ジャン・コクトー著 「美と王妃たち」 を
やっと読み終えたところです
戴冠をしていても、実質だけであっても
著者には王妃という存在に対する
特別の思いが有ったことがうかがえます
聖女ジュヌヴィエーヴ
ジャンヌ・ダルク
マリー・ド・メディシス
ポンパドール夫人
マリー・アンワネット
皇妃ジョセフィーヌ
サラ・ベルナール
等々
この本の中にはジャン・コクトーが
王妃にふさわしいと感じた女性達が
夜空の星々のように輝いていますが
少々難解で読むのに暇がかかりました
でもこの本を読んだお陰で
ジャン・コクトーが身近に感じられて
見逃していた名作の「双頭の鷲」を見てみました
『双頭の鷲』は、ハプスブルク家の紋章ですが
片方が死ぬと、もう片方も死ぬことをも
表しているようです
双頭の鷲
監督・原作・脚本
ジャン・コクトー
出演
エドウィジュ・フィエール
ジャン・マレー
オーストリア=ハンガリーを統べる
悲劇の皇妃エリザベートの恋の物語は
亡くなった夫にうりふたつの暗殺者を
女王が懐かしい夫の面影ゆえに
愛してしまったことから始まります
ジャン・コクトーが息子のように愛し
スタニスラスの役を任せたジャン・マレーの
美しさは例えようもありませんが
その声は顔に似合わず深みに欠けて
残念でした
エドウィジュ・フィエールの女王は
身のこなしと歯切れの良いセリフで
女王の美貌、誇り、激情、勇気、優雅を
まさしく完璧に見せてくれました
この映画を見ていますと
スクリーンに向っているというよりも
劇場に座っているかのような気がして
人物がより近く感じられ
王妃の気品に打たれた2時間でした