am5:36

am5:36

お茶目なじいちゃんたちの話

お茶目なじいちゃんたちの話
虎男・・・パソコン大好きなご老人
脇さん・・・八割意味がわからない
てつじ・・・思慮深い老人
ソメイヨシノ・・・ヒロイン

虎男   「ごめんごめん!遅くなったな!」
てつじ 「虎男、今までどこいってたんだ!あんまり遅いから脇さん、老人会の箱根旅行に行く準備しとるぞ。」
虎男   「ええっ!?そらいかん!!脇さ~ん!虎がきたぞぉーい!!」
てつじ 「ええわええわほっといて。どうせわしの家なんじゃから用意しようにも用意できんのじゃから。」
脇さん 「・・・いかん、わしの家のもの、全部もってかれとる。」
てつじ 「脇さんやあ。ここはわしの家じゃで。」
脇さん 「ん。そらそうじゃ。」
虎男   「脇さん、当然のような顔しとるぞ。」
てつじ 「人生とは、そんなもんじゃ。行き違いがドラマを生む。」
虎男   「しかしこれは行き違いなのか?引くに引けない人生のボタンの掛け違えのようなもんじゃ。」
三人  「・・・?」
脇さん 「わしら、何の話ししとるんじゃ。」
てつじ 「虎夫の結婚の話じゃなかったかのう?」
虎男   「そうじゃ。それが、今日ペロポーズしてきた。鼓動が激しく動いたよ。」
てつじ 「ペロポーズ?なんじゃそりゃ。」
虎男   「西洋の表現じゃ。結婚を申し込んだんじゃ。ソメさんに。」
てつじ 「どうじゃった?」
虎男、回想のシーン
ソメイヨシノ 「虎男さん、今日はまた八王子の高尾山で一体何の話かい?」
虎男   「ダブルクリックって知っとるかい?ソメさん?」
ソメイヨシノ 「わしゃダブルドリップしか知らんよ。」
虎男   「?それは初耳じゃ。しかし、わしの言っとる意味は、少しばかり違う。」
ソメイヨシノ 「虎さんはエゲレス語に詳しいのう・・・それで、どんな意味なんじゃ?」
虎男   「なんでも‘押せ押せ’っちゅー意味らしいで。それでな、わしゃソメさんを・・・。」
ソメイヨシノ 「どうしたんじゃ?虎さん、血圧があがったかえ?救急車呼びましょうか?」
虎男   「わしゃ・・・わしゃ・・・ソメさんを・・・ダブルクリックしたい!!」
ソメイヨシノ 「・・・考えときます・・・。」
虎男の回想終わり
てつじ 「いやソメさんも、シュールじゃのう。」
脇さん 「そうやって虎男をじらすつもりなのかもしれん。」
虎男   「ソメさん、今日も綺麗じゃったのう・・・。」
てつじ 「それで、わざわざ高尾山からタクシーで五時間かけて仙台の築館町まできよったのか・・・。」
脇さん 「なんせソメさんはハイカラな山にすんどるからのう・・・。」
虎男   「それでなあ・・・大変だったんじゃ。タクシーの若人に金をたいそうせびられてなあ。
    泣く泣くわしゃ年金で貯めた金を銀行でおろしてタクシー代にしたんじゃよ・・・。」
てつじ 「あらあ~そらー大変じゃなあ・・・。時代の流れは怖いのう・・・
    しかし、虎男、お前さんこないだ結婚指輪買って明日支払い期限じゃなかったかの?」
虎男   「・・・。」
脇さん 「あかん、忘れとった・・・金がしこたま足りんわい。」
てつじ 「脇さん、あんたがゆうてどうするんじゃ・・・。」

家族だんらん

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: