逃がしたと思った瞬間に、より大きく輝いて見えるものだ。
でもしかし、
逃がした事にさえ、そして近くにいる事にさえ気付かなかったら?
沢山の魚が釣り針の近くに寄ってきているのに、
「釣れない、釣れない、運がない」とただ愚痴っているだけだとしたら?
そこで私は思うのだ。
「魚に気付かない限り、魚と出会う事はないだろう」と。
いいや、それでもただのラッキーで、
コツも分からず魚にも気付かなかったけれど、なんか気が付いたら釣り上げてた・・・なんて事もあるかも知れない。
横にいる親切なおじさんが「お、掛かってるよ!」と私の釣竿を見事に勝手に操ってくれるかも知れない。
しかしそれはただの偶然が引き起こしたラッキーである。
魚を釣るにはコツがいる。
それには経験を積む必要がある。
そこに魚に気付く鋭敏さ。
先日、私は前の職場に所用で出掛けた。
その時に、女性社員からこんな話を聞いたのだ。
「Oさんって、すずめさんの事好きだったんですってよ」と。
Oさんは私よりも4つ年下の新入社員だった。
ある時期から用事がなくても私のいる部屋に顔を出してくれるようになり、
私は彼に好感を抱いていた。
私が会社を辞めると打ち明けた時には、
「じゃあこれから毎日すずめさんに会いに来ます」と、
忙しい中、本当に毎日顔を出してくれるようになり、
辞める日には可愛らしい贈り物まで頂いた。
そして、「何かあったら、僕に電話下さい」と彼は言ったのだが、
私は思わず「何かって・・・なんですか?」などと聞いてしまったのだった。
彼とはそれきり。
私はこの時、二つの事を考えていた。
「まさか、彼みたいな人が私なぞに好意を持ってくれているはずがない」
そして、
「私には他に好きな人がいるのだから、私が彼に抱いている気持ちはそういうものではないはずだ」
自分で気付かないようにしていたのだ。
鈍感なのをカサに来て、そして自信のなさを振りかざして、
「なんか怖いから」彼の気持ちからも自分の本心からも逃げてしまった。
そして逃げてから数ヶ月して、
「ああ・・・あの時なぁ~」なんてバカのように思ったりしたのだった。
「彼が私を好きだった」・・・本当かどうか知らないけれど、そう聞いた時に私は思ったのだ。
「チャンスに気付かない者(或いは気付かない振りをして逃げる者)には、チャンスはやって来ない」と。
そして、「チャンスはやって来るものではない、自力で探して見つけるものだ」とも。
私は例えて言うならば釣りをしていて、
失敗してしまったら、とか、1日座っていて一匹も釣れなかったら、などと考えて、
「魚がいないの、私は釣りなんてできないし、だから釣れっこないわ」とポーズを決めて、
そして本当に釣れないから、「ほらね、やっぱりね」と体裁を保つようなものだった。
みっともない・・・。
みっともないのを恐れてした行為に後悔して地団駄踏むなんて、なんてみっともないんだろう・・・。
Oさんはもう仕方ないにしても、
恋だけじゃなく仕事とか人間関係にしても、
今後なるべく鈍感なところを直して、もっと周りを見渡して、
そして自分の気持ちからも逃げないようにしてみようと思い立った次第で昨日の日記も書きました。
釣り、釣り、と今日の日記に書きましたが、
実際のところ私はヒトデしか釣った事がありませんのであしからず。。。
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