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SAROMAN BLUE 鈴木健司
24時間チャリティラン&ウォーク完走記
お台場24時間チャリティラン&ウォーク完走記
今回は初の24時間走。今までは100キロを中心としたレースに出ていたが、時間走の経験は17歳で出場したウルトラ初レース『シュリチンモイ12時間の部』で1992年の事となる。連続して93年にも走ったが、それぞれ『70.6974km』と『85.6425km』だった。単純に今回の24時間という時間にしてもどれだけ走れるのか想像付かなかった。(12時間走では20時スタートと言う事もあり、バイト後に参加して2時間ぐらい仮眠していた)
今回出場の目的は、もちろん9月下旬に行なわれる『甲州夢街道シルクロード215kmラン・ウォーク遠足』に出場するので、24時間連続して走る経験を積むこと。そして寝ないで走ること。最後にザックを背負って走ることに慣れることを最大の目的とした。
例年3月は荒川辺りを走り、続く富士五湖・サロマ湖への足掛かりとしたが、今年は1月の新宿シティよりこの大会までの約1ヶ月でウルトラモードに切り替えとなった。仕事がバタバタとする2月はなんとかいつもよりも短い帰宅ラン(10km)を6回と八王子マラニック55km(夜間走行)を決行し、ウエアリングの工夫や夜対策の練習を行なった。
それでは今回のウエアリングから。3月とは言え今年は暖冬。そして土曜日・日曜日の天気は晴れ。気温も15℃以上まで上がる予報だった。しかし応援で夜に訪れたことのあるこの大会のイメージは海沿いの公園がとても寒い。そして前の日曜日に走った八王子マラニックでは後半汗が出なくなったこともあり、ベースのアンダーシャツは『X-FITHOT』に決めた。これで相当寒くならない限りジャケットは必要ではない。
(アートスポーツでは完売)
次に『X-FIT』の上に重ねたのは『肩バランスアップアンダーシャツ半袖』。これは普段の帰宅ランでは必需品!と言うのも、これを着ると着ないでは走り終わってからの肩周りの筋肉痛や肩こりが全く違うからだ。夏にも高尾~陣馬マラニックで8時間着用し、その効果を実感していた。機能としては肩甲骨の位置を戻す働きがあるので、ピチピチに着る物だ。しかし、縫い目のスレ感のなさや汗処理が『X-FIT』が優れているので、重ねて着用するようにした。それでも効果がしっかりとあるのは八王子マラニックで実証済み!最後に重ねるのは所属チーム『兎虎BBQ』のTシャツだ。
(ファスナー付きに関してはアートスポーツオリジナル商品)
足元に移ると、今回はW社2007年秋冬モデル保温ロングタイツのテスト走行を行なった。機能的には9月から新発売したタイプの保温&撥水&防風機能タイツだ。足元にブレーカーを履きたくなかったので、身軽に走り易く暖かい機能が注目すべき点だ。
(保温タイプをテスト走行)
もう1つ、後半用に用意したのが、オーストラリアブランド『2XU(ツータイムズユー)』のコンプレッションタイツ!こちらは50デニールストレッチ性の糸を使用し、乳酸の蓄積を抑えトレーニングやレース中の疲労を軽減、また血行を促進しリカバリーを助けてくれると言う効果だ。トライアスリートに向けて2006年の秋冬から日本での発売が開始されたブランドだ。このタイツの走行テストも兼ね、スタートから12時間を目安として交換すると決めていた。朝方にはむくみが酷くなるので、効果を期待した。
2XU日本オフィシャルサイト
オーバーパンツとしてはNIKEACGの軽量布帛タイプでハーフパンツにもなる便利なパンツを用意した。これを履くのはタイツだけでは寒く感じた場合だが、今回の天候ではほとんど使わないと思ったが、甲州街道想定の元ザックの中にしまい込んだ。
(06SS商品の為完売しています:他店リンク)
靴下は最近ウルトラではこれしか履いていないが、コクーンクラブの『シルク入り5本指ソックス』。24時間と言う長丁場に耐えられるだろうか?ちょっと不安もあったが、予備の物は用意しなかった。
(ウルトラマラソン愛用のシルク入りソックス)
そしてシューズはアシックス『サロマ8 28.5cm』にスーパーフィートのコンビネーション!何度かノーマルインソールで帰宅ランをしたが、スーパーフィートの安定感がやはり良く八王子マラニックから使用した。最近は29cmサイズを履くことが多かったが、試し履きをした際に29cmでは大きすぎたので28.5cmにしてみた。55キロでも問題なかったので、シューズの不安はなかった。
(2年振りのNEWモデルが登場)
(シューズとのコンビネーションで安定感&クッション性アップ)
背負うザックはと言うと、CW-Xから発売している『RUN』。発売当時からのお気に入りでかなり使い込んでいる。容量は6リットルで小さいと言えば小さいが、背中に張り付くようなフィット感が大のお気に入りだ。ポケットが少ないのでドリンクなどは降ろさないと無理だが、外側のメッシュ部分に500のペットボトルを入れてもまったく気にならないのが凄いところだ!
(アートスポーツでは現在販売しておりません:他店リンク)
ちなみに背負う荷物の中身はこちら。まず後半用のコンプレッションタイツ。防寒用に防風ニットのジャケット(これが1番かさばる)。NIKEパンツ。レモシステム10枚(XLサイズ5枚・Sサイズ3枚)カメラ・携帯・塩飴1袋。
(アートスポーツ店頭でも販売しています:他店リンク)
そうそう、『レモシステム』に付いて説明を。元旦のニューイヤー駅伝で徳本選手が付けていたシート型のテープ。東京マラソンでも付けていた。伸びやすい素材と伸びにくい素材を組み合わせた物で、いわゆるテーピング効果を発揮する。また首に貼っているのは呼吸を楽にする為だ。と言うことで、東京マラソンの際にフェニックスから頂いた徳本選手仕様のSサイズを首に2枚付けてみた。なるほど、呼吸が楽になる感じは分かりやすい。日焼け跡がつくかもしれないが、通して付けておこう。
大会当日は、前日に急遽午前中の2時間ばかり仕事となった。それもあり会場に到着したのはスタート1時間前。24時間の部に107人のエントリーがあることにまず驚いた。6時間のランナーも一緒なので、結構な人数になりそうだ。まずは走る格好を準備しながら、室内に残す荷物の整理と顔見知りのお客さんなどと会話を交わす。ここには走っている最中は一切戻ってこないつもりだ。トイレも公園内を利用する。次来るのはゴール後だ。
コンビニで買った唐揚げ丼をスタート20分前から外で食べ始め、知り合いのお客さんにHANAとピヨちゃんを紹介。トイレにも行きたかったが、先は長いからと慌てずにスタートしてからにしようと決めた。
3月3日はひな祭りの日。と言うことでスタートの1周はピヨちゃんを抱っこして走ることに!15時いよいよスタート!長い1日が始まる。コースは船の科学館前から公園に向かい、ゆりかもめ駅側へ船の科学館の駐車場を見ながら緩やかな登りと潮風公園内の緩やかな下り、そして海沿いの平坦コースを戻ってくる1.5キロ。初めから歩いている人も何人かいて、ピヨちゃんを抱っこしながら早足で歩き出す。しかしピヨちゃんは最近重い。1歳7ヶ月にして13キロ!抱えて走るにはちょっと・・・。結局1キロ経たずHANAが迎えに来てくれた(汗)ここからはキロ7分をメドにペースを作り始めた。
周回を数えるのは自分自身。周回を重ねる時に輪ゴムを貰い、黄色い輪ゴムが10本貯まったら白い輪ゴムに交換する。白い輪ゴムが10本貯まれば赤い輪ゴムで100周したことになる。1周目は混雑で全員に渡せないのでスタート前に配布してある。ピヨちゃんを抱えていたので、最初の周回は15分近く掛った。
補給の為のテントはもちろん1周ごとに立ち寄ることができ、お菓子からパンにバナナ、スポーツドリンク、コーヒーなどなど豊富だ。まずは2時間を経過するまでは立ち寄らないで自分のペースを作る計画とした。早くから休憩を取り過ぎても疲れてしまうのが自分の傾向だ。100キロのレースでも5キロのエイドは必ずパスする。
コースは緩やかな登りがあるものの、半分以上は下りと平坦なのでペースは作りやすい。アスファルトの部分は少なく、タイルや砂地の場所もあり、多くのランナーは芝生の上を選んで走るようだ。正直アスファルトよりも固く感じる。長時間経つと結構脚にくるなと思ったが、自分はそれも練習と決め、敢えて芝生を走ることはしなかった。
HANAとピヨちゃんの応援も2時間くらいを経ったら一度帰宅し、明日のお昼頃にまた来てもらう予定だ。周回を重ねる度にピヨちゃんの傍を通るとにこやかに手を振って応えてくれるが、段々離れて『バイバイ!』と言うと泣き出してしまうことも多かった。お昼寝もせずに興奮気味に過ごしていたので、ご機嫌斜めになってしまったようだ。そんなピヨちゃんと時には手を繋ぎながらゆっくりと走る。
また周回ごとに美味しそうな匂いが漂ってくる。『温かいスープですよ~』そんな声に誘惑されながらも、まず5周。初めは給水のみでほとんど立ち止まらずに通過した。
5周 55分44秒(1周Av:11分09秒)
スタート時は1回目の6時間のランナーも一緒だったので、人も多く走りやすい。さらに多くのお客さんが声を掛けてくれる。明らかに自分は抜かれるほうが多く、24時間のランナーも含めて皆6分ペースぐらいでラップを刻んでいるようだった。6時間のランナーは21時までのラン。気分的には距離をしっかり稼ぐトレーニングといった感じで走っている方が多いようだ。抜かれるほうがたくさんの人に声を掛けてもらえるので、全く気にしていなかった。
日も段々と傾いてきて、2時間も経過すると公園にいる人はカップルが増えてきた。そんなカップルを横目にペースを上げて走る。
10周 1時間46分02秒 5周 50分18秒(1周Av:10分04秒)
キロ6分42秒ペースだ。走っているペースは6分でピヨちゃんと歩いたりが入ってこのペースは予定通りだ。ここでゆっくりと補給することにした。美味しそうな匂いにランナーが集まる。ここで『おでん』の登場だ!アツアツのおでんは走りながら食べる訳にもいかず、ストレッチをしながら食べる。スタートから2時間近く経過すると新陳代謝の良い自分は相当お腹が空いてしまうので、こまめにバナナなどは摂って走る。一口サイズのやや青いバナナが美味しかった。
時刻も17時を過ぎようとした頃、アートスポーツの営業本部長が直々に応援に来てくれた。『こんなにこじんまりやっているんだ。へ~。』お店で会場を確認されていたので、来てくれるかな?と思っていたが、嬉しいものです。1時間近く写真を撮りながら居てくれました。そして帰り際には『明日のゴールのときも来るからな~!』と言ってくれた。
そしてHANAとピヨちゃんも帰ることに。ピヨちゃんはだいぶ興奮していたようで、いつの間にかベビーカーでグッスリ。『電車で寝てくれたら一番良かったんだけどなあ・・・』とHANA。後で聞くところによると電車待ちの間までは寝ていたのに到着する寸前にまたまた起きてしまったらしい。HANAご苦労様です。また明日の朝、たくさん朝ご飯を食べてから応援に来てくれると言う。ありがとう!
HANAとピヨちゃんが帰るとすぐに真っ暗になった。海沿いの夜景が映える夜。ランナーを照らす明かりは所々にある公園の街灯だけ。ランナーにとって周回ごとのエイドステーションの明るさが、温かく感じる。その誘惑に負けないように脚を進めていかなくてはならない。
1周1.5キロという距離は意外と長く感じられる。単純に1周10分と考えるとキロ6分半ぐらいのペースだ。周りのランナーが結構速いのであまり影響されないようにマイペースで。休憩が増えてくれば、1時間10分で5周と言ったところだろう。
15周 2時間50分12秒 5周 1時間04分10秒(1周Av:12分50秒)
最初のおでん休憩もあったので、1時間をちょっとオーバーした。でも前半としては想定の範囲内で通過。今夜は3月と思えないくらい暖かい夜。先週の八王子マラニックの時に比べればジャケットが必要ない夜になりそうだ。海沿いに出ても冷たい風を感じないので、汗が冷える感じも当然ない。
まもなく4時間を経過しようとして思ったことは、『6時間の方はあと2時間かぁ。21時に終わって帰るなら、走っていたほうがお得だなぁ。12時間走の人は21時スタート。これはこれで、夜中走って朝帰るなら、ず~と走っていたほうが楽じゃないかなぁ』と他の人のことばかり考えていた。だって皆さんとても速く走っているんですもん!こちらは無理なく楽しくあちこちをキョロキョロしていました。残念ながらカメラはザックの中だったので、明け方までしまったままだったのは残念。そして20周を迎えた。
20周 3時間53分48秒 5周 1時間03分36秒(1周Av:12分43秒)
急ぎもしないので、あくまでも余力を持ちながらのラン!どこまででもいつまででも走っていたい気分になる。それを後押ししてくれるのが、ボランティアのランナーの皆さん!同じランナー目線で応援してくれるので、非常に嬉しい!そして自分がサロマンブルーだと言うことが知れると、エイドの皆さんが声を掛けてくれた。『サロマンブルーなんだって!?私、今年サロマ湖行くんですよ!よろしくお願いします!』と、こちらこそよろしくお願いします。たぶんゴールは自分の方が後になってしまうのだが・・・。今年のサロマ湖は楽に走れないと!みっともない走りはできないぞ。
25周 5時間02分17秒 5周 1時間08分29秒(1周Av:13分42秒)
トイレ休憩は何度か行っているが、たくさん食べているものの便意はあまり感じない。寒くもないのでトイレもあまり近くならないのが良かった。コース上のトイレは潮風公園の中にあり、行きの250メートルと帰りの800メートル付近にあたる位置にある。なるべく戻って来る時に立ち寄るようにして、エイドとこまめな休憩にならないように心掛けた。
21時を迎え、6時間走のランナーはエイドでゆっくりと休み話し込んでいる。たくさんのお客さんにも『これからですね!頑張って!お先に!』とエールを戴いた。12時間走のランナーはさすがに少なく夜間は寝る人も多くなるので、ますます淋しくなりそうだ。ここまで眠気はまったくない。まだ21時だし走れているので気にしなくて良いだろう。もしかして眠くならないんじゃない?とか思ったりして、次の6時間を楽しみにしていた!
ペースはエイドの食べ物が美味しいので立ち止まる機会が多いが、ガッツリ食べることは少ない。でも『暖かいおにぎりですよ~!』の声に反応し、炊きたての韓国海苔で巻いた俵おにぎりを戴く。歩きながら食べると、少し固いお米が無数に(笑)手作りらしさがいいじゃないですか!美味しい~!夕飯の時間を迎え、いつもご飯3合を食べるアート鈴木が、おにぎり1つでは足りるはずがない。とにかくお菓子やらバナナにパンは毎周手を出していた。夜になると暖かいものが欲しくなる。そんなランナーの欲求も主催者の海宝さんはちゃんとわかってくれている。ベーコンとレタスの熱々スープはこれまた美味しかった!
そんなこんなで休憩の多くなる夜間。2周で30分、3周してから立ち寄るには美味しい食べ物を食べ損ねないか心配になり、結局2周ごとに寄ることに。となると1時間に4周・6キロしか進まない訳で・・・。
30周 6時間24分54秒 5周1時間22分37秒(1周Av:16分31秒)
休み過ぎかな?30周ということは45キロを走ったことになる。フルマラソンを通過した訳だ。ざっと6時間、う~んこんなもんか?
30周のラップタイムを気にしてか?次の5周はまたまた速くなった。あるいはラップの押し忘れ?いやいや先程はHANAや兄貴・母からメールがあり、休憩周回を1周取ったからだ。何度かメールのやり取りをしたが、『今走っているので・・・。』と打たないことには繰り返される状態だったので、ゆっくりと時間を取っていたのだ。
35周7時間29分29秒 5周 1時間04分35秒(1周Av:12分55秒)
たくさん食べたらたくさん走ると言う感じで休憩を減らそうとしていた。しかし思惑とは裏腹にカラダは多くのランナーがエイドに集まっていると、立ち止まる理由を探してしまう。心拍数のグラフを見ても明らかに谷の数(休憩)が増えている。
同じ所をぐるぐる走っている割には、takedaさんにはなかなか会わない。自分のトイレ休憩やエイド休憩で抜かれているのか?200キロオーバーを目指しているのでキロ6分を切るスピードで走っているに違いない。自分が歩いていると喝を入れられるので常に走って逃げたい気分だ(笑)
40周 8時間40分41秒 5周1時間11分12秒(1周Av:14分14秒)
ここで脚にちょっと違和感を感じる。それは右太ももの裏側だ。昨年の夏サロマ湖以来シビレが出ていたところで、最近の練習やレースの中でも一番疲労を感じやすい部分だった。そこで今回は『レモシステム』を採用。一番大きなXLサイズを痛みのある部分を中心に貼り、CW-Xを履く。するとどうだろう!今まで張りを感じていた部分がしっかりとしたテーピングをされているような感覚で包まれてくる。ただ1枚のシートを貼っただけなのに!
スタート前に首元に貼った『レモシステム』は呼吸を楽にする為の部分で、初めから違和感なく付けていたが、太もも裏の効果に驚いたので冷静に呼吸を確認したら確かに喉の通りが良い。レース中に出るツバやタンがいつもよりも少ないのは確かだった。さらに2周したところで右足の土踏まずにも疲れを感じたので、Sサイズの『レモシステム』を1枚アーチ部分に貼付けた。するとこちらも、まるでテーピングでアーチを支えるかのようにサポートを感じた。
45周 10時間01分31秒 5周1時間20分50秒(1周Av:16分10秒)
ここで10時間経過。サロマ湖ならば80キロに到達している時間だ。しかし今日はまだ67.5キロ。時計も深夜1時を迎えた。いつの間にかランナーの数も少なくなっている。点いていた街灯も夜中のせいか消えてしまっているところもある。しかし今夜は明るい。空を見上げると満月?だった。(正しくは満月前夜)夕方から低い位置に見えていた月もいつの間にか頭の上に。そりゃそうだ、10時間だもん。
気持ちを入れ替えて周回を重ねる。なんだかとても気持ち良く走れている。ザックを背負っていることなど全く気にならない。夜中だというのにどんどんハイテンションになって来た!このまま行くぞ~!時刻は午前2時。スタートから11時間経過したところで、もうすぐ50周となる。レース途中でやっと会えたtakedaさんと話をしながら走っていたら、『この大会は輪ゴムの数が少ないほうが、ステータスが高いんだよ!』と聞いて、『白い輪ゴムを10本集めて赤い輪ゴムを貰いたい!』と言う気持ちになっていた。
単純に残り時間から1時間4周として計算をしてみた。残り13時間×4周=52周+50周=102周だ。お~!100周の赤い輪ゴムが見えてきた!まだまだ快調だし、1時間で6キロならば確実に進める距離だ。休憩を取りながらでも行けるはずだ!夜も更けてきて、明るさを取り戻すまでのあと約4時間。襲ってくる眠気を振り払い、乗り切れるだろうか?不安なところだ。昨年甲州街道を完走したお客さんからも、『10分寝るだけでも違うよ!』と聞いていたのを思い出していた。
50周 11時間10分13秒 5周 1時間08分42秒(1周Av:13分44秒)
ザックに付けた白の輪ゴムがやっと5本になった!75キロだ。ペースは休みの波があるものの大きく崩れることはない。エイドには金華ハム?だったか、(なんでも海宝さんが持ち込んだらしい)塩っけが疲れに嬉しい食べ物があっていつまでも立ち寄っていたかった。
そして中間の12時間が経過。午前3時になっちゃいました。と言う感じで、楽しいなあ、こんな夜中に走ってるなんて。まだまだハイテンション!明るくなってくるのは朝6時くらいか?あと3時間と思うとあっという間の感じがした。この時、あの『睡魔』がやってくるとは全く予想していなかった。
55周 12時間29分03秒 5周 1時間18分50秒(1周Av:15分46秒)
周回を重ねているとランナーの数は当然少ない。皆暖房のある船の科学館内でゆっくり休息を取っているのだろう。『何時間か寝て来ましたよ』と言うお客さんランナーも、スッキリ眠気がなくなった訳ではなくまだ少し朦朧としている。寝ない方が気分的にも体力的にも良いのだろうか?自分の場合は暖かい所で寝始めたら、起きない自信がタップリある。今回は寝ないと決めていたので羨ましいとかもなかったが、荷物を持っていなかったらその誘惑に負けていただろう。
夜中だというのに防風ジャケットは羽織っていなかった。タイツも保温タイツのままで走っていた。今回のウエアリングはまさに最高の組み合わせだったと思っている。しかし本番の甲州街道は夏だ。残暑の厳しい9月下旬。これからは暑い時用のスタイルを考えなくてはいけないところだ。
55周を通過し、次の1周はトイレも含めた繋ぎの1周とした。その次もエイドにしっかり立ち寄り歩いたり走ったりの繰り返しとなった。それが原因だったのかはわからないが、ついにあの『睡魔』がやって来た。
57周を迎える手前でだんだんとまぶたが重くなってくるのを感じた。意識はあるが、目がくっついてしまう。ここまで眠くなるとは!驚きだった。とにかく『眠い』の一言だったので、エイドで暖かいスープを貰って横の長椅子に腰掛けた。
じっとしているとなると体温が下がってくることも心配だったので、ここで防風ジャケットを羽織る。そして時刻は午前4時30分。10分休もうと決めて携帯電話を片手に目覚まし時計をセットした。ランナーも少なかったので、声を掛けられることもなく・・・熟睡・・・??!!ガチャッ!っと携帯電話を落とした音で目が覚めた!4時40分だった。いつまで寝ていても変わらないと思い、エイドでスープを再び貰って、歩きながらコースに戻った。1.5キロの周回は歩くと1周15分掛かる。とりあえず2周歩いて進んだ。そして何とか1周を走り出し60周・90キロを迎えた。
60周 15時間02分35秒 5周 2時間33分32秒(1周Av:30分42秒)
だんだんと空が明るくなってきた。この日の日の出は午前6時8分。明るくなりだすと一気に朝だ。そのままあまり休まずにもう1周周回を重ねる。13分くらいに落ち着いてきた。意識はハッキリとしてきた。このまま眠くならないで維持していきたいものだ。この後トイレ休憩と併せてレモシステムを再び太もも裏とお尻の右側に付けてみる。どうしても張り感が気になる部分で、アーチサポートの効果を実感していたので試すことにした。CW-X自体もピッタリフィットなので、テープが丸まらないように気をつけてタイツを履き直した。
実感としてはやはりテーピングのような効果が感じられる。CW-Xとは違う感じのサポート感だ。なんとか2周は持ち直し、エイドに立ち寄りながら65周を目指した。もうすぐ100キロ!67周すれば100.5キロだ。しかしまたもや『睡魔』がやって来た!エイドでは長居してしまいそうなので、トイレで休むことに。しかし洋式トイレが使用中だ・・・。仕方なく和式トイレの脇にある荷物置き用の台30cm四方ぐらいの棚に腰掛けて、壁に寄りかかって5分くらい寝た。トイレ休憩の後は、エイドに寄らずにそのまま2周続けて走るようにした。
65周 16時間48分29秒 5周1時間45分54秒(1周Av:21分11秒)
トイレ休憩とレモシステム&睡眠でロスはあったが、前の5周ほどではない。100キロと言う通過点が見えてきたことで、眠気も過ぎていこうとしているかな?と思ったが、再び眠くなってきたので、トイレ休憩と称して休んだ。トータルで睡眠は3回。合計30分弱と言ったところか?
この休憩明けにはかなり意識がはっきりしてきた。もう朝という状態で陽射しも暖かく感じられる。心拍数から見ても夜中のハイテンションの時の状態まで上げることができている。防風ジャケットも再びザックにしまいこむ。一気に4周を走り、まもなく18時間、カメラを取り出し、午前9時を迎える。そしてブログの更新っと!
暑くなりそうな天気予報で最高気温は17℃だとか・・・。3月と思えない気温になりそうだ。とりあえず、眠気も治まり2周単位で休憩を取ることに。9時からの6時間走のランナーの列が軽快に追い越して行く。結構な人数だ。そして迎えた70周。
70周 18時間12分03秒 5周 1時間23分34秒(1周Av:16分43秒)
71周したところで、ウエアの変更を。今回着ていたX-FITHOTはさすがに17℃と聞くと暑くなると予想。ペースも回復しているし、汗の量は増えるので冷え対策は問題なさそうだ!と言うことでX-FITHOTを脱ぎ、エイドの脇に座り込んで6リットルの小さなザックに詰め込んだ。と言うことで、後半は肩バランスアップアンダーシャツとチームTシャツで臨んだ。X-FITオールシーズンの長袖は建物の中にしまっていたので、今回はパス。
少し余力があって頑張ってしまうと、その反動がものすごく大きい。73周の後の2周はちょっと脚に疲れを感じ、前半歩いての小休止。そしてエイドで『鈴木健司頑張れ~!』とボランティアの方に喝を入れられながらも歩いて75周を迎えた。
75周 19時間53分25秒 5周 1時間41分22秒(1周Av:20分16秒)
まもなく20時間が経過し、残り時間が4時間となる。HANAとピヨちゃんも到着し、途中まで一緒に歩いて回る。現在75周で112キロ。あの『睡魔』があったので単純に1時間4周もクリアできていなかった明け方の時間帯。前の2周の小休止と力強い応援団をきっかけに、『残りたった4時間だ。頑張るぞ!』と、またまたテンションを上げて走り出した。
77周までの2周は1周12分でキロ8分ペースまで回復してきた。8分ペースなんて傍から見たらかなりゆっくりなんですけどね。ウルトラの後半なら良いペースなんです。しかも休憩も入れながら。心拍数も130弱に抑えたペースで無理なく走っている。これは甲州街道の練習なので、24時間経過していかに余力があるかがポイント。いつまでも走れるペースを見つけるのが課題だ。
再び2周ごとの休憩に変えて21時間経過で79周に。いつもお店をご利用頂いているお客さんと走りながら、『あと3時間だったらここから頑張るって言ってもいいよね。』と話していました。う~ん3時間・・・頑張りきれる時間かは微妙だが、あと3時間だしなあ・・・。さらに兵庫県の女性に甲州街道の完走の秘訣を伺いながら1周を周りました。とにかく笹子峠まで飛ばさないこと!荷物は軽く済ませること。都内に入ってからは信号と人込みで走れないので、相当時間の余裕を持ったほうが良いことなどでした。後から聞くと3年連続で完走していて昨年は女性トップだったとか・・・。凄い人です。この後ピヨちゃんと『いないいないばあ~!』と遊んでから走り出した。
80周 21時間19分10秒 5周 1時間25分45秒(1周Av:17分09秒)
残り3時間・・・を頭の中で計算しながら走ってみた。1時間で5周、3時間走ったら15周・・・この1周はキロ6分まで上げて走れていて、あまり無理は感じない。もしもっとペースを上げられたら夢の100周!?赤い輪ゴムが貰えるか!?実はこの時計算ミスをしていて、キロ6分ならば100周に届くと信じていた。心拍数を140前後まで上げてキロ6分をキープして走る。
85周 22時間10分58秒 5周 51分48秒(1周Av:10分22秒)
休憩を含めてキロ7分と言った感じだ。周りの24時間の部のランナーはすでに終了モードの方も多く、周回ごとに応援が気持ち良い。『復活しましたね~!』『100周目指します!』と答えていた。しかし残り時間は1時間50分を切っていて、ペースもさすがに落ちてきた・・・。
再び1周ごとに休憩するほどペースダウン。集中力の持続性を知りました・・・。エイドではアイスキャンディーなども急遽用意してくれて、暑いくらいの陽気に冷たくて美味しかった。再びアートスポーツの営業本部長が応援に来てくれていた。『しっかり走れよ~。』『いや~さっきまで調子良かったんですけどね。飛ばし過ぎました・・・。』ゴールシーンを想定して記念写真を撮って貰いました!もうちょっと頑張ります!
残り1時間を切って周回は88周。キロ8分で走ってエイドで食べての繰り返しになってきた。HANAとピヨちゃんの応援を受け、ラスト1時間頑張ろうと決めた。89周を過ぎてエイドで休憩していると、takedaさんがエイドに寄らずに駆け抜けていった。おっと最後は付いていくぞ!takedaさんはすでに200キロオーバーで、こちらはやっと130キロだ。これで付いて行けなくてはいかんぞ!と思い並走する。キロ6分強で走られている。さずがだ。
90周23時間36分16秒 5周 1時間25分18秒(1周Av:10分22秒)
この時点でtakedaさんは140周を重ねていた。こちらは90周でキリが良いが、50周も違うとなればこちらは体力的にも楽なはず。ペースと残り時間を確認しながらキロ6分ちょっとで走ろう。残り24分。キロ8分で2周しかできない。24時間経過前に周回を過ぎれば、もう1周はチャリティなのでOKとしてくれるそうだ。心拍数を145まで上げてtakedaさんと並走。91周はキロ6分でカバー。ここで初めてコース上にある芝生の上を走ってみた。確かに感覚が楽に感じる。公園内の石畳は結構硬い感じで、ダメージも大きく感じていたが皆さんが芝生を走る気持ちも分かった。
92周目で23時間57分とプラス1周の確保ができた。最後の1周はゆっくりと余韻を楽しむランにした。24時間と聞くと凄い時間だが、振り返るとあっという間だった。睡魔にへこたれた時間もあったが、基本的な目標としていた荷物をすべて背負って走る。トイレ以外の建物に入らないこと。寝ないで24時間動き通すことを達成できたので、気分的にも充実している。
ゴール地点ではピヨちゃんが迎えてくれたので、抱っこしてゴール!!24時間12分20秒のランとなった!最終の輪ゴムを受取り、93周で距離は139.5キロ。もう少しで140キロオーバー、あと7周で100周の150キロ!と頑張っていればと・・・少し思うが、とにかくケガもなく楽しく24時間走り切れたので、大満足!!
大会はそのまま海宝さんの挨拶で幕を閉じた・・・。個人参加のランナーがここまで安心して走れる大会は他にないだろう。ボランティアの皆さんにも感謝して大会を終えた。そしてやっと忙しそうにしている海宝さんの元へご挨拶に。
『サロマ湖などではお会いしているのですが、改めてご挨拶させてください。』と・・・。海宝さんのトランスアメリカからウルトラに興味を持ったことや、甲州街道に参加する予定だという事。もちろんアートスポーツのスタッフと言う事もしっかり伝えて、ご挨拶できた。感激だった!
暖かい陽射しの中、外で着替えを済ませてランナーの皆さんを見送りながら挨拶をした。本当にたくさんの尾客さんが参加していらして、ピヨちゃんやHANAなどにも声を掛けてくれたので、2人共楽しい応援だったようだ。2日間に渡りお台場まで来てくれてありがとう!2人が居たおかげで、力を抜く事もできたし、最後のペースアップにも繋がったと思う。感謝感謝。
24時間を走り終えてカラダの状況はと言うと、思ったよりもダメージは少ない。そして力石モードにもなっていない。ザックを背負っていたが、その疲れを感じる事も全くなかった。今回はいろいろ試しながらのランとなったが、一番の収穫は『レモシステム』&『肩バランスアップアンダーシャツ』だった。
テーピングなどを自分でできる人間ではないので、基本的に使った事がなかった。しかし以前サロマ湖で腰や足のアーチサポートをしてもらった時にとても楽だったので、テーピングの効果としては重要さを認識していた。『レモシステム』に関してはその効果の実感が際立った商品だ。これからも大会には携帯していきたいと思う。
そして『肩バランスアップアンダーシャツ』。24時間着続けたのはもちろん初めてだったが、その着用感の違和感のなさについては今までよりも自然だった。これは自分の姿勢が整っているので、肩甲骨周りを押さえられたとしても引っ張られる感覚がないのだと思う。甲州街道では必ず着るウエアとなった。
(ファスナー付きに関してはアートスポーツオリジナル商品)
家には意外と早く到着。ものすごい眠い事もなかったが、まずお風呂に入り20時からピヨちゃんと一緒に布団に入った。翌日は8時起床と会社に出勤する時間と同じに起きたが、カラダは基本的に元気だった。しかし膝から下のむくみは酷く、ズンッと重い感覚だった。月曜日と火曜日は公休の為、贅沢な4連休となったが頑張ったので多めに見てくださいね。
最後に初めての24時間走、とても良い経験になりました。多くのボランティアに支えられて夜中もハイテンションで楽しく、多くのランナーとの交流もこの大会の醍醐味です。結果を見ると24時間で139.5キロと言うのは少ないと思っています。しかし何よりも経験として初めて走った24時間がこんなに楽しかった事は今後に繋がるはずです。あと12時間の間に75キロ走れるか?と言ったら多分無理でしょう。前半の走り方をもっと研究しなければなりません。すべてが甲州街道に繋がっているのですから。これから富士五湖・サロマ湖をどのくらいのタイムで走れるか?それ以降の夏の練習がもっともっとポイントです。まずは14時間30分以内でのチャレンジ富士五湖112キロをしっかり完走できるようにこれからも練習していきたいと思います。
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