草千里
まこと
草千里は
広大である
牛たちの歩みは
古式の様式をならい
草をたべ
尾をふる身ぶりも
千万年来の方式である
そのように
私たちに
思想はない
アニミズムの霧のみちを
バスは
注意深く
手さぐりでのぼってゆく
まもなく
火口であろうか
溶岩すら
私たちのくらしかたによくにている
阿蘇の草千里。
私は 旅行をするならば、北に向かう。
S.K氏は 詩の中で 南の方に旅した時のことをよく書いている。
暖かく ゆったりと 時が流れ、ひらけた土地と そこにいる動物や人間の
暮らし様は 私たちの日常と どんなに違っていることか。
そのように
私たちに
思想はない
アニミズムの霧のみちを
バスは
注意深く
手さぐりでのぼってゆく
削除してしまったページに、私は 自分の宗教観を書いた。
「私は 特定の宗教を信じない。強いて言うなら アニミズムである」と。
私は、人間の思想・哲学を否定しないけれど、それらは、やはり
個々のものであって、日本人が 元々 持っていた 自然への畏怖、
アニミズム信仰こそが 人間を過剰な欲得から 離れさせ、心を解放して
くれるものだというふうに 感じる。
この発言は、他人の信じる宗教を 決して否定するものではなく、私自身の
スタンスを述べたに過ぎない。
何が正しいかなどということは、言えない。
正義も常識も、全て 相対的なものであろう。