なぜ自分達のコミュニティーを破壊する?

LA Riots



「なぜ自分達のコミュニティーを破壊する?」これは1992年4月に起きたL.A.Riotsの有様をテレビで1日中見ていた私と旦那の間に何度もあがった疑問である。

L.A.に住む黒人市民のRodney King氏に警棒などの武器を使って暴力をふるい、King氏に11ケ所の骨折をさせた白人警察官達がこの行動に対して無罪と判定されたのをきっかけに、怒りきった黒人達が自分達の住む東南L.A.で3日間にわたり暴動を起こした。

この判定の下った約1年前、スピード違反で車を止められたKing氏が、複数の白人警察官に警棒で殴られたり蹴飛ばされたりしている有様を、たまたまそこに居合わせた市民が撮影したビデオが、テレビのニュースなどで放映された。これは明らかに黒人に対する人種差別待遇だと社会問題になった。それでなくても長年たまっていた黒人達の差別への怒りが黒人社会で高まり、改めて黒人と白人の間のテンションが高まった。

この白人警察官達の無罪判定は黒人達にとって信じられないものだったが、12人のJuryのうち11人は白人だった為、これも差別の一例だと、黒人公民権運動家はこの問題を指摘した。

この白人権力国家で長年受けてきた差別に対する黒人の怒りは、この出来事によって頂点に上り、爆発した。

黒人達は自分達の住むコミュニティーにある商店から商品を盗み、店内をメチャクチャに破壊し、放火した。そして教会や住宅までも放火した。この暴動で破壊された商店の多くは自分達黒人達によって経営されているものだった。このような小さな商店の多くは暴動後店を建て直すお金がない為、やむおえず閉店しなければならなかった。

暴動は3日間続き、死亡者55人、けが人2300人以上、1100軒の建物(その内700軒は商店)が破壊され、総合被害損額は10億円を超えた。

それでなくても、もともと貧乏な地域、暴動後はまるで戦後のような光景だった。彼ら黒人達は自分達の住む貧しいコミュニティーを破壊したのであった。この国ではまだまだ少ない黒人経営の商店を破壊した。自分達黒人の住む住宅を放火し、自分達黒人をホームレスにした。

長年彼ら黒人が受けている差別待遇に対する彼らの怒りは理解が出来るが、でも怒りが白人警察官や白人権力国家に向けられているのなら、ではなぜ自分達のコミュニティーを破壊するのか?それでなくても苦労の多い黒人達、自分達の住む環境をみずから悪くするのはなぜなのか?なぜ違う形で怒りを示す事が出来ないのか?

L.A.Riotsはこの課題のひどいケースの一例にすぎない。黒人達は自分達の手によって自らのコミュニティーを日々破壊している。その背景には黒人の失業率の高さ、その為の貧困、黒人同士の犯罪率の高さ、刑務所の黒人男性因人の多さ、18歳未満の黒人少女の妊娠、出産率の高さ、シングル・マザーの多さ、麻薬使用などなど難しい社会問題がある。

だがなぜ自分達のコミュニティーを破壊するのか?1992年に起きたL.A.Riotsで学んだ事は何なのか?黒人社会改善の1歩として、黒人自らそして黒人を配偶者や家族に持つ者が考えなくてはいけない課題の1つである。


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: