太田典生の「毎朝1話」良い話のおすそ分け

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2006.12.04
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カテゴリ: アラカルト
人間は感情の動物だから、正論(元々、世の中の問題には唯一の正しい論理などと言うものはなく、自分にとって都合が良いかどうかだけで、反対の人にもそれなりの正論があります。
アメリカとイラクが良い例で、それぞれの正論と正論がぶつかり合って泥沼になっている)をディベートのように論理的に話すだけでは人を説得することはできません。

企業の中でも、こんな例があります。
一流大学を卒業してからアメリカに留学し、向こうで働いた後帰国して外資企業で働いている優秀な女性のAさんは、事務処理能力が抜群なので総務的な仕事を任されることが多い。当初は上司をはじめ皆の信頼も厚いのだが、徐々に皆から浮き上がってきます。

彼女は、自分が正しいと思ったことは、たとえ上司だろうとストレートに言動に表して喰ってかかるので、誰もが徐々に敬遠するようになります。仕事に打ち込めば打ち込むほど、ちぐはぐな結果になることが多く、それで一カ所に二年ぐらいしか続きません。

ビジネスの場だけでなく人間関係においては、真実を素直に述べることが必ずしもよい結果を生むとは限りません。時と場、相手の置かれた状況などをよく心得ていないと、かえって反発を喰ったりしてスムーズにいかないことの方が多いものです。人間関係の問題は、ときには回り道をした方が良い結果が出ることが多いものです。

そうしたテクニックを小細工だと軽んじる人もいるが、相手に反発を食らっては、どんなに正しいことでも説得はできません。
要は説得するのが目的なのだから、手段を選ぶのが真に賢いやり方です。

1.「か?」一つが説得のコツ

別の店でも、「ここにお金を入れてくださいませんか?」と言われたが、「ああ、そう」と別段気にもならず素直に従った。

あるとき、「なぜだろう」と気になって考えたら、「か?」一つ有るか無しかの違いに気がつきました。

私たちは、自分に係わる事項で選択の余地がなく一方的に「ここに置いて下さい」などと指示されると、命令された気分になって反発します。

ところが、「置いて下さいませんか」と言うように選択の余地が少しでもある(お願いであって置かなくても良い)と満足し、心に余裕が生じて、相手の要求をすんなりと受け入れることになります。

よく気をつけてみると、周りの人によく反発をくっている人には、断定的な言い方をする人が多いような気がします。その言葉が的を射ていればいるほど、もっともだと思ってもカチンとくるのが人間です。

自分の意図する通りに受け入れてもらいたければ、「来週、残業やってくれないかな」ではなく、「来週の火曜日か水曜日に残業して欲しいのだがどうかな?」というように、相手に選択の余地を残しながらも、その選択の幅を狭くするのがコツです。

予定が既定事実であるかのように問いを組み立て、なおかつ選択肢のある問いを仕掛ける。だが、そこには「これ以外の何も」選択の余地がない。その場合、初めの前提まで戻って疑うことはまれで、相手がその選択肢の範囲を超えることは滅多にありません。 





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Last updated  2006.12.04 05:06:46
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