アルバム売りさん

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2006.04.18
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おきよ高3恋に憧れる乙女心をあらわにしていた頃もある。

かっこいいだの、目がすてきだの、そりゃあもぉ大騒ぎ。
クラスであたしの田山くん贔屓を知らないコはおらんくらいに大騒ぎ。

いやぁ目がいいっておきよ、細くてつりあがってるだけじゃん…?

そんな外野の声なぞは
あんたたちゃあ、見るメぇないねぇ!
ふっとハナで笑い暴走おきよは止まらず…
単なる1ファンから、気がついたら人もうらやむナイスカポーになってたねぃ。



麗しいナイスカポーは、練習中の陸上部後輩どもの羨望のまなざしの中
グラウンドの横をよく一緒に駅まで帰ったねぃ。
田山くんは徒歩通学であたしは電車だったので、駅裏で冬なぞはぴとっとくっついて電車待ち。
チウもなしのほんとに淡い恋だったんだよねぃ。

だけど、
卒業と同時に別れちゃった。
最後のデートはスケートリンク。

ごめ。もう好きじゃなくなっちゃったわぁ。

そんなおきよのシドイ一撃でかわいい恋はおわったのでした。

時は流れて数年後、街でばったり田山くんに会った。
あたしはそん時彼氏なし。田山くんは確かデートの最中だったと思う。

田山くんは一段とおとこっぷりをあげていた。

ほら見てみぃな。かっちょいいやんけ。あたしの見るメは正しかった。

という思いと、

ちっ惜しいことしたぜ。

という思いをぎゅぎゅっと胸の中に閉じ込めて、今度また呑みましょうのお約束をして分かれた。



高校ん時は駅の裏で何本も電車やりすごしたよなぁ。
  やっぱり、電車きてるの気付いてた?
気付いてたよぉ。でも一緒にいたいから気付かないふりで、
発車してから「あれ?電車きてたね!」なんてすっとぼけてたよ^^
  はは。おんなじおんなじ

やらの楽しい思い出話のそのあとで田山くんがきいた。

で、オレはなんでふられたんだ?

( ̄_ ̄)……

なんで?

( ̄_ ̄)……すきではなくなったから。

( ̄_ ̄;)……かな????(ダダ汗)

だろうなー。初めものすごい勢いだったもんなぁ

( ̄_ ̄)…好き度合いがノーマルになったのを、好きではなくなったと勘違いしたのかもしれない。

おいおい…^^;


きけば田山くん…

当時東京の大学を受験する予定を急遽変更、地元に志望校を変えていた。
明らかにランクは下がってて、あたしはそれに触れることはしなかったんだけども。
「おきよと離れたくなかったからさー、志望校かえたんだぜぇ」だそうであり、

「ほんっとに急にすーっとひかれたもんなぁ。
 オレ落ち込んでさぁ春休みに京都へさぁ傷心で一人行ったんだぜぇ」だそうであり、

「あれから女の子のシュミがおきよっぽいコになっちゃって今の彼女も長身でやせ型なんだぜぇ」だそうであり、



そんなことの数々は、まったく初耳である。
そんならそうと、そん時言ってくれ。
きっとあたしの気持ちは、しごくいーじーに戻っていたはず。
春休みのその傷心京都旅行であたしへのお土産で買ったんだと、
手のひらに乗るほどの京人形を手渡された。
あたしは、田山くんが何年も持ち続けていてくれたその愛らしい舞妓さんの人形に、
田山くんのその時の彼女で今の奥方である「まさこちゃん」の名前をさしあげた。

まさこちゃんは、あたしの心変わりとは関係なしに、
今でも我が家の書棚で、永遠の 無垢で 愛らしい笑みをあたしになげかけるにょよ。

ってわけ。







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最終更新日  2006.04.18 10:20:59
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