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2007年08月31日
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カテゴリ: 文学、芸能
山崎豊子さん作の小説『沈まぬ太陽』の『(三) 御巣鷹山篇』を読みました。



実名ではないものの、日本航空の労働組合の委員長を務めた 実在の人物 の半生を、小説に仕立てた物です。

(Wikipediaによる解説は こちら )

主人公は、労働組合の委員長として、空の安全を訴えて会社と対立した為、報復人事として10年以上にも渡り、アフリカ勤務を命ぜられ、帰国後は御巣鷹山のジャンボ機墜落事故の遺族対応に当てられます。

ホリエモン (ライブドアの前CEO 堀江 貴文 氏)が留置場で読み、感動して、 保釈後の最初の遠出外出で御巣鷹山に登り慰霊をした事 により、5月頃より話題になり、売り上げた伸びたそうです。


私は、全5巻中の第3巻の御巣鷹山篇のみを読みました。私にとっては、御巣鷹山の事故の間接的影響で亡くなった友人、事故後の交通規制により回り道を余儀なくされ、その途中で交通事故に遭って亡くなった友人の追悼の意味もありました。





読んでみると、一つの事柄であっても、様々な面から見なければ成らない事を考えさせられます。

例えば、垂直尾翼を失って制御不能に陥った機体を必死にコントロールした機長と副操縦士は、ある意味称賛に値しますが、ある意味では、強引に羽田に戻ろうとするのでではなく、海上などに緊急着陸すべきであったのではないか。

事故の原因は、機体固有の尻もち事故の際に修理した圧力隔壁の金属疲労による破壊という事になっていますが、ボーイング社が早々と圧力隔壁の修理ミスを公表し謝罪したのは、事故の原因を特定の個体の修理ミスと決めつけ、同型機全体への設計ミスに話が及ぶのを避けた為と思われる事。

事故調査委員会がボーイング社に説明を求めようとしたに拘らず、ボーイングは国家なりという態度で、責任の多くを日航が日常検査での金属疲労見逃した、及び、垂直尾翼の破損と油圧系の破壊により操縦桿によ操作が不可能であるにも関わらず、操縦士がエンジン出力だけに頼った操縦ををしようとしなかったというという論理で、まるで責任を日航になすりつけ、以後一切ノーコメント的対応である事が指摘されています。

また、最初の事故発生の瞬間に機内の減圧があったものの、ボイス・レコーダーとフライト・レコーダーの記録を見る限り、機内の気圧が上空の気圧まで一瞬にして落ちる急減圧はなかったのではないかとの仮説もあり、圧力隔壁の破壊により垂直尾翼が吹き飛んだのではないかも知れない仮説と矛盾するが、肝心の垂直尾翼自体はは相模湾の底に沈み、真実は不明であるという事に関しても語られています。


更には、心中を察するには余りある、遺族の悲しみを現す多くの描写も記載されています。


厚さの割にはドンドンと読み進められる興味深さがあり、なかなか考えさせられもする一冊でした。





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最終更新日  2007年08月31日 12時40分25秒
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