太田典生の「毎朝1話」良い話のおすそ分け

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2014.06.25
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ガンの進行に伴ってさまざまな痛みが加わり、患者の80%は痛みを経験するといいます。
痛みには、身体的な苦痛だけでなく、人間がもつ複雑な因子(精神的、社会的、霊的苦痛)も加わり、全人的な苦痛として捉えられています。

・肉体的苦痛 
耐えがたい身体的苦痛は、人間としての尊厳を損なわせ、周囲の人々との関わりを困難にし、安易な死へと結びついてしまうことすらあります。
・心理的苦痛 
症状が進むにつれて、心理的に不安定になってきて、不安・苛立ち・孤独感・恐れ・うつ状態・怒りなどの兆候が出てきます。
・社会的苦痛 
闘病が長期になったり、癌の経過が慢性化した場合などには、入院に伴う経済的な問題や親族間の人間関係に悩むことがあります。
・霊的苦痛 

生きる意味への問い・人生の苦難への問い・罪責感・死後の世界についての問い・希望についての問い・決して見捨てられない真の愛を求める叫びなどが挙げられます。
これは、仏教で言う五蘊盛苦そのものです。
これは、病院関係者だけで対応できるものではなく、宗教者を含めた多様な人々の援助が求められます。

また、精神科医キューブラー・ロス博士は「死への心理の5段階」を提案したが、総ての人がこの5段階を辿って死を迎えるわけではありません。
ある段階に留まってしまう人。ある段階を飛び越える人。錯綜する人も多いようです。
しかし、一般に死が近づくと、無意識に死を悟るものだといわれています。
人は死を成長の機会とし、静かに尊厳なる死を迎えるための心構えが必要です。

「尊厳なる死とは、その人らしく死ぬということであり、我々回りの人間の鋳型にはめこまないことである」と女史は言っています。

第1段階 
否認と隔離 予期しない衝撃的なニュースを聞かされたとき、そのショックをまともに受けない防御機制として、まず否認がおきます。

第2段階 

「なぜ俺だけこんな目に会わなくてはならないのだ!」この怒りが八つ当りとなって看護婦や周りの人にも向けられ、そのためまわりの人間はよけいに患者を避けるようになりがちです。

第3段階 
取引 人は神や仏に対して、自分がどうしたら延命できるか取引し(例えば「もう財産はいりませんから命だけを与えてください」)始めます。

第4段階 
抑うつ 今までのことが無駄であることを知ると、次にはうつ状態におちいります。

それとともに、この世との別れを覚悟するために、他人から癒されることのない絶対的な悲しみを経験しなければなりません。

第5段階 
受容 最後に、来たるべき自分の終焉を静かに見詰めることのできる受容の段階に入ります。
「長い旅の前の最後の休息」のときが来たかのようで、このときの静かな境地をデカセクシスと呼びます。

一生涯働いてきて苦労も積み、子供たちを育て、自分の責務の全てを成し遂げたと感じ、自分の人生に意味を見い出し充足感を得ている患者は、「受容」の段階へ他の援助をほとんど借りずに到達しているそうです。
より充実した人生を送ることが、より充実した死を迎える要素になることが考えられます。

ある看護婦さんが、
「死に際がすんなりしているのは貧乏な人で、フーテンの寅さんのような人はあっさりと死んでしまいます。
死に際がバタバタして見苦しいのは、決まって財産を持っている人です。
財産があるとか名誉があるとかに関係なく、般若心経をやっている人はすんなりと死んでいきますね」と言う。





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Last updated  2014.06.25 04:54:15
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