そよかぜにっき

そよかぜにっき

サヨナライツカ





今日のように小雨の日には

出かけたくなるのです


かつて私がいた

その場所へ 一人で行くのは

たぶん15年ぶりくらい

とても混雑する場所で

色々な出来事が

まるで、きのうのことのように

思い出されてしまいました


高校の友人にばったりと会ったこと

中国人の男性に英語で話しかけられて困ったこと

酔った男性から、「これ預かって・・」と

一升瓶を手渡されたこともありましたっけ・・・

そこは 紀伊国○書店


何気なく手に取った本は「サヨナライツカ」




サヨナライツカ


いつも人はサヨナラを用意して生きなければならない


孤独はもっとも裏切ることのない


友人の一人だと思うほうがよい


愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある


どんなに愛されても幸福を信じてはならない


どんなに愛しても決して愛しすぎてはならない


愛なんか季節のようなもの


ただ巡って人生を彩りあきさせないだけのもの


愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のカケラ


サヨナライツカ


永遠の幸福なんてないように


永遠の不幸もない


いつかサヨナラがやってきて、


いつかコンニチハがやってくる


人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと


愛したことを思い出すヒトにわかれる


私はきっと愛したことを思い出す




辻仁成


今日は無事に帰りました。





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