SHINOBI.帝国-おむらいすの里

第三話出発



ヒドラはあせった。この計画が
他人にばれれば、間違いなく殺される。
ヒドラの頬に冷や汗が流れた。

「わしだ、ヒドラ。」

影から現れたのはオルゲイト
将軍だった。ヒドラの幼馴染である。

「お前、まさか・・・。」

幼馴染でも、油断は禁物だった。
オルゲイトは誰よりもこの国に
忠誠を誓っている。そんな彼に、
ヒドラが今回の計画をぶち壊そうと
していることを知ったら、いくら
幼馴染でも襲ってくるに違いない。
ヒドラは、覚悟した。

「ヒドラ・・・わしもついてってよいか?」

意外な答えにヒドラは戸惑った。

「え・・・?あ、ああ・・・。」

ヒドラは頭の中がパニックになっていた。
まさか、あれほど忠誠心の強いオルゲイトが
反乱者の手助けをするとは・・・。

「いいのか?だめなのか?」

ヒドラは深呼吸をして、落ち着いた。
無論、オルゲイトなら今回の旅での
護衛を頼めるし、ヒドラ以上の実力を
持つ。そしてヒドラは答えを出した。

「ああ、一緒に行こう。」

当然の結果だった。

「ありがとう。では、準備をしてくる。」

そういうとオルゲイトは自分の部屋に
戻って準備をはじめた。

「本当によかったズラ?」

屑男は少し不満そうだった。

「どうした、オルゲイトなら必ず俺たちを
守ってくれるはずだ。何か不満でもあるのか?」

「いや、なんか、ヒドラが{一緒に行こう}と
いったときに、なんかあいつ、軽く笑ったような
気がするんズラ・・・。何かたくらんでるかも・・・。」

「ハハハ、お前は心配性だな。大丈夫だ。あいつを信じろ。」

ヒドラはポンっと屑男の肩をたたいた。
そして、オルゲイトが戻ってきた。

「待たせたな。では、行こう。」

「ああ。」

こうして、ヒドラの計画ははじまった。

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