして、やはりここからの光景はとても美しく、まさしくベストなかんじありあり[個人的にはここ枕崎にある、あの焼酎蒸留所のさつま白波のラベルをおもいだしたりもして/笑]。ちなみにここからの風景をして「天下の絶景なり」と賞賛した人物ですが・・・それは あの伊能忠敬。日本地図作成のためにここに立ち寄った際にいった言葉とされています。ということで今回は、薩摩半島にある美しいお山と伊能忠敬の言葉の紹介でした。 サーフブランドのクイックシルバーの商標にも似てます よね、この風景。 そして航海時の目印にもなっていたのだろうなと山川港 の仲覚兵衛さん[田畑に骨をまいた男/こちら]を思い出し たり。 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」の
Feb 20, 2023
シジミ貝[しじみがい]に乗る神さま。。神さま・仏さま の 乗り物シリーズ[前回分こちらとこちらとこちら] として 過去分ですが、よろしかったら。 ↓ 佐賀県の唐津神社にお詣りしたときのこと。その境内に合祀されている火伏稲荷神社さまがおられました。そんな火伏稲荷神社さまのことで、どうにも気になってしまったのは、この神さまについての由緒・謂われに関する解説板です。 いわく・・・ 富士の裾野より来られ松浦川を 蜆貝にのって渡河 されの部分。パッと見したときは、しじみ採りの船に乗って渡河されたのだなと 軽く考えていたのですが、あとになって この案内板の映像中の文章をあらためて振り返ってみたとき、いやまてよ ひょっとしてあの小さな蜆の貝に乗っていらっしゃったのかもな などとも思ったのです。・・・あるときはキツネを乗り物にしたり、あるときは亀や蛇を乗り物にしたり・・・といった神さまたちも[これまでお邪魔した神社のなかには]いらっしゃっただけに、なかには[あたかもウルトラセブンのように]自分の体長を自在にコントロールしてシジミの貝殻を船に仕立てる神様もいるのかもしれないな、いたらかっこいいだろうな と思った次第ですが、真実や如何に。 貝の舟にのる情景・・・といえば ボッティチェッリの 『ヴィーナスの誕生』が代表的なものかと 思いますが、 ちょうどあんなかんじを想像[おもったりも]して。。 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」のの
Feb 18, 2023
仏陀の乗り物といえば。神さま・仏さま の 乗り物シリーズ[前回分こちらとこちら] として2013年分ですが、よろしかったら。 ↓ 4月8日の花まつり、仏陀のお誕生日ともいわれるこの日『平山郁夫/シルクロードの軌跡展』にでかけた私は、お目当ての仏像展示をしげしげとみていたのでありますが、 この写真に写した像のお姿をみたときに、なにかただならぬ気配を感じてしまったのです。 像というよりも、そう、この陰の部分に。 そしてそのただならぬ気配の原因は・・・影の形に加えて、像を正面からではなく、斜めの方向から見たときにわかりました。 の仏陀の頭にあるのは、まさしく目鼻に口もあり、しかもに視線をおくっている生き物の顔。さらにはその顔から下の部分を確認すべく、下の方向へ視点を動かしていけば・・・ 仏陀の光背 だけではなく仏陀のお座りになっている台座もまた、この生きものの身体であることが、やっと私にはわかったのです。 こちら、この台座の部分には、はっきりとしたしウロコの文様。この長い身体を持ち、ウロコで覆われている生きものといえば蛇/ヘビ。仏陀は台座に座っている・・・というよりは巻いたドクロの上に乗っておられるのでした。そうなんです、正式にはこのヘビの名前は蛇神ナーガ。仏陀は「ナーガ上の仏陀坐像」と つけられた像のタイトルどうりに、トグロを巻いたナーガの身体の上に乗られて座禅をされていたというわけですね。ちなみにカンボジアのアンコールトムから出土したとされているこの「ナーガ上の仏陀坐像」にみられる造形は、カンボジアやラオスなどの国々では、よくみかけられものだということで・・・ 展覧会からかえって調べてみれば、今回ご紹介した「ナーガ上の仏陀坐像」よりも、光背が よりヘビらしくあり、しかも台座にはもっとはっきりとウロコ文様が確認できるという、わかりやすい仏像の画像もたくさん発見したのでした。そしてなかには仏陀というよりも蛇神ナーガを強調したかったようなこんなになった像[主客転倒な]もあるということで ↓のののののののののののののののののののの+ ただただ びっくり。いじょう今回は『平山郁夫/シルクロードの軌跡展』で見た「ナーガ上の仏陀坐像」でであった仏陀の乗る蛇神ナーガのおはなしでした。 ちなみにナーガの伝説は・・・成道後の仏陀がなおも樹下で 禅定を続けていると、風雨のひどくなることがあった。そこ へ蛇神ナーガが現われ、その大きな体で仏陀を七重に取り巻 き、また七つの頭で仏陀の頭上に大きな傘を作り、仏陀を守 ったということらしいですよ。最後の写真のどでかいナーガ であったなら、先日の爆弾低気圧でもしのげそう。ですよね~。 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」のの
Feb 16, 2023
亀蛇〔きだ〕とよばれる神獣のはなし。神さまの乗り物シリーズ[前回分こちら]として、よろしかったら。 ↓熊本県、八代市にある八代神社におまいりしたときです。見上げたお社の屋根に、こんな妖しい動物の姿をみました。 亀蛇〔きだ〕です。 八代市で毎年執り行われる妙見祭の人気者として、ガメの愛称でよばれるこの亀蛇・・首の長さ約2.5メートル・体長4メートルという巨大な姿で、勇壮に走り回る神獣でもあります。 亀蛇を前面にもってきた妙見祭のユーチューブは こちら 。 さて、この亀蛇〔きだ〕と八代神社のご関係ですが・・・ 『天武帝白凰九年 (六八〇年) 秋、中国から亀蛇の背に乗って海を 渡ってきた妙見神は八代郡土北郷八千把村竹原津 (今の竹原神社 付近) に上陸し、約三年間仮座した。言妙見宮には、上宮、中宮、 下宮がありて上宮は延暦十四年(七九五年)桓武天皇、中宮は永暦 元年 (一一六〇年) 二条天皇、下宮 (現在の八代神社は文治二年 (一一八六年) 、後鳥羽天皇の勅願 (ちょくがん) により創建。 北斗七星と北極星を神格化した天御中主神 (あめのみなかぬしのかみ) と国常健命 (くにとこたちのみこと) がご祭神。』 という謂れがあるのだそうです。 そうなんです、つまりこの神獣である亀蛇〔きだ〕は、北極星あるいは北斗七星の化身ともいうべき妙見神の乗り物だというわけですね〔ガメラの背中に乗って移動するみたいでかっこいい~!〕。 そしてこれが妙見神社の御神幸行列に亀蛇が参加している理由ということになります。 そんな歴史の追加資料といたしまして、弘化3年に描かれたという「妙見宮祭礼絵巻/青井郷秀筆」の一部をご紹介ですが・・ここでは彩りも鮮やに、獅子舞いの獅子といっしょにお侍さんといっしょの亀蛇が描かれたりもしています。 ということで今回は、北斗七星の化身である妙見神と、その乗り物である神獣の亀蛇[きだ]のご紹介でした。 「古事記」「日本書紀」に、「ここは火の国、八代の郡(こおり) の‥」という文が残るように、八代は北極星を目印として 近海航路を行き来していた古代の海洋民族にとっての重要 な港町であったことでしょう。 彼らは颯爽と亀蛇に似た形の亀甲船を乗りこなしていたの かも知れませんねえ。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
Feb 7, 2023
まさか乗り物がだったとは。こちらの像。これは日向[現・宮崎県]の国に伝わる木食上人作の秋葉権現像です。 角度を変えて撮→ 足もとに、なにやら動物っぽいものがいるのが、おわかりになりますか。じつは この動物はキツネ なんだそうです。 で 問題は、なぜに足元にキツネがいるのか・・・なんですね。 当然のことながら 私が はじめに思ったのは、やっぱり“懲らしめ”。たとえば 持国天、増長天、広目天、多聞天といったいわゆる 四天王が、天邪鬼(あまのじゃく)を踏みつけているのと同じようなケースだと考えたんですよ。 悪さをしたキツネを懲らしめてやっちゃったよ と、いったかんじになりますか。ところがこれは大きな勘違いでした。じつは このキツネ、というか おキツネさまたちは秋葉権現さまのの乗り物だというのですよ。実際に ネットで調べると白狐にサーフィン乗り しているこんな像も ありました。 もっと いろいろな乗り方は こちら 。 なるほどこの像なら、キツネの大きさからいっても、たしかに権現さまは、キツネの背に乗っておられます。知らぬこととはいえ、火事を防いで下さるという秋葉権現さまの乗り物であるといった大切な役目を担っているおキツネさまにたいして、わたくし大変に失礼なことを思ってしまいまして、申しわけなさでいっぱいです。 ちなみに このキツネへの乗り方なのですが・・乗馬ふうではなく、いわゆるサーフィンにおける サーファーの板の乗り方なのが興味深いですね。映像を見る限り 秋葉権現さまは進行方向に向かって右足を前にされているので“グーフィー”スタンス。。 前回の和気清麻呂公[こちら]は、脚の筋を切られていた というだけに、やはりイノシシの背中に馬乗りに乗られ たのでしょうか。あるいは豪快に走る300頭のイノシシ の背中を ロックコンサートの大観衆に向かってその身 を預ける いわゆるマッシュポブみたく、はたから見れ ば猪背の合間に見え隠れしながら運ばれていったのか。 どちらにしてもカナダのスタンピートかスペインの牛追 い祭りみたいな豪快なはなしに思える~。「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」のの
Feb 2, 2023
狛犬ならぬ狛猪といえば。和気清麻呂が神護景雲3年(769年)、九州・宇佐八幡の御神託を称徳天皇に直接奏上したところ、 側近の弓削道鏡の逆鱗にふれて大隅国(現・鹿児島)に流された。 その途中、宇佐八幡にお参りをしようとした清麻呂公を300頭もの猪が現れて清麻呂公を道案内したとも、左遷されるときに脚の筋を切られた清麻呂公を道教の放った刺客から猪が守り助けたとも、いわれています。以来、和気清麻呂公と猪とは切っても切れぬ仲となり、旧拾円紙幣には、清麻呂公と猪が表裏一体となって印刷されてもいます↓。 そんな和気清麻呂公をお祀りしているのが、大隅国でのかつての配流先だと伝わる大隈国・和気神社です。神社の門前には、もちろん狛犬ならぬ狛猪が。。さすがに南国、この青空のもとの狛猪の元気さはいかばかりか。 和気神社のちかくには妙見温泉があり、清麻呂公はここで脚の治療をされたという伝説もあります。さてそこで、気になるのは、300頭もの猪の集団です。自分としては300人にも上る、千葉真一ふうの影の軍団っぽいコスチュームの集団が護衛にあたったのでは・・などとかねがねかってに想像してきたのですが、令和になった現在では『鬼滅の刃』に登場するあのイノシシの頭をかぶった嘴平伊之助(はしびらいのすけ)がいっぱいいても、これまたきっと頼もしいことでしょうね~。ということで今回は、 神社にいくとなかなかおもしろいの回、狛犬ならぬ狛猪のおはなしでした。 ちなみに摩利支天さま。 この女神さまは清麻呂公と同じ くイノシシとのご縁があるみたいで、猪のうえに乗られた 御姿もありますよね。こういったふうに、それぞれ神さま の乗り物を ああだこうだと想像するのも これまた楽し、 ですよねー。「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」のの
Jan 31, 2023
安徳帝は壇ノ浦で入水されたとされていますが。5月08日に放送された「鎌倉殿の13人」の壇ノ浦の合戦にて、二位の尼に抱かれて入水される安徳帝のシーンがありました。名場面ですよね。今回にかぎらず、どのようなドラマをみても胸を打つシーンだと思います。 個人的には やはり大河ドラマの「平清盛」にて、深キョン演じる二位の尼/平時子に抱かれて入水される帝の、祖母でもある時子とお二人で会話するシーンが思い起こされます。とはいうことなのですが・・・そこで鹿児島県の垂水です。ここ数回宇喜多秀家公つながりでご紹介してきたのですが、じつはこの地に、壇ノ浦で入水されたはずの、その安徳帝をお祀りする神社があるのです。神社の名前は 居世神社[こせ神社]。案内板には つぎのような説明が記されていますよ。なお神社のなまえである居世/こせですが、これは いせ/伊勢とも読める。伊勢神宮を崇拝し権威を誇ってきた平家ではありますが、都を追われ戦に敗れた身ゆえ、公に伊勢とはなのれなかったので、いせともよめる当て字を用いたのではないか・・といわれているそうです。 前回ご紹介した七人塚の平家ゆかりの平野家もあることですし、また宇喜多秀家も匿われていた土地柄でもあります。 壇ノ浦合戦時には七歳といわれている安徳帝におかれましては隠遁生活ではあるとはいえ、自然豊かな錦江湾沿いのこの地にてお健やかな生活をおくられていたとしたら いいことだよなあ・・などと、神社にお参りするたびに 思いめぐらし。。初春の神社の裏手には、特産のマメ畑&袋かけされたビワ畑がひろがります。この日はなんだか、優しげに見える桜島。。 屋敷から3kmの道のりを歩いて居世神社にお参りする ことを日課とされていたという宇喜多秀家公。うたた ねの夢は牛根の里にさえ都忘れの菊は咲きけり と歌 を詠まれています。居世神社の紋章は菊の御紋。。 「夢で終らせない農業起業」 「本当は危ない有機野菜」
May 9, 2022
土の斜面に大石を積みつづけていって。むき出しの土の斜面に、まずは平らな大石を ひとつおきます。 ↓そのうえに平たい石を2個ほど重ねてみましょうか。 ↓さらに坂の幅に合わせて横の方向にも石を並べていってみます。 ↓こんな要領でまずは横方向、それから上方向へと・・・ ↓一心不乱に この一連の作業をつづけていけば・・・・↓しまいには頂上部が見えないほどの石の階段ができあがります。ただ、しかし。下からみたこの感触だと、このラフで荒々しい石の積み方の階段であれば、 階段とは名ばかり、果たして登れるしろものなのかなんて、あなたはきっと思われることでしょう。かくいう私も下から上へと登り始めるときは そんなふうにおもったのです。が、しかし意外や意外。この階段を上から見下ろせば・・・ 横方向に見ても縦方向に見ても、ラフで荒々しく見えてしまう下方向からの見た目とは大ちがい。 ある意味ソフトな普通の階段に見えてしまうのですから、すごい。実際に登ってみた身としては、足の上げ幅がいろいろに調整できるせいなのか、じつに登りやすい・・・そう、はやりの表現でいうとするなら サステナブルというか、ダイバーシティというかそんな万人にやさしい階段でありました。これほどの建造技術をもった技術者と熟練した作業者たち・・・それはまさに仕事のプロフェッショナルというか、仕事の鬼であったことだろうななと感嘆した次第。ということで今回は、前回ご紹介した地獄車な階段[こちら]とは正反対ではあるが、見た目とはちがってちょー登りやすかった階段についてのおはなしでした。 → この階段についての詳しいおはなしは こちらです。 付け加えまして、この階段に積まれている石の、もう ひとつの特長が・・・木立に囲まれた環境にありなが ら 石が苔むしていないこと。だから 足を乗せても 滑らない。 不思議な話なのですが。「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
Oct 8, 2021
ここにもあったよ、地獄車な階段[参道]。急な神社の階段を見ると、ついついテレビドラマ『柔道一直線』のいち場面である、車周作の必殺技である地獄車の練習風景を思い出してしまうという方もおおいのではないでしょうか。そう、高松英郎さん扮する周作の指導のもと、布団をかぶって参道のてっべんからなんどもなんども転がり落ち続ける桜木健一さんの演じたあの伝説のシーンです。そのような テレビドラマのいちシーンを 思い起こされてしまう同じ角度で・一直線に伸びた・長い参道/階段 を持つ、神社さまに 旅先で出会いました。 参道のはじまる下からみあげても社殿がみえないこの階段で鍛練しつづければ、きっと超高速の地獄車が完成しそうです。ちなみにこの階段がどれくらいつづいているのかといえば・・・ ビルの高さでいえば、おおむね7階くらいの高さにつづいている参道/階段でありましたよ[じつにみごとな建設技術!]。地獄車の練習で、コースをはずれずに上手に転がってきたとしても、したで止めることができるのかどうか心配になりそうなそんな階段でありました。 そんな楽しい思い出しに感謝しつつ、さあ、つぎの地獄車の階段[参道]には、いったいどこで、出会えるのかな。 地獄車の練習がうまくこなせるようになったひと なら、やりとげた感いっぱいになるでしょうね、 きっと。 そんなひとには ♪ How does it feel, how does it feel? って、 ライクアローリンストーンみたくに訊いてみたい/笑。「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
Oct 4, 2021
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