太田典生の「毎朝1話」良い話のおすそ分け

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2006.07.13
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カテゴリ: アラカルト
私たちは、自分の命が残り少ないと知ったとき、何を望むのでしょうか?

奥さんを先に亡くし、62歳で大腸がんの手術をしたものの2年後に再発して、再手術は無理と診断された人がいました。

息子さんは、「オヤジは小さい頃から私を連れてよく山歩きをした。山川に親しみ、自然の楽しみ方を教えてくれた。もう、そう長くは生きられないのなら、オヤジを連れて旅行をしたい」と、先生に無理を言って退院させました。

そして、勤めを辞めてフリーターになり、ライトバンを買って何時でも寝起きできるように後部座席をベッドに改造し、月に何回か旅行に出かけました。

とうとうある日、旅行中の山道で父親の病状が急変しました。
「すぐ、近くの町にある病院を探すから、しっかりして」そういう息子に父親は、
「いや、もういい。病院には連れて行かないでくれ」と答えました。
死期が近いことが二人にはわかったのです。

息子さんは車の窓を開けて、大声で叫びました。

しばらくうなずいていた父親は、やがて静かに息を引き取ったそうです。
(山好きの私には理想だが、どうもうちの子供に望むのは無理ですね)

◆残された時間を、人のために使おうとする人もいます。
それは、生きようという希望にも結びつき、大きな心の支えにもなります。

46歳になる婦人は乳ガンと診断され、しかも手遅れで後数カ月の命と宣告されました。
彼女は、父親の故郷である山口に旅をし、旅から戻ると大学生と中学生の二人の息子のために、自分の生い立ちや生き方などを書きつづりました。
そして、自分がいなくなっても困らないように、息子たちに料理を教えました。
最後の1カ月は、「美しい母親としての思い出を残したい。日々衰えていく姿を見せたくない」と、息子たちの病室への入室を禁止しました。
そして、自分の好きな童謡などをテープに編集して子供たちに残したそうです。

どんな死に方をするにしても、最後に「生まれてきてよかった」「楽しかった」「ありがよう」という言葉を残せる人生でありたいものです。





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Last updated  2006.07.14 04:59:43
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