バル対策本部  元帥の間

バル対策本部 元帥の間

OYOZRE Extended narrative【You are me】




名前 ノーブ(仮名)

性別 男 年齢 20歳

詳細 自分の名すら明かさない噂を求める謎の男。ノーブという名はNOVELISTから取られている。
   常に敬語を使い、下手に出る事で、自分の目的の為に人を動かす事を得意としている。
   噂に大変興味を持ち、いつも背には噂を書き綴る本の入った白い箱を背負っている。
   掴めない人間性により、知り合いさえもどういう人間か分かっていない。


名前 テン(仮名)

性別 男 年齢 15歳

詳細 非常に無口で音楽が何よりも好き。片時もMDプレイヤーを手放さずイヤホンで四六時中音楽を聴いている。
   超人的なまでに耳が良く、MDプレイヤーの音量を最大にしているが、周囲の音は決して聞き逃さない。
   幼い頃の記憶が無い為、名前が分からない。不安定なまま孤児院から抜け出した。
   心の隙間を埋める為に精神安定剤を服用し、麻薬中毒のような状態になっている。
   平静は決して崩さないがむしろ感情表現が上手く出来ないようだ。
   殺し屋レクイエムの店長であり、テンという名は店長から取られている。



名前 ミズシマ(本名 水島 沙耶)

性別 女 年齢 外見は20代前半

詳細 レクイエムで働く唯一の従業員。世間からは死んだことになっている女性。
   従業員といっても、テンのサポートばかりではなく、自身も重火器などで仕事を行う。
   火器の扱いは独学なので使い方が少々荒い。テンの事を店長と慕い、恩返しの為に働いている。
   性格は明るく丁寧で、店の様相などは彼女がおこなっている。
   テンの事を貶されるとキレる(重火器で原型を残す事無く始末される)


名前 ラジネス(仮名)

性別 男 年齢 18歳

詳細 性格は大雑把で興味を持つが、すぐ飽きる怠け者。大抵はレクイエムに訪れては遊んで帰る。
   人の痛みが理解できない為か、非情に口が悪く、誰かをからかうのが楽しみ。
   表向きは大手の大企業に勤めている事になっているが、実際は裏の仕事で仕事の半分が汚れ仕事(暗殺などがほとんど)。
   本名を偽る為に組織から名前を貰い、響きが格好良いと喜んだが、意味を知り、愕然。
   その配慮からか、仲間達からは「ラジ」などと呼ばれている。
「ノーブ」「テン」「ヤブ」などのあだ名を付けたのはコイツ。


名前 ヤブ(本名 矢部 明彦)

性別 男 年齢 26歳

詳細 人気の無い場所にひっそりと佇む診療所を経営している内科の医者。
   普段はノーブと同じように冷静だが、キレると汚い言葉を吐きまくる子供のような状態になる。
   両腕が義手だが、今は何不自由なく使いこなしている。
   患者は危険な輩が多い為か、義手にはナイフなどが多数仕込まれている。
   テンに脅されるように精神安定剤を渡しているが、医者として彼の事を気に掛けている。
   ラジネスとは非常に仲が悪く、彼のせいで自分が「ヤブ医者」と呼ばれるようになったと嘆いている。


名前 カリン(本名 宮崎 花梨)

性別 女 年齢 10歳

詳細 少し大きめの帽子とオレンジ色のサングラスが特徴的な盲目(全盲)の少女。
   常人離れした第六感覚の持ち主で、目が見えなくても感覚だけで物体の位置が分かる。
   テン同様孤児院で暮らしていたが、自由を求めて抜け出した。
   一応白杖は携帯しているが、移動時には使わず、護身用具(多節棍)と化してしまっている。
   スーツケースを常に引き摺っており、中身は売り物である品物が詰まっている。
   主に路上販売で資金を稼いでおり、生計を立てている。ラジネスが嫌い。





【幕開け】




俺には無い感情、俺には出来ない行動。


身形は同じ、中身は正反対。


こいつはそれでも俺と言う。


【You are me】



「こんにちは。」


人目に付かない薄暗い路地に佇む、一見喫茶店のような店。


レクイエム。それがこの店の名前。


店内は明るい洋装で本当に喫茶店そのもの。カウンターテーブルなども多数存在している。


実際ここを喫茶店と思い込んだ客も来るらしいが、ここは喫茶店ではない。


殺し屋だ。


私は今日ここにある用事で訪れた。別に誰かを殺して欲しいわけじゃありません。


「あら、こんにちは。すいません、店長は今出掛けていましてねぇ・・・」


店内は、カウンターで食器を洗っているミズシマさんという女性が居るだけだ。


この人は立派な方だ、人間性が良くできています。ミズシマさんはこのレクイエムの最初の客なんだとか。


レクイエムは2年前からに営業しているらしいですから・・・しかし、どういう経緯で殺し屋なんかで働きたくなったんでしょうか。


聞いてもはぐらかされるだけで、教えてもらえません。


しかし・・・店長さんは・・・居ませんか・・・


「いえいえ、大体検討は着くんですけどね・・・ヤブ医者の所でしょう?」


ノーブの確信をついた言葉に、ミズシマは困ったような笑みを浮かべて呟くように言った。


「色々と鋭いですねぇ、ノーブさんは。」


ノーブと言うのは私のあだ名です。誰にも名乗らない私が悪いのですが


もう少し考えて着けて欲しかったですね・・・まぁどうでもいいですけど。


ノーブは店の奥の店長がいつも居る部屋を覗いたが、そこには食い散らかされた菓子などが散乱していた。


店長さんは菓子は食べない・・・だとすれば


「・・・ラジさんが来ていたのですか?」

「分かるんですねぇ・・・まぁこの有様だと流石にという気がしますけど。」

「ということはラジさんも付いて行ったと言う事ですか・・・相変わらずの仲なのですか?」

「ですねぇ・・・ラジ君は一方的によく喋りますからねぇ。」


ラジさんは一言で言えば性質の悪いガキ。と言ってしまっては失礼ですね。


仕事上、店長さんとよく一緒に居る事が多いですが、仲は相変わらず・・・


ラジさんが一方的に喋って、店長さんは無反応。


ラジさんの方が店長さんより3コ上の年上なんですけど・・・


まだまだ友達にはなれませんか・・・店長さんが誰かに心を開くのか分かりませんがね。


「私も行って見ますね、ミズシマさんも心配でしょう?」

「えぇ・・・まぁ・・・」

「・・・大丈夫ですよ。ヤブ医者だってちゃんと考えてくれているでしょう・・・」


心の病は時間がかかりますが、ここは医者に任せる他ありませんからね。








「まだ薬を続けるつもりかい?テン。」

「・・・・・」

「君の傷は一生治らないかも知れないだろうけど、もうこれ以上服用すれば、壊れてしまうよ?」


人の気配がほとんど無く、ひっそりと佇む診療所。


テンはそこに時々薬を貰いにきている。薬と言っても風邪薬なんかじゃない。


テンが最も必要としているのは、ドラッグだ。


ドラッグと言っても睡眠薬程度の物だが、テンは月に一度、この薬を貰いに来る。


テンは、自分に語りかける一人の医者と椅子に座り、


待合室にはラジネスが欠伸をしながら椅子に腰を掛けていた。




「僕は医者として君に睡眠薬くらいしか与えてやる事ができない。」

「・・・・効かなくなってきた」

「あのねぇ、メジャートランキライザーは絶対にダメだ。服用し続ければ、廃人じゃ済まなくなる。」

「ヤブ・・・意見を聞きに来たんじゃない・・・さっさとよこせ・・・」


ヤブと言われた医者は深く溜息をついた。


そして鋭い眼光でテンを睨め付け、右手の人差し指に仕込まれた一本の細長いナイフを出した。


「君は人の意見を聞かないね。子供は大人の意見を聞く、そして学ぶものだと思うけど。」

「・・・・お前に?・・・笑わせるな・・・」

「生意気やるのもいい加減にしなよゴミクズ野郎。殺し屋だからって好い気になるな、人殺し野郎が。」

「・・・それが仕事だ」

「君達は本来は医者の敵だ。人の命を必死こいて救ってる僕達がいくら頑張っても、君達は鉛の弾一発で簡単に命を奪うんだ。僕は君達みたいな人間は全員死ねば良いと思ってる。」


ヤブはナイフをテンの喉元に向け、大声でこう叫んだ。


「だがね、どんなクズ野郎でも病気や怪我なら救わなければならないんだよ!それが僕の医者としての誇りだ。まぁ、それでも僕に危害を加えようとするなら、バラバラに切り刻んでそこらへんに勝手に埋葬するけどね!!!」

「・・・なんの話だ?」

「君が僕の患者である以上は、僕も君の意見を聞く気なんてないね!知識に疎い君が僕に意見をするんじゃない!!クソガキが!黙って治療に専念すりゃ良いんだよ!!」


診療室から響く怒声にラジネスが気づき、ダルそうに診療室の扉を開けた。


またキレたか。苛立つ気持ちは分からんでもないけど、声がでけぇんだよ・・・


「うっせーなヤブ医者・・・子供相手にキレんなよ、もう若くないんだし、大人気ないったら。」

「ヤブ医者と言うな!!!僕にはちゃんとした【矢部 明彦】という名前があるんだ!!医師免許だってちゃんと持ってる!!もう二度とヤブ医者と言うなよこのチンピラ共が!!」

「落ち着けっての、せんせーは常にれーせいで居なきゃね。ケケケ」

「くっ・・・テン、いつもの睡眠薬だよ。あと、【このまま治らないで良い】なんて考えるんじゃない・・・僕はカウンセリングなんてできないが、僕の知人を紹介してやることができる。」


テンは不機嫌面でヤブから睡眠薬を強引に受け取ると、無言で診療室から出て行った。


この光景もこれで何度目か分からない。テンは一向に心の病を治そうとはしない。


心の内を誰にも見せようとしないから、ヤブは手の施しようがない。


このまま睡眠薬だけを服用していて良いわけがない。むしろ逆だ。中毒性が低いとはいえ、今ではもう睡眠薬に頼りきりだからだ。


もう壊れているじゃないかと思わせるようなテンの様子に、医者としてヤブは常に気にかけている。


ヤブはテンを追いかけようとしているラジネスを引き止めた。


「・・・君に期待なんてできないが、最近テンの様子はどうかな?」


ヤブにとって今一番気掛かりなことだった。ラジネスは真剣な顔つきで言った。


「べ~つに・・・あ~・・・最近だけどよ、焦ってんのか、苛立ってるみたいなんだよなぁ・・・」

「心の支えが、君じゃ役不足なのかもね。」

「なんでだ!?俺なりにテンには気ぃ遣ってんの。ただ、やっぱり何も喋らねぇからさ・・・」

「あの歳で人をあんなに拒むのは普通じゃない。テンは人を恐怖心で拒んでるんじゃ無さそうだからね。」

「ヤブ!殺し屋なんてそんなもんさ、誰にも隙を見せないから生き残れるんだ。生涯恨まれる職業なんだ、いつか誰かに命を狙われるかも知れない。気が触れたっておかしくねーよ。」

「でも・・・テンは周りの人に恐れを抱いていなくても、僕らはまだテンの【敵】なんだろうね・・・」


ヤブが言い終えると、ラジネスは黙って溜息を付いた。


テンが罪悪感なんて感じるはずがない、自分に対する障害は徹底的に叩き潰す。


人を殺す覚悟ができている。人を生き物として見ていない。


テンは生きるために前ばかり向いて進んできたんだろう。殺し屋で築いた屍の山は、テンを生かせるための金になる。


テンにとっては殺し屋は天職なのだろう。殺し屋にとって致命的なのは人を殺る時の【躊躇い】なのだから。


「仕方ありませんよ。まだ15歳なんですから、難しいお年頃なんですよ。」


白髪に白いコート。年中同じ格好のノーブがそう言うと、静かに診療室に入ってきた。


「難しいお年頃って・・・そうなのかぁ?15歳だと3年前だから・・・ん~・・・特に今と変わらないぜ、俺は。」

「君にはそーいう悩みが無かったんだね。実に楽しそうな人生で羨ましいよ。」

「ん~・・・ヤブにはあったの~?ど頭抱えるよーな深刻な悩みがさ?」

「そりゃ勿論だが、テンと比べると環境が違いすぎるし、僕の悩みの方が明らかに【ちっぽけ】って言うか、まず次元が違うよ。」



テンの過去を知る者は誰一人居ない。テンは11歳になるまでの記憶が一切無いのだ。


家族、親族、知人、友人は誰一人として居ないし、テンは覚えていない。


自分の本当の名前さえも分からない。思い出せない。


ただ普通に、目が覚めたら見慣れない天上に見慣れない場所に見慣れない人。


自分に何が起こったのか分からない、何故孤児院で寝ていたのか分からない。


自分は元々孤児なのか、それとも家族が居たのかさえも、分からない。


頭は常に混乱し、廃人のように孤児院で一年を過ごした。


そして、自分が知らないはずの12歳の誕生日に、孤児院から逃げ出した。


先生が自分に誕生日ケーキをくれたのだが、二人の先生はその後こう言ったからだ。


「12歳の誕生日おめでとう」


その時、虚ろだった目は真っ直ぐに先生に向けられ、一年間誰とも一言も喋らなかったテンはこう言った。


「教えろ・・・教えろ・・・」


先生が口を割らないから、脅したけれど、やはり口を割らなかったから、殺した。


たった一本の果物ナイフで、その場に居た教員二人を殺害した。恐ろしくは無かった、ただ苛立った。ムカツイタ。


そして、自分の素性を少しでも知っている者が居る事も分かった。だから、自分の素性を知る為だけに


孤児院に火を放って脱走した。


孤児院に残っていた子供達が悲鳴を上げながら燃えていった。


だが、テンにはどうってことなかった。この頃から他人に関して情などは持ち合わせていなかったのだ。


昔の事をふと思い出しながらも、テンはレクイエムへと人気の無い路地を歩いていた。


「未来か・・・フン・・・・興味はない・・・・」


いつしかノーブに言われた言葉【ずっと後ろに走らずに、未来へとせめて、前に向くべきですよ】


未来へと前に向かなくても、こうして日々は流れている。


進展の無い毎日が続いている。苛々する、やはりこれでは止まっているのと同じか・・・


睡眠薬の入った紙袋がクシャクシャに握りつぶされる。


こんなものに頼らざるを得ない・・・未来に向けだと・・・


未来ってのは・・・どっちに向けば良い・・・どうすれば前に進める・・・・


「そういうのって、考えたら御仕舞いだよ。」


テンのすぐ側から何者かの声が聞こえた。


自分の声にどこか似ているが、違う。自分はこんなに活気の有る声では無い。


声の主は、テンのすぐ後ろに居た。


テンはすぐさま振り向いたが、どうやってここまで気配を消して近付いたかは気にならなかった。


声の主は、テンだった。まるで鏡を見ているような感じを覚えたが、何かが違った。


こいつは・・・誰だ?


「お前・・・誰だ?・・・・」

「俺は君だよ?」

「ふざけるな・・・お前を見てると腹が立つな・・・・早く消えろ・・・」

「お前を見てると腹が立つって・・・じゃぁ君は鏡を見るといつも自分自身に腹が立ってるのか?」


テンは苛立ち、歯を食いしばった。


こいつを見ていると・・・本当に腹が立つ・・・何故か分からない・・・俺とそっくりだが・・・俺ではない。


「俺は、天宮 伝馬。正真正銘、君自身だ。それが君の名前だろう?思い出せないか?」

「・・・・・」


テンは天宮 伝馬と名乗る少年を睨みつけたが、すぐに目を逸らし、俯いた。


こいつの言ってる事はみんなデタラメなんだ・・・デタラメ・・・


なのに何故違う気がするんだ・・・会ったばかりで意味の分からん事をほざく奴の言う事が


俺と全く瓜二つの姿ってだけで・・・【デタラメじゃない気が】するんだ・・・


伝馬は溜め息をつくと、俯くテンに手を差し伸べた。


「残念、過去は全て知らないようだな。・・・なら、これから全て、教えてあげようか?」


自分の過去・・・俺が・・・只一つ・・・知りたい事・・・


だが・・・!


「お断りだ・・・5秒以内に消えろ・・・消えないなら・・・この場で俺が消す・・・」


テンはそう言うと、伝馬の額に銀色の銃を押し付けた。テンの人差し指は、引き金に掛かっている。


だが、伝馬は動じる事は無かった。この銃が本物じゃないと思っているわけでもないし、テンがふざけていると思っているわけでもない。


伝馬は確信していた、テンは絶対に引き金を引かない事を。


「君は俺にその銃の引き金を引くことは無い。俺は君だ。考えていることくらい分かる。今まで何十人殺してきたんだ?君の過去を知る者達を、何十人と葬ってきて、後悔していただろう?」


テンは銃をゆっくりと下ろした。


夢か、薬にやられて幻覚でも見ているのか・・・


自分と身形さえも瓜二つの人間が居る筈が無い。そんな事が、どうでも良くなってくる・・・


こいつは・・・もしかしたら・・・


テンは伝馬の胸倉を掴むと、ゆっくりと伝馬に聞こえるように呟いた。


「・・・本当にお前が・・・俺なら・・・・知っているのか?・・・」



伝馬は微笑みながら頷いた。





「自分の名前も素性も分からないのでは、やはり辛いのでしょうか。」

「え?・・・あぁ、テンの事ね。私は自分の名前も素性も分かってるっていうか、記憶はあるんだ。でも、一番は親の事が分からない事が何より辛いんだと思うよ?私がそうだし。」

「そうですか、カリンさんも御自分の両親の事を・・・あぁ、ざるそばは私です。」


あの後また口喧嘩を始めたラジネスとヤブから別れて、ノーブはこの暑い中、路上販売をしているカリンを見つけた。


演技で客の情を誘って、色々と自分のスーツケースに入っている品物を売りつける・・・


手法は変わらないのに、騙される客って多いですね・・・可哀想だから買ってあげようという甘い方が多い・・・


まぁこれも生きる為だから仕方が無いのでしょうね、などと考えていたらカリンさんに見つかって、昼御飯を奢らされているのですが。


「ざるそばなんかで持つの?昼飯なんだからしっかり食っとかないと。」

「この暑いのに、あなたのように定食セットなんて食べる気力は私にはありませんよ。」

「本ばっかり書いてるからだ。」

「貧弱体質なんですよ私は。」


和風レストランなんて、高くつくんですから。子供は遠慮が無いですねぇ。


まぁそこで本音を言わないのが、大人のプライドってやつですけどね。


しかし目が見えないのに、器用に食事をする子だ・・・


何不自由が無いってのも、あながち嘘じゃ無いんでしょうね。


「・・・・テンは、多分私よりずっと辛い目に遭ってたと思うよ。なんとなくだけど、雰囲気とかで。」

「切ないですねぇ。心はもう砕けかけているというのもまた・・・」

「私は目が見えないから、テンが実際どんな身形をしているのか分からない。でも、やっぱり最初に会ったときは死人かと思ったよ。」

「そうですか・・・・心の無い生物を、生物と言えるのか・・・それもまた切ないですね。」


これが彼の・・・店長さんの運命なら、所詮神など当てにはならないのですね。


神が居るならば、神が必死に創り上げてきた、このくだらない世界の脅威になり得ますからね。





だが、もし全知全能という名の神が居たとしたら





居たとしたなら、何故神はそこまで、彼を嫌うのか?







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