それなりに。

それなりに。

June 6, 2012
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感想をずっと書けずに放ってあった本の事を書こうかな、と思いました。
これからも、きっと何度も読み返しては力を貰っていく事になりそうな、自分にとって、大事な本になると思うので。
スウィート・ヒアアフター  よしもとばなな
絶望ってこういう事を言うんだろうな、と思います。
同じ状況にあって、大切な人だけが死んで、自分は生き続けなければならない。
何で私だけが生き残ったのだろう?、何で大切な人を助けてあげられなかったのだろう?、と誰のせいにも出来ない、折り合いのつけられない負の思いばかりが自分の中で繰り返しやってきて、自分が生きていることも肯定出来ないような。
そう、正に震災で大切な人を亡くされた方も同じ状況だったのだろうと思います。
著者は、「とてもとてもわかりにくいとは思いますが、この小説は今回の大震災をあらゆる場所で経験した人、生きている人死んだ人、全てに向けて書いたものです。」と帯に書かれていました。
でも、その絶望が重々しく、悲壮感に溢れた書き方をされていなくて、要所要所で淡淡と語られるのがもうどうしようもない気持ちにさせます。

私の方は、その経験不足と想像力の欠如、自分のその時の良くない心境のおかげで(笑)、読んでる間中、ほぼ泣き通しでした(笑)。
そして、主人公に、残されたものとしては、たった一つの、最後の希望が失われた場面では吐くかと思うくらい泣きました(笑)。
女にしかわからない気持ちと機能。
こんな希望があったが為に、絶望を2度も経験しなければならなくて、素晴らしくも悲しすぎる性。
でも、彼女には希望に繋がるものが沢山残されていて、落としてしまった魂を、落とす前よりも磨かれた形で取り戻したんだなぁと思います。
改めて、希望って、与えられたり、降ってわいてくるものではないんだなぁ、と思いました。
繰り返される毎日の生活の中から、小さい小さい事を掬いあげながら、積んでいく。
大切なものをいかに信じられるか。
研ぎ澄まされた感覚から掴む本質とか、直感。
その全ての名前を置換えたら、希望になるんだろうな。
希望は自分の心が決める。

そんな、主人公の思いや救われていく姿が、私には本当に素晴らしく映りました。
もともと、ばななさんの選ぶ言葉や文章は、私の心にとても自然に入ってきて、とてもよく理解出来る。
そういう相性もあって、どの本も大概泣いてますし(笑)、助けて貰っているのですが、今回はそれも相当大きかったです。
悲しい気持ちや辛さが、引いてはやってくる、その繰り返しの日々の中で、ふっと、私には今、この本がある、と自然に思えた。
心を軽くして貰えた。

この春、多分、私を一番支えてくれたものです。
最後に、この本の最初に書かれていた曲、Leonard Cohen ♪Lover,Lover,Lover♪今度聴いてみたいと思います(*´∀`*)












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Last updated  June 7, 2012 03:04:26 AM
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