ヨンハにLove Holic♪星の指輪’s Room

永遠~AnotherStory #2



まるい形で少し小高くなっている丘にバイクは無事 着陸した。
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「ヨンハ 着いたよ。ここが 蒼の湖だよ、

今夜は満月なんだ。しかも 10年に1度 ジャコビニ流星群が

この湖の真上に ふりそそぐんだ。」

「なにかいいことがあるの?」

「うん、夕焼けが湖の向こうに沈むとき、忘れられない過去が

湖の湖面に映し出されるんだ。そして 少しの間だけ過去に戻れる。

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そして 真夜中 満月が真上に来たとき 現在の心の中の 

哀しみ 苦しみが 映る。そして 向こうの山に

朝日が昇るとき 未来がみえるんだ。

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そして 流星が湖に落ちていくとき 願い事を

3回言えたら それが叶うんだ・・・

僕はどうしても もう一度 彼女に ティアナに逢って

伝えたいことがあるんだ。」

「そうなんだ。わかったよ。いっしょに待つよ・・・

僕もどうしても 言いたいことを言えずにずっと 

逃げているから・・・」



ふたりは 夕暮れまで あたりを散歩したり

疲れると 草の上にすわって 夢について話したり

寝転んで すこし眠ったりした・・・



西の空の低いところが だんだん蜜柑色と薄藤色をまぜたような色に

染まってきた・・・湖面に夕映えが映し出されていく・・

ふたりは固唾を飲んで それを見つめていた。

YoNaの瞳には ティアナにはじめてここで逢った日の情景がみえていた。



YoNaのものがたり

あの頃 僕はチェロを弾いていたオーケストラを追い出されそうに

なっていた。ずっといっしょにやってきた仲間が

YoNaを裏切り ごそっと団員を引き連れ 出て行ったのだ。

何も知らなかったYoNaは唖然とした。でも ボスは

YoNaにも 責任があると 問い詰め、責めた・・・

「冗談じゃない。裏切られたのは僕だ!」

そんな場所にとても とどまる事が出来ず

いつのまにか 湖まで来ていた。

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何処までも 高く青い空と 輝く湖面のほとりで

ハープを弾く 彼女に出会った。一目ぼれだった・・・

ティアナは風といっしょにハープを奏で、まるで天使のように

やさしく微笑んだ。僕のとがった心はあっという間に 溶けていった。

僕らは 互いが同じ街に住んでいることを知って

いつしか いっしょに暮らし始めた。

オーケストラにも誤解がとけて また以前と同じように

チェロを弾いた。そして こんどはティアナもいっしょだった。

いなくなった団員のかわりに 僕が誘ったのだ。

毎日が夢のように過ぎていった。

オーケストラの練習がおわると 行きつけのBarに寄って

ふたりで いろんなことを話した。

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でも いつしか 僕はもっと 欲張りになっていた。

どうしても いっしょに空を飛びたくなったんだ。

そのことは 賭けだった。種の違う僕らは

おなじ寿命を全うすることはできない。

無茶をすればいっしょに過ごす時間が短くなる・・・

それは ティアナの死を意味したんだ・・・

でも もしかしたら だいじょうぶかもしれない。。 

それに 僕はどうしても ティアナをこの腕に抱いて

空を飛びたかった。彼女とひとつになりたかった。

「だめよ わたしは少しでも あなたと長くくらしたい。

今のままで 充分しあわせなの。たとえ 赤ちゃんができなくても

あなたとすこしでも長く いられるほうがいいわ。

そんな無茶をしたら わたしの羽はばらばらになって

もう 飛べなくなる・・それどころか もう、あなたに

逢うことさえ 出来なくなるのよ・・・それでもいいの?」

「だいじょうぶだよ。。僕らには神様がついている・・

こんなに愛しあっているんだから。

それにきみの羽は僕が作るから。ちゃんと何度でも飛べる羽だよ!

ティアナ、まかせて。」
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ティアナはYoNaの情熱に負けて 

1度だけ 空を飛ぶことを 約束した。   つづく。。。




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