太田典生の「毎朝1話」良い話のおすそ分け

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2006.12.19
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カテゴリ: アラカルト
私たちは、誰もが幸せな生活を望んでいます。
では、幸せとは何でしょうか?

私たちの心は常に目に見える外界の対象物である財貨や地位、権力などを追い求めて止まず、魅力的に映る物を手に入れるために脇目もふらずに邁進しがちです。
そして、運良くそれを手に入れることができると、その当座は幸せ感を感じます。
だが、それを手に入れた途端に、すでに二つの不幸が芽生えていることには誰もなかなか気がつきません。

◆一つは、もっと欲しいという欲求です。
何かを手に入れたとしても、私たちはそれで満足して止まるわけではありません。
たとえば、最初は10万円もあれば嬉しいなと思っていたのが、やがて100万円になり、1千万円になり、1億円になり、何十億円、何百億円となり、ドンドンと満足のレベルを高めていきます。

洋服を買えば、今度は靴やアクセサリーが欲しいというように、すぐにまた別のものが欲しくなり、さらに次々と別のものが欲しくなります。


このように、物質的なものや相対的なものは麻薬と同じで、次々と刺激を強くしていかなければ効かなくなり、一時の幸せ感をもたらしてはくれても長続きはしません。
そうやって、人間は『もっと、もっと』と欲望をふくらませていき、永遠に心が満ち足りるということがありません。

ですから、常に今以上に充足を高めないと幸せ感は高まりません。
そこで、次から次へと、モノを買い、お金を貯め、旅をし、美味しいものを食べ・・・と、欲望を満たすために狂奔してきました。

本来、欲望というのは、苦しむためのものではなく、楽しむためのものであるはずなのに、際限なく膨らました欲望が満たされないと言って苦しんでいるのが私たち人間です。

◆もう一つは、手に入れたものを失うかも知れないという恐怖です。
富にしろ、地位や権力にしろ、あるいは最愛の家族にしろ、いずれは手放さなければならないときが必ずやってきます。
それが何時来るかと恐れます。

多少なりとも財産なり地位を得ると、人がそれを狙っているのではないかと絶えず不安になり、疑い深くもなります。
人がそれらを奪おうとすると、それを取られまいとして口争いや殴り合いになったり、ときには訴訟になったりもします。

「子ある者は子によりて喜び、牛ある者は牛によりて喜ぶ。

と悪魔が歌うと、お釈迦様がこう応えます。
「子ある者は子によりて愁い 牛ある者は牛によりて愁う。
まことに頼りは人の愁いなり。頼りなき者は愁うことなければなり」

私たちは、愛する子供や、財貨や地位、名誉など、何かを得ると嬉しくなります。
しかし、得れば得たで、今度はそれを失うまいという苦が生じ、失えば愁いが生じます。

決してあなたを平安で心豊かな暮らしには導いてくれません。

トルストイ著『戦争と平和』の一節に、「自分の心中に幸福を求めなさい。幸せの泉は外ではなく内にある」とあるが、幸せ不幸せは心の内にあり、すなわち心が感じるものです。
(以下、次回に続く)





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Last updated  2006.12.19 06:16:01
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