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2005/05/01
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カテゴリ: 株式投資
昨年あたりからの国際的な商品市況の上昇により、


世界中でビジネスを展開している日本の総合商社ですが、
この「総合商社」というビジネスは海外にはなく、日本独自の業態です。

商社は歴史的に軽工業品から、重工業品、
そしてハイテク商品へと取扱い品目を拡げてきました。
最近では、コンビニからナノテク、環境、介護、REITまで、
商社が関わっていないものはないくらい事業範囲は広大です。

インタ-ネットが登場した時、中抜き・商社不要論が出ましたが、

ずっと言われてきました。10年ごとの恒例行事です。

そんな総合商社の決算が出ました。
                 単位:億円
当期純利益
17年3月期
前年期比
三菱商事
1,823
+57%
三井物産
1,211
+77%
住友商事
 850
+27%
伊藤忠
 777
黒転
丸紅
 412
+19%
双日
-4,124
赤転
全体的に、好調な金属・資源エネルギー部門が収益を押し上げた内容でした。

日本で総合商社トップの三菱商事は、
一昨年度、商社として初めて純利益1000億円を達成し、
昨年度は、純利益1800億円を達成。
三菱商事の「本業」の利益水準は、過去最高のレベルです。

では、商社にとっての 「本業のもうけ」 とは何でしょうか?

一般企業だと「P/Lの営業利益」になりますが、
商社業界では 「基礎収益」
これは、営業利益(貸倒引当金繰入額控除前)に
利息収支と受取配当金、持分法損益を加えた数字です。

三菱商事の基礎収益は、3306億円。
三井物産は2893億円、住友商事は1100億円という感じ。

例えば、ホンダの2005年3月決算を見てみると、

営業利益   6309億円
税引前利益  6568億円
純利益     4862億円
ホンダの売上高とは、クルマやバイク、修理サービスなどの商品を
販売した総額で、つまり自らの手で生み出した商品の価値の総額です。
この売上高から原材料費などの売上原価を引き、
人件費などの販管費及び一般管理費を引き、
研究開発費を引いた残りが、営業利益。
営業利益を売上高で割った指数、売上高営業利益率は7.3%。

一方、三菱商事は、
売上高  17兆1327億円 
営業利益    1834億円
税引前利益   2098億円
純利益      1824億円
ホンダの2倍近い売上高を持ちながら、
逆に営業利益ではホンダの約3割、純利益でも4割に届きません。
(2003/03決算では、共にホンダの約7分の1という水準…)
売上高営業利益率はわずか1.1%と「超・低利益率企業」に見えます。

しかし商社にとっての売上高とは「取扱高」の意味に近いものです。
商社の伝統的な「本業」は、
他メーカーなどから預かった商品を顧客に販売し、
「口銭」と呼ばれる手数料を稼ぐ「仲介型ビジネス」です。

この商売の売上高には、預かった商品の価格が含まれます。
つまり、三菱商事が1台のクルマを販売した売上げには、
自動車メーカーという「他人が生み出した製品の価値」が含まれており、
実際に三菱商事に入る金額は仲介手数料だけになります。
これが約3万種類もの商品を扱う三菱商事の売上高が巨額になる理由です。

取扱高ではなく、商社本来の機能である仲介サービスへの
対価の規模を見るなら、
P/Lの「売上総利益」が「商社の売上高」に近いのです。
決算短信を読んでいる投資家の方なら気が付かれていると思いますが、
説明資料や見通しなどには、「売上総利益」での説明がされています。
一般企業では「売上高」の次は「営業利益」にいきがちですが、
商社では「売上総利益」がより大きな意味を持っています。

もちろん三菱商事の売上高には、自ら投資し自前の商品を販売する
「事業投資型ビジネス」の売上げも含まれますが、
商品の価格分、数字が膨らむ仲介型ビジネスの売上げの比率が
まだ高いとされています。

そして、様々な事業投資先に出資して事業を展開し、
そのリターンとして、配当金を受け取ったり、
持分法による投資損益を計上したりしますが、
これらは営業利益には反映されません。
なので、売上高営業利益率は低く見えることになります。
従って商社では、 「基礎収益」 という指標が使われるというわけです。
三菱商事:基礎収益・投下資本利益率の遷移

ところで、三菱商事は現在、中期経営計画「 INNOVATION 2007 」を
推し進めていますが、この前の中経計画「MC2003」の中に、
「R&D(+C)戦略」というものがありました。

これは、研究開発(R&D)までではなく、その先の
事業化(コマーシャライゼーション)まで至ることを意味しており、
今まで伝統の「目利き」で、世界中の技術を日本企業に
紹介することにより仲介商品を増やして収益をあげていましたが、
これからは三菱商事が自ら事業を行い(リスクを取って)、
将来の高い収益実現を目指すというものです。

これにより、ROIC(投下資本利益率)の向上が実現し、
同時に、これまで以上にリスク管理が重要になっています。
(前にも紹介したとおりです)

また商社はよく、有利子負債が多い、株主資本比率が低いなど、
財務の面を言われますが、これは宿命とも言えるものです。

理論的な企業価値の観点から見ると、
一般的には企業にとって、株式資本コストよりも
有利子負債コストの方が安いので、格付けが下がってしまうほどの
有利子負債比率で無い限り、有利子負債による資本調達は、
企業の加重平均資本コスト(WACC)を下げる効果が期待できます。
特に、商社の口銭を稼ぐ薄利多売のビジネスモデルの場合、
有利子負債によるWACC低減は必須となります。
ROICが低いと、有利子負債比率が少し下がっただけでも、
価値創造を行うことが出来なくなってしまう可能性が出てくるからです。

また現実的な面でも、総合商社は、人材や物流、情報だけではなく、
グループ企業や事業投資先の金融引き受けの役割も担っており、
どうしても有利子負債の絶対額が大きくなってしまいます。

なので、有利子負債を減らすのではなく、
ROICを向上させるという戦略が必要になってきて、
「R&D(+C)戦略」のような考え方に繋がっている訳です。

逆に、むやみに有利子負債返済をする企業については、
株主資本比率が上昇した!と無条件に喜ぶのではなく、
経済的付加価値:
(ROIC-WACC=SPREAD)*IC
(投下資本利益率―資本コスト=スプレッド)*投下資本額
でスプレッドがプラスを維持できそうなのかを注視する必要があります。
どこまでレバレッジをかけるか、すべてはバランスです。

雑感ですが、最近までは商品価格と連動した値動きをしてきましたが、
これからは、もっと違った商社の面が注目されてくると思います。
結構面白いこといっぱいやってますよ。

参考文献 いま、三菱商事がおもしろい







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最終更新日  2005/05/01 05:22:03 PM
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