Feb 18, 2007
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カテゴリ: MaYu-Rの日記




「手紙」 を読みました。

映画の方は観ていませんけど、設定が若干変わっているのですよね。

主人公を山田孝之が演じているので、
例の如く「互換妄想」で楽しんでみようと思ったのです、が…

ストーリーに入り込み過ぎたのでしょうか、妄想するどころじゃない~~

大きな犯罪を犯してしまった兄のために、その弟である主人公が、
(本人にとっては) 謂れのない世間からの 「差別」 を受け、夢も恋も仕事も、
そして、「普通の生活」までもが奪われていくという、非常に重い筋書きですね。

犯罪を犯すまでの経緯や心理というのは、当の本人以外に知りえる事ではないが故、
周囲や世間の固定観念による憶測が一人歩きしていきます。

裁判で刑が確定し、刑務所に収監されると、罪を犯した人間が直接、
被害者やその家族に対して何かを償うというのは、出来ない。

せめてもの「償いの気持ち」を表すものとして、この小説で使われているのが手紙です。

刑務所という、隔離された空間で知りえる情報というのはごく僅か。

いわゆる「浮世離れ」した状態になり、良かれと思ってしてきた事が、
実は自分の周りの人間や被害者の家族の苦しみを深めている…皮肉なものです。

そして、どんなに理不尽でも、憎しみが募っても、
主人公が持つ肉親の 「情」 なるものは、
バッサリと切り捨てられないのですね。

例えどんなに近しい相手でも、同じ事実に直面したとして、
人それぞれに思うところは必ずしも同じとは限りません。

その食い違いというのが、じっくりと書き込まれているという印象を受けました。

そして、文章で上手く表現出来ないのですが、
この小説は私の心の「どこか」を強烈に、ピンポイントで刺激してきました。

読み終わる頃には、涙で活字を追えなくなっていましたから。

自分の意思で選べない人間関係の難しさの一例を学んだような気がします。





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Last updated  Feb 18, 2007 10:35:34 PM
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