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2024年12月01日
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カテゴリ: 読んだ本


名前だけ知っていて読んだことのない小説というものはなるべく読むようにしている。特に、古い時代に書かれて今も消えずに残っているものはよいものに決まっているのだから。
そんなわけで「路傍の石」を読んだ。ただ、この小説は何度も映画化されており、おそらく映画化されたものをテレビで断片的に見た記憶がある。その映画について検索してみると、主人公は子役なので、子供時代を中心とした映画化なのだろう。子供時代のエピソードで一番の山場は主人公が友人に度胸をみせるために線路につかまる場面である。実際、路傍の石というと、よくこのエピソードがひかれる。
これについては、「カラマーゾフの兄弟」の中で登場人物の一人の利口で勝気な少年コーリャの話としてやはり線路に横たわる場面がでてくる。これはちょうど小さな子供の体が車輪の間にあったために無事だったという話であり、それも簡単に伝聞として書かれているので、一つの小説の山場として描かれているのとは趣が違う。そうであるにしても、原作者がカラマーゾフの兄弟の挿話から影響を受けた可能性は十分にあると思うが、ただ、ネットで検索しても確認できず、もしかしたらコーリャの挿話自体が勘違いかもしれない。
「路傍の石」は不運な小説で、最初に連載されたときには、登場人物の一人の社会主義的な言説が問題視され、突然、休載となり、戦後、再び連載されたときには、主人公の少年らしい国家主義的な意見が問題視されたという。そして第二部を残したまま、作者の体調不良で第一部のみ完結し、その後。第二部がかかれることはなかった。戦後書かれた部分は、今までの部分と登場人物の名前がかわっているなど不整合な部分もあり、多少、書きとばしたという印象もある。やはり一番印象に残るのは、優等生であった主人公が中学進学の希望をもちながらも、それがかなえられないあたりであり、このため、「路傍の石」は少年小説であるという印象を持っている人も多いのではないのか。
進学できなかった主人公は商家の小僧、東京での怪しいおともらいかせぎ(葬式の参列者のふりをして香典返しを貰う)の手伝い、植字工、事務員、編集員としだいに出世していく。当時の世相を見るという意味でも面白い。優秀であり、意欲があっても、進学できなかったという人が大勢いた時代である。それでも、学費を出してくれる篤志家というのはいたし、周囲の理解があれば、士官学校や師範学校など学費のいらない学校もあった。ただ、この小説では、主人公の父が士族という気位だけは高いくずのような人物で、篤志家の申し出も断ってしまうのである。そういう現実もあったのだろう。





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最終更新日  2024年12月01日 10時46分42秒
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