■□■いぬ・かめ・花もある家□■□

【 消えた幼児 】



20年位前の事、うちから車で 10分くらいの親戚の家で
良くない事ばかり起こるので、あたしは
師匠から 指導を受け、その家の 古い井戸を
供養する事にした。



井戸は 前にそこに住んでいた、やはり 別の身内家族が
ごみで埋めてしまっているようだ・との事
これは 師匠の霊査からの言葉。

聞いた覚えがあるかもしれないが、井戸や 湧き水 池など
清い水の湧き出る場所は、やっぱり 清めておく習慣が
命の源として、神話の時代から 大切にするもののはず。

あたしの供養などで 役に立つかと言えば
かなり 不安ではあったはずだが、21日間 通い続けた。
途中 この家のおじさんが病死し、一旦・中断、
また 新たに 21日間をやった。



その家には、かわいい 精悍な、いかにも日本犬!
と感じられる かっこいい おすの柴いぬがいた。

通った頃は 冬の初めで、仕事が遅番の日は 午前中に行き
早番の日は 夕方に行き、辺りは暗かった。
田舎の農村で、その家は特に回りに家がなく裏は小山への入り口
明かりもなかった。

でも お経を 唱え続けるのが辛かったという記憶は
残っていない。
井戸なので もちろん家の外、そして 家の中からは
全く見えない位置だった。




ある日、犬が吠え始めた。ずっと吠えて吠えて 吠え続けた。
あたしは 何度もお経をまちがえやり直し、かなり時間がかかり
かなり じゃまをされた。
誰か来たわけでもないし、風に 何かが飛んでもいない。
何か いたずらをしたい見えないものが、
犬を使ってあたしのじゃまを しているんだなぁ・・・
と想像した。

すると あたしからは全く見えない 玄関の戸が
ガラガラッと音をさせて開いた。

…あ おばさんが叱ってくれるのかな・・・

『こらぁっ じろうっ!うるさいー』

ぁ、あの犬 じろうっていうんだ。
子供の声だった。この家には 子供はいない。
・・・あぁ あっちの子が来てるんだな・・・
あっちの子とは 近くにもう一軒 親戚があり、
2才位の幼児がいた。

あの子とは声が違うようだけど、この家に来る子供といったら
あの子しか 考えられない訳だ。




犬は 吠えるのをやめてはくれなかったが、
なんとか終えて、家に入った。
この日は あたしの母親も一緒に来ていて、この家の家族と
お茶を飲んだり おしゃべりをしていて、あたしもそこに加わった。

あたしは 子供を捜した。
だんらんの中に さっきの子供がいないからだ。
その子の母親もいない。親しいので あんな小さい子が
一人でここに預けられていても、不思議ではなかったが。



もちろん 皆に聞いてみた。
『○○はぁ? 来てるでしょう。さっき、犬に怒ってくれたじゃない』

『○○~? いないよぉー。犬なんて 吠えてたぁ?』


なに? この人たち・・・・ 何をふざけてるの?
あーんな小さい子が1人で 家の中のどこに隠れているんだろうと、
あたしは 他の部屋も探してみた。
1~2才の幼児が 人のいない暗い部屋にいるとは
思えなかったが、声を聞いていたので
あたしにとっては いないはずがなかった。

・・・なぁ~んで 皆 隠すんだろう、何の意味があるだろう・・・

そう思いながら捜すが みつからず、みんなに説明した。

犬の声は 気付かなかったと言う。
冬で 戸を閉めて、4人でおしゃべりしていたら
聞こえなくても 不思議ではないだろう。

がらがらっと 引き戸を開けた音も したでしょう。
誰が 開けたの?

誰も空けていないと言う。

『こらっ じろうっ! うるさーい』って

子供が 叱ってくれたでしょうよぉ・・・
誰も やっていないと言う。
そりゃそうだ、犬が吠えたのを知らないのだから。

子供が叫んだ後に 引き戸を閉めた音がしなかったので、
戸が開いているはずなのに、あたしが家に入る時
閉まっていたのを、ちょっと
『ありり?』 と感じたのは 確かにあった。

皆で 不思議だねぇ~と 言い合った。
この家では、いるはずのない 白い服の女の人や
男の人が、住人から たびたび目撃されていた。
皆 あ~んまり驚かなかった。

あの子供は・・・・あたしが『あの子だろう』と勘違いした子の
兄弟の男の子だろう という事に、皆で 結論になった。

生まれてすぐ 亡くなった、あたしの従兄弟ちゃんだ。




後で、やっぱり不思議なのが、1~2才の子供にしては
犬を叱る言葉が しっかりして、発音も強弱も、
もっと 年上の子供のように 感じた事だ。

身内であり 供養をしに来る、あたしの味方をしてくれたんだろうなぁ。

こうして 思い出した時は、あの子の事を 優しい心で
思ってみよう。




あの犬は 本当にじろう君という名前だった。



追伸)・・・あたしの供養は、やはり 力不足だったのか、
この家は 今 無人で 荒れ果てている。




次、行きましょか~?→ つぎ♪

初・恐怖はこれ→ (/_;)

不思議な以心伝心体験は→ これ





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