自由回転砂時計

2008.09.18
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カテゴリ: 小話





 苛々しながら思いのまま、叫ぶように愚痴っていた。
 しねしねしね!みんなしんじまえ!
 髪の毛を振り乱しながら馬鹿みたいに連呼していると、わたしのつまらない愚痴を静かに聞いていた友人がふいにわたしの服の裾を軽く掴んだ。
 彼女の瞳が潤んで見えるのは、薄く浮かべられた涙の所為だ。


だめだよ。そんな風に、しねなんて、簡単に言っちゃだめだよ。人がしぬって言うのはね、とっても哀しいことなんだよ。周りの人も、自分も、とっても哀しいことなんだよ。人がしんじゃうとね、その人の家族や友達、その人と関わった全ての人の心に穴が空いてしまうんだよ。穴の大きさはその人とどれだけ関わったかでそれぞれ違うけれど、どれだけ小さな穴でもね、必ず痛いんだよ。心の穴からね、しくしく雫が零れだしてしまうんだよ。それはね、とっても哀しい事なの。ねえ、だめだよ。そんな風に、人にしねなんて言っちゃ、だめだよ。


 瞳に浮かんでいた涙は、いつの間にか大きな粒になって溢れ出していた。
 掴まれたわたしの服の裾は、皺になっていた。


 なんだよ、ちょっと苛々してたから愚痴ってただけじゃないか。
 そんな、真に受けないでよ。
 そんな、正論で返さないでよ。


 嗚呼、しらけるなあ。







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Last updated  2008.09.18 19:14:59
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