★女子高生★



外は綺麗な五月晴れ。それと対照的なほど、つまらなく、陰湿な授業。
アタシは、込み上げてくるあくびを噛み殺した。
机の上に広げられた教科書とノート。
教師の板書を書き写すだけのノートは、どんなに書き写してもまったく頭に内容なんて残らない。

こんなことでいいのかな。
授業が退屈だと、いつもこんな事を考えてしまう。
人並みに友達もいるし、彼氏もいる。
毎日は楽しいけれど、それでいて心のどこかに満たされない何かがあるような。
雑誌で取り沙汰されているような派手な毎日を送っているわけじゃない。
最近は、タメの子や下の年齢の子たちがあたりまえのように雑誌やテレビに出てて。
その子達の日常なんかが特集されたり、持ち物がブームになったり。

なんだかなー。
軽くため息をついて、黒板に目をむける。
知らないうちに板書がすすんでいた。
消されないうちに、とりあえず、慌てて書き写す。
あたしのそんな様子に気が付いたのか、教師に横目でちらりとにらまれる。
軽く頭を下げて、反省しているフリ。

高校生、って特別な時間な気がする。
もちろん、中学も小学校も、もうその時代は戻って来ないけれど、
なんとなく高校生っていう時間はその2つとは違うと思う。
やっぱり高校生っていう時期にいろいろな事をしておきたい。
今の社会が「女子高生」っていうものにステータスを置いているからだとも思うけれども、
だったらそのステータスがあるうちにやれることやっておきたい。

でも結局、何もできずに日々は進んでいくのが現実。
芸能人や読者モデルみたいに華やかな生活が訪れるとは思わないし、無理してそうなりたいとも思わない。
それでも、今過ごしている時間はそれなりに自分にとって価値のあるものになっていくと思う。
少なくとも、あたしにとっては。確実に。

あたし≠女子高生っていう日は、いつか、必ず来る。
『女子高生』のステータスがなくなった時、自分を見失わないでいられるように、
今は今を重ねていくしかないんだと、思う。





これは「モノ書きさんへの100のお題」というものの
第1のお題です。ぁめり高校生じゃないですよ、念のため(笑)
今時の子たちって、どんな風に考えてるのかな、
なんて思いながら書いてみました。

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