For Lonly Night


『さびしい夜に』


窓際に座って、少しずつ減っていく街の灯りを見つめていた
夜になって 人々は眠りにつき始めたのだろう
誰もが 一日の全てを終えて 明日に向かうために眠る
明日 新しく始まる戦いのために その身体を休めるのだ
大切な人のそばで 疲れを癒しているのかもしれない


この灯りの中に あなたが灯している光は無い
あなたは 私から見える距離には居ないから
ただ一言伝えたくても あなたはここには居ないから
この灯りの中には 同じような想いを抱えたひとが居るかもしれない
もしそうなら どんなに私は救われるだろう


ガラス一枚を隔てた向こうから
冷たい空気が伝わってきて 身体を冷やしていく
もう夜も更けて 音も光も ほとんど消えてしまった

ふと 私は寒さに震えた
後ろから抱きしめてくれる筈の 暖かい手は 遠い海の向こう
そう想ったとき 私の頬に暖かい雫がつたった

ひんやりとした私の指が 息で白く曇った窓ガラスに文字をかく

会いたい







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