十年以上経ちますが二男が美大生だったもので、その頃を思い出しながらこの本を楽しく読ませていただきました。
かなり美大生の特徴を書いていて、所々噴き出してしまいました。けれど途中でハタと読む手が止まりました。
息子の入った美大を偏見で持ってこき下ろしている頁に当たったからです。
まぁそれもこの人の視点か一般論として言ってるのか知りませんが、こんな感じです。
「Z大はムサタマを落ちた人が行くところ」「その為劣等感がすごい」と。
そしてこの大学の方針も知らずに、右脳を開発するサイキックな授業を取り入れていると馬鹿にしています。
その授業で得た能力をムサタマに入れなかった劣等感をごまかすために使っているとか、とんでもないことを尤もらしく語っています。
呆れました。これはZ大は怒ってもいいでしょう。
息子の事を言うのも何ですが、二男は地元の美大予備校に3年ほど通い、その後新美予備校に移りました。
そこで指導の先生から「あなたのカラーはムサタマではなくZ大だろう」とアドバイスされました。先生が言うには、ムサタマは伝統を重んじる学校で息子は実技やアグレッシブさを重んじるZ大が合うだろうと言うのです。
何となく納得が行ったので、ムサタマは受けませんでした。
Z大は八王子市の山の上にある静かな環境の大学です。こじんまりとしていて、また方針も入学式での学部長の言葉も素晴らしいものでした。4年間そこで学べたこと、この美大に入れた事を親として誇りに思っています。
なので先ほどの罵倒を読み、がっかりして読む気が失せてしまいました。
こういう本って個人の思い込みと偏見で書かれたものなんですよね。
まぁそう思えばいいんでしょうけど…。
しかし私が腹を立てているのはもう一つ別の理由があります。それは息子を通わせた地元の美大予備校がとんでもないぼったくりだったということです。
ずっとそれを知りませんでした。
一月の月謝がなんと13万円。
それとは別に夏期講習、冬期講習、春期講習がそれぞれ約20万円。また別にクロッキー会にも参加させられ別料金。そこに経営者の息子をモデルにさせて、モデル料を取る。
というなんじゃこりゃ~の状態。疑問にも思わずせっせと払っていました。自分はこの頃霞を食べていました。
またこのボッタ予備校の指導によると、ウチの息子は遠く離れたN大がお奨めということで、そこにも願書を出しました。
息子が芸大を落ち一浪した後、「この予備校は何かおかしい」と息子が気づいて、そこを辞めました。
そして東京の新美へ入り直しました。がまたここでも60万円(だった気がする)の入学費です。
しかも、今度はアパートを借りて生活費もかかります。
私はガイコツ寸前でした。
とにかく息子が合格してホッとしました。
Z大に入ってから息子は神奈川の相模原に移りました。
大学の入学金と授業料は4年間で800万円です。
生活費は息子がアルバイトをして奨学金でまかないました。本人の努力もありますが、美大を受験し卒業するまでどれだけかかったか…。
2千万は下らなかったでしょう。
下の子も私大の一人暮らしというわが家は至上最貧の生活でした。
この本の中で「タレントの息子の同級生は高級マンションで優雅に暮らしていた」とありましたが、これはきっと竹下景子の息子でしょうね。
大変な思いをして美大に入れのを思い出すと、その大学を中傷されるとついカッとなってしまう自分がいます。
(でも美大に入れるのは私の夢だったからなぁ)
しかし、今は息子は一部上場のとある会社にいて、かなり登りつめているらしいです。
いつかどこかでこの憂さの敵を取って欲しいと思います。
感想と別の話になってしまいました。
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