ねこねここねこ

早朝の散歩

   早朝の散歩

 あけがた
 ネコが吐いた
 私のベッドいちめんに
 たまっていた苦い夢を一気に吐き出したのだろう

 夢を吐いてしまい
 眠れなくなったネコと
 夢からさめることができなくて
 眠れなくなった私は

 そろって早朝の散歩にでた
 ともに
 信仰に近い足どりで土のみちを



 短い詩である。 そして 強烈。
 「夢」は 「生」なのか?
 それぞれの立場で  感じて 欲しいと思う。
 吐いたネコへの優しさが あまりにも悲しく、今、この詩を読み返すのが辛いのだけれど。
 ”信仰に近い足どり” 
 そう、特定の神を信仰していなくても、「生」と「死」を真剣に思う時
 人間は、限りなく 自然と一体化し、人間であること、必要以上の欲望やら何やらを 
 捨てることが出来るのではないのだろうか。
 いや、このような言葉は 無意味に近い気がする。
 ただ、感ずるのみ。自然の摂理の前で 言葉は何になるだろうか。




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