恋涙 ~ renrui ~

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タイムカプセル~君の声7


僕と龍一と亜希は柊の木の下にいた

「タイムカプセルねぇ・・餓鬼っぽい

「あー文句言うならやらなくてもいいよ」

提案者は亜希。テーマは自分の宝物と7年後の自分以外の
二人に宛てた手紙。

僕の宝物は三人で撮った写真、龍一は三人で行った海の貝殻
亜希は三人おそろいのブレスレット。
各々無言でペンを走らせる、7年後の龍一と亜希に宛てた手紙
7年後の龍一とそして亜希をイメージしながら。

「よーし、土被せるぞ」

小さなアルミ製の缶に全てを入れて蓋をし僕と龍一で掘った
穴に埋めると上から土を三人でかける
その途中で亜希がおもむろに口を開いた

「二人への告白の返事は手紙に書いたから、七年後の楽しみ
にしておいて」

「七年おあずけってやつかよ」

「うわ・・・亜希って意外に・・・」

僕と龍一は顔を見合わせ頷く

「意外に・・何よ」

「意外に魔性」

僕達は声を揃えて亜希に言うと亜希はむくれってしまい
なだめるのにその後、すごく苦労した。
亜希が天国に旅立ったのはそれから一週間後の出来事だった

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