安心の素。
今朝、ヒトッティーが、
ヨーロッパ出張に出かけていった。
出かける前に、
私からヒトッティーへお餞別。
それは、ゴマせんべいと塩せんべい。
そして柿の種。
それから極めつけに、
紫蘇のおにぎりと生姜の味噌漬け。
もちろん梅干しと煎茶のパックも。
ヒトッティーと同行する人、
2人分のお餞別。
それを見たヒトッティー、
大感激。
あはは、
ああ、アナタもやっぱり日本人なのねぇ。笑
私自身、
海外旅行に行くときは、
必ずといっていいほど、
柿の種と梅干しと煎茶を持っていく。
しょっちゅう海外旅行をしていた若い頃、
あるとき、
往路の飛行機が今までにないほど揺れた。
エアースポットに入ってしまったようで、
ロデオさながらの上下に動く大きな揺れと、
かかってくるGによって、
私は相当参ってしまった。
ちょうど食事が始まった頃だったのだけど、
私の席は後ろのほうだったため、
食事は、
すでに前列の乗客は食べ終わる頃の、
ほとんど最後のほうで運ばれてきた。
しかしその機内食はというと、
すごい上下の揺れでほとんどがこぼれてしまい、
食べるどころか、
見るも無残となってしまったのだが、
そんなことがなくても、
私自身が揺れとGで気持ち悪くて、
とても食べることは出来なかった。
こぼれて残骸となった機内食は片付けられて、
しばらく経っても気持ち悪さが治らない。
うつろな状態が続いていたそんな時、
隣にいた友人が、
持参した柿の種を勧めてくれた。
「落ち着くよ。」
勧められるままに、
一口食べてみたところ、
ふっと気持ち悪さがやわらいだ。
醤油の味がほっとする。
このまま、
到着するまで続くのかと思った気持ち悪さも、
おかげでだいぶ薄らいで、
ずいぶん楽に過ごすことが出来た。
あの時、
『やっぱり私は日本人なのだ』と思ったものだ。
私としては、
旅するときは、
「郷に入っては郷に従え」というように、
その土地の食べ物を楽しむことにしているので、
異国に行ってまでも、
日本食を食しようとは思っていない。
むしろ、その国の、
その土地の料理を堪能するほうが好きだし、
今までずっとそうして来た。
それは、機内食であっても同じ事で、
どの国の航空会社かによって、
出される食事も違ってくるから、
美味しいかどうかは別として、
それもそれで楽しみにしているのだ。
そんな私でも、
具合が悪いときなど、
いざというときは、
やっぱり「日本の味」なのかなぁと思う。
外国の料理の匂いは鼻についても、
日本の醤油の匂いは、
落ち着いたりする。
そう思うと、
醤油の匂いも味も、もうすっかり、
DNAに組み込まれているのかもしれない。
そんなわけで、
醤油味の柿の種やごませんべいは、
リストからはずせない。
更には、お腹の調子が悪いとき、
風邪を引きかけたとき、
二日酔いのとき、
ホッとひと息つきたいときなど、
異国の地では、
梅干しと煎茶が役立ってくれるので、
これも必ず持って行く。
別に使わなければ、
それはそれでいいのだ。
実際はそのほうがいいのだろうし。
私にとって、
旅に際しての「日本の味」は、
「味の素」ならぬ、旅の「安心の素」。
そんな安心の素を、
最近のヒトッティーも高く評価しているようで。
ヒトッティーも、
食には好奇心旺盛で、
海外に行けば、
そちらの料理を堪能し、すばやく順応する性分だ。
だから、初めのころは、
一緒に旅行しても、
私が持参した日本の味に見向きもしなかった。
が、ここ数年は、
ほっとする味に助けられることも多いみたいで、
持って行かなかった時は、
後で「しまった!」と思うことも時折あるようだ。
そんなわけで、
私が用意した日本の味は、
旅支度もギリギリまでままならない、
忙しい彼にとっては、
サプライズな嬉しい餞別となったようだ。
まあ、彼にとってみれば、
柿の種も塩せんべいも、
機内での、
酒のつまみになりかねないのだけど。笑
にぎりめしは、
酒で酔って寝過ごして、
機内食を食べ損ねたときや、
機内食が口に合わなかったときにでも、
食べてもらえればいいかな、と。
まあ、何はともあれ、
楽しい旅を♪
おっと!
もとい、充実した出張を♪
いかんいかん。遊びじゃなくて仕事だったんだっけ、ヒトッティー。苦笑