【カラーガード大好き】マイレージジャンキー 時々 「鉄」

【カラーガード大好き】マイレージジャンキー 時々 「鉄」

2006/11/25
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皆さん、ご心配をおかけしましたが、ラブアン島での待機は1時間程度で終り、2時間ディレイでブルネイに入国出来ました。はい。前の晩に比べると遥かにまともなホテルでバスタブで汗を流せました。

マレーシアて違って、ブルネイ国内では3G携帯が使えないので(DoCoMoがブルネイではGSMでしか提携していないようなのです)、このレポートのアップだけ遅くなっております。読んで頂くというより、後日確定レポートを書く際の備忘メモみたいな目的です。書いているのは25日の夕刻です。

今日は、思いきって、自動車付きのガイドを一日ハイアしてしまいました。バンダル・スリ・ブガワン周辺をガイド付きで見て回った訳です。楽チンでした。

最初に行ったのが、オマール・アリ・サイフディン・モスクでした。市内中心部に建っているモスクで、前の国王が作ったものです。屋根は金張りで尖塔の頂点の鏃みたいなものは純金製だそうです(据え付けの際には、はしご車を出して国王自ら取りつけたそうです)。流石は金満国家らしいと言いたいところですが、やや貧しい国のミャンマーに行った時にみた寺院(あちらは上座部仏教寺院ですけど)も全部金張りでした。東南アジアの雨季の厳しい気候が金貼りを要求するのかも知れませんね。

デザイナーはトルコ人のオットマンと言う人だそうです。このデザイナーはブルネイ国内のあちこちに作品を残しているそうです。残念ながら今日は内部には入れませんでした。中も凄いようです。外から見えたシャンデリアくらいしか装飾は見ることが出来なかったのですが、イスタンブールから持って来たものだそうです。1959年の建築だそうで、当時のお金で500万ドルかかったとガイドは言っていました。なお、当時のブルネイ人には建築技術がまだなかったそうで、実際の建築作業に当たったのは香港の人々だそうです。

次にブガワン宮殿に行きました。現在は使用されていない宮殿だそうで、現在の国王が幼い頃にこの場所で過ごした所だそうです。金満国家ブルネイにしては質素な建物で高床式の建物で民俗テイストのある建物でした(マレー・ポリネシアのテイストでした)。もう使っていない割には警備が厳重でした。この旧宮殿の近辺は「ロイヤルビレッジ」と言われているそうで、王家の人が住んでいるそうです。まあ、そんなに大きな家はありませんでしたが…(あとで見た国王の妹の家は凄い大きさでした)。

次にガソリンスタンドに行きました。ガイドはガソリンの値段を見せたかったようです。1リットル約25円(30ブルネイセント)でした。流石は産油国です。特産品は天然ガスと石油です。お土産にはしにくいです…。この国は膨大な化石燃料資源に恵まれ、猛烈な財源を持っています。お金に恵まれた国なのです。所得税はないそうです。自動車税は年間30ブルネイドル(大型車は60ブルネイドル)だけしかかからないそうです。自動車保有コストが非常に低廉なので自動車普及が極端に進み、国民二人に一台と言う状態だそうです。お国自慢的に住宅街に連れて行かれました。凄い景色でした。ひとつの家屋に5台くらいずつ自動車が停まっていました。流石は金満国家でした。北朝鮮のお国自慢は実態を伴わない空威張りなのでかわいらしいのですが(税金がないとか言いますよね。「この世に羨むものは無し」などと言っていましたね)、ブルネイは本当にお金持ちなので可愛くないです。他にも教育費はただ。医療費も登録費1ブルネイドルだけで、あとはどのような大手術をしても費用はかからないそうです。北朝鮮も医療費はただということになっていますが、医薬品が全く不足しているので、闇で医薬品を調達して持ち込まねばならないと聞いたことがあります。金日成が夢見た社会がここブルネイに実現していると言ってもよいのかも知れませんね。

こんな感じでバンダル・スリ・ブガワン市内を軽く流して、アセアン公園と言う川沿いの公園に行って一服しました。この公園自体はなんということのない静かな場所なのですが、この公園からブルネイ王宮が見えるのです。見えると言っても、尖塔の一部だけですが。宮殿は地上四階地下一階建てだそうですが、マングローブの森林に囲まれていて残念ながら外からは見えません。ゲストルームの数が1800室弱もあるそうです。流石は保有資産3兆円の王室だけのことはあります。都市伝説かも知れませんが昔は日本のAV女優がブルネイに送られて、物凄い報酬を手にしたと言う話を聞いたことがあります。なお、このアセアン公園の向かいに国王の妹の御殿がありました。猛烈なな大きさでした。田舎の高校くらいの大きさでした。

アセアン公園の次に王宮入り口で軽く記念撮影をして、次に進みました。宮殿の中には入れないので、衛兵を撮影するくらいしかできないのでした。



このモスクを見たあとに、日本大使館の前を通ってロイヤル・レガリアへ向かいました。簡単に言うと王室博物館です。残念なことに、入り口ホール以外は撮影禁止なのです。確定レポートの時には入り口ホールの現国王の御輿しかご紹介できませんが、ブルネイ王室29代の歴史が延々と紹介されていました。豪華絢爛…。これぞ金満国家と言う感じでした。ブルネイには議会も選挙もありません。ある種の国王専制と言う体制です。現国王はある種の開明君主のようで、毎週金曜日(イスラム教の休日)には少数の随員だけを引き連れモスクに行って礼拝し、ついでに民衆と話すと言う習慣を持っているそうです。直訴が制度化されているような感じですね。中国の信報所みたいな感じなのでしょう。政府の役人にとっては恐怖の金曜日だそうです。ガイドによると「大臣は夜に眠れない仕事」だそうです。まあ、国王が尊敬されていると言うことなのでしょうけど…。外国人の私の目から見ると、莫大なばら蒔き政策で30万の国民全員を買収しているかに見えました〔国民の半数を公務員として雇用し高給をまいたりもしています〕。この生活レベルなら文句はないでしょう。隣国のマレーシアより何倍も良い生活を送れる国です。そう言えば、移動中に住宅建設現場が見えた時にガイドが「ブルネイでは住宅建設に政府が支援を行っていて、住宅ローンを無利子で借りることができる」と言っていました。恐るべし…、これなら文句はでないでしょうね。この国こそ「この世に羨むものは無し」でしょうな。あと20年は石油や天然ガスが採れるそうですから、当分は現体制は安泰なのでしょう。幸運な国ですね。

レガリアのあとは昼食にしました。地元料理のビュッフェでした。マレーシアの料理と変わりありませんでした。ガイドさん曰く「ブルネイでは海老(プロウン)がとても安い。1キロで7ブルネイドルしかしない。だから海老が人気なのだ」とのことでした。確かに安いですね。そう言えば、昨晩の夕食は海老の揚げ物にしておりました。

午後には博物館を2箇所回りました。最初に行ったのは、マレー技術博物館でした。ガイドさんはこの博物館の近くの出身だそうでして、説明に随分熱が入っておりました。ブルネイの人々は元来水上生活者だそうでして、陸上に上がるのは耕作ぐらいだったそうです。この水上生活の博物館でした。この博物館では展示物の撮影OKでしたのでストロボを焚きまくってしまいました。感動したのは、鋳造技術でした。金や銅の鋳造や鍛造を水上の木造家屋の中で行っていたそうです。漁法もおもしろかったです。潮の干満を利用した漁法で、昔下地島で見た魚垣みたいな漁法を行っていたようなのです。こっちでは竹製の漁具を用いていたようですが…。ブルネイ王室も元は水上生活を行っていたようで、現国王も水上で産まれたそうです。

次に訪れたのはブルネイ博物館です。1972年開館の古い博物館でした。残念なことに展示物は撮影禁止でした。王室の歴史やブルネイの民俗の展示が主なものですが、私が一番興味を持ったのは、石油と天然ガスの展示でした。地質から採掘から積み出しまで割りと分かりやすく展示されておりました。海上油田のプラットフォームの画像は割りとよく目にしますが、地下構造まで示した模型はここで初めて見ました。

歴史系の展示もなかなか楽しめます。マラッカ海峡からフィリピン海辺りは植民地帝国がしのぎを削った場所で、スペインはフィリピンを支配し、オランダはインドネシアを植民地にし、最後にやって来たイギリスはマレー半島を支配下に置きました。ブルネイはボルネオ全島を支配していたのですが、北部を英国北ボルネオ会社領にされ(現在のマレーシアのサバ州)、南はブルック王朝領にされ(白人領主なんですな、現在のマレーシア・サラワク州)、現在のブルネイ領の狭い狭い地域だけが残ることになったのです。この狭い領土に集中して膨大な石油が見つかるのですから、運命とは全く奇遇なものです。先の大戦中はブルネイは日本軍が占領しました。レイテ沖海戦の際には第一遊撃部隊はブルネイに集結してからフィリピンへ出撃しました。陳腐な表現ですが、激動の歴史を持つ国なのです。

なお、ここで強烈なスコールに遇いました。博物館の屋内にいたので被害には遭いませんでしたが、20分ほど猛烈な雨が降りました。南洋らしい景色でした。すぐに日がさすようになるのですが、暫くは雨が降り続けました。

最後に舟を借りて水上集落に行きました。水上集落はカンポンアイルとも呼ばれています。カンポンと言うのは木の名前で非常にめの詰った木で、水に沈みます。この木を使って水上に柱を立て、床を張って、この上に家屋を建設して生活しているのです。

現在も約3万人が水上集落で生活しているそうです。ガイドさん曰く「何でもある」とのことでしたが、水上に電線や水道管が張り巡らされ、現代的な生活を送っているようでした。水上に学校や変電所まであって、交通手段が舟である以外は普通の街でした。その上、住民の殆んどは自動車を保有していて、大量の自動車が岸の駐車場に置いてあるのです。何のために水上で生活しているのか…。

ガイドの案内で水上タクシーのドライバーのお宅を訪問してお茶を頂きました。確かに涼しいですが…。やはり水上に住むほどのことはなさそうです。習慣を大事にしているのでしょうけど…、夜に川に落ちたりしないのかしら。水上に張り巡らされた橋状の通路は結構怖かったですけどねえ。

こんな感じでバンダル・スリ・ブガワンを堪能しました。明日は再びマレーシアに戻ります。来て良かった…。

追伸:1ブルネイドルは約75円です。シンガポールと通貨同盟を結んでいて、シンガポールドルと等価交換だとどこかで聞きましたが、今でもそうなのかしら…。レートはそんな感じですけど。





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Last updated  2006/11/27 08:23:53 PM
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