失われた【本質~The Essence~】を求めて

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2013.09.26
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前回の記事  を受けまして、アヌサラヨガというヨガの一流派に昨年降りかかった一大スキャンダルの話を続けます。



事情を詳しく知らない人には「コップの中の嵐」にしか見えないような、このアヌサラヨガの内紛劇ですが...




その人生の師への 《信頼》が裏切られた時、どう行動すればよいのか。




といった、「師匠」への《信頼》についての、重大な問題を提起してくれました。
精神世界/スピリチュアルな分野に関心を持ち、「師匠」として仰ぐ人物を一人や二人持つ人であれば、決して見過ごせない問題です。
明日は我が身、かもしれませんよ。



私自身、一応ヨガを学ぶ者の端くれです。十年やっても大して上達していないですが。
そして、エニアグラムなどのスピリチュアルな学びの分野において「師」と呼べる人々を持つ者でもあります。
また、一時期「引き寄せの法則」でおなじみ、ヒックス夫妻による「エイブラハムの"教え"」なんて〜のにハマり、そして深い幻滅を味わったという黒歴史を持つ人間でもあります。



だから、弟子達がこのジョン・フレンドという師匠に対し抱いていた《信頼》が、一気に砕け散ったこのアヌサラスキャンダル、とても他人事とは思えないんですよ。





ヨガ指導者に全くふさわしくない行いを重ねたジョン・フレンドご本人に対しては少しも同情しません。自業自得です。
でも、師匠として仰いできた彼に深く失望し、長年親しんだアヌサラヨガに背を向けざるを得なかった弟子の皆さん、そしてそんな流派内の激変に翻弄されたヨガ学習者の皆さん。
本当に気の毒でなりません。一番の被害者は彼らでしょう。



では、簡単にこの ジョン・フレンド という人物の歩みをおさらいしてみましょうか。
元々、大学では会計学やビジネスを学んだ彼。金融アナリストとして働く傍ら、様々な流派のヨガを学び、そのエッセンスを吸収。



アイアンガーヨガの指導者として活動した後の1997年、彼はアヌサラヨガを立ち上げました。
ちょうど、若い女性を中心とした世界的なヨガブームが幕を開けるところ、という、絶妙なタイミングでしたね。時代の追い風にうまく乗りました。



ピーク時には「ヨガ界のロックスター」と称される程の人気を博した人物でした。
カリスマ指導者の呼び名にふさわしく、集客力も抜群。正にアメリカのヨガ界をリードしていました。
...2012年初頭、匿名の告発により秘密が明るみになるまでは。





英文ですが、全盛期のジョン・フレンドとアヌサラヨガの姿をよく伝えている文章ですので、リンク、貼っておきます。
2010年7月25日付・New York Times日曜版に掲載された記事です。



“The Yoga Mogul”, by Mimi Swartz  




例のスキャンダルに先立つこと約2年前。
記事では、「カリスマヨガ指導者」というよりはむしろ、「世界各地を飛び回り、一大ヨガ・ビジネスを率いる経営者」としてのジョン・フレンドが描かれています。





「これ、ビジネスマン向け自己啓発セミナーの講師だよ」と言われても、わかりません。




【自己愛人間】の可能性が大、ですね。



顕示型というよりはむしろ、自分を超えた何者かに吸い付いて、そこからエネルギーを得て、【やっぱり俺はすごいんだ】と、回りくどいやり方で自己愛を満足させる【隠れ自己愛】っぽいかな、という気がします。
きっと、彼にとっては「スピリチュアルなヨガ指導者」の顔が隠れ蓑、なんでしょう。




(今度から、【隠れ自己愛】を、【コバンザメ型】って呼ぶことにします。自分よりもでかくて、立派な「何か」に貼り付いて、「どーだ、俺はすごいんだ!」と思い込む、っていうあたりが、コバンザメ的だと思いませんか?)




しかしねぇ。ヨガよりもビジネスプランを語っている時の方が熱いだなんて...。
いやはや。その辺りから、彼の目指す「ヨガ」は、私達素人愛好家の予想を超えた方向へと進み始めていたのでしょう。



騒動の後も、彼は「ヨガ指導者」の顔を捨てませんでした。今なお現役でバリバリ活動中です。
事件から1年半程経った今、彼は「アヌサラヨガ」のブランドこそ捨てはしましたが、Sridaivaという 新たなヨガブランドを女弟子と共に立ち上げ、精力的に北米大陸をツアー中です。
ううむ。あまり懲りてないみたいですね、この方...。



この、New York Times紙の記事を書いたミミ・スワルツさん(Mimi Swartz)という方、Texas Monthly誌で今も編集主幹を務めていらっしゃいます。
ジョン・フレンドがまだ無名だった頃、地元・テキサス州ヒューストンの公立短大を会場に行ったヨガのクラスに、筆者のミミさんは一生徒として参加していたんですね。
当時、彼女は「どちらかといえば、厳しいとされる流派」(←アイアンガー流でしょう。)のヨガを習っていたのですが、ジョン・フレンドの教え方に接し、大きな衝撃を受けたそうです。



(ジョン・)フレンドがジョークを連発しつつ、こちらの度肝を抜くような離れ業をやってのけるあの姿は、私にとってある種の啓示体験だった。



あれ、ヨガって...楽しくやっても、いいんだ?



当時、フレンドの助手を務めていたのは、元・教え子の、郊外に住む中年女性といった感じの人々が大半だった。ヨガ自体は私が実践していたスタイルと難易度に関しては似たり寄ったりと言ったところだったが、助手の女性たちが身体にタッチしてくれたり、励ましの言葉をかけてくれたりすることで、私の心は落ち着き、やる気も出てきた。
あるポーズができなくたって、それはそれ。次はうまくいくかもね、ってことに過ぎないのだ。



フレンドは我々受講者をポーズからポーズへと導きながら、やさしい口調で話した。


「誰もが心の奥底には神のような性質を隠し持っています。
私たちは、内面の善良さを発見し、外へ向かって表現していかなければなりません。
そうすることで、世界をより良い場所へと変えていくという、私たちの責務を果たすことができるのです。」



じゃあ、どうやったらそれを実現できるのか。その点に明確に言及されることはなかった...ヨガの練習に励め。もちろん、その程度の事ならば言っていたけれど...。
ともかく、身体も、頭も、心も全てすっきりさわやかになり、私は晴れ晴れとワークショップの会場を後にしたのであった。

("The Yoga Mogul", Mimi Swartz)



この記事が掲載されて以来、ジョン・フレンドの教え子(当時)を名乗るヨガ講師や生徒から、「これはジョンを不当に貶める、悪意ある記事だ!」と、彼を擁護する意見がネット上のあちこちに出回りました。(ちょっとカルト宗教っぽいかも...。)



筆者は、実際のクラス体験を正直に書くことで、「ヨガは楽しくても構わない!」ってことを初めて自分に教えてくれた、指導者としては卓越した存在であるジョン・フレンド像も、きちんと提示していますよ。
細かい仕組みはわからない。でも、終わった後は、身体も心もスッキリ爽やかになった!と、確かに効果があったことをはっきり書いているのです。これ、ヨガ指導者に対しては「ほめ言葉」になるのでは、と思うんですけどね。どうなんでしょう。



ただ、「どうやって、我々の内側にある神のような性質を表に出していくか」という疑問に対し、明快な説明を与えてもらえなかった、と引っ掛かりを感じたのは、敏腕ジャーナリストならではの鋭さですね。
目の付け所がいいなぁ、と唸らざるを得ません。さすが。



「(アヌサラヨガは)同じポーズを何度も何度も、毎回のクラスごとに繰り返せ、と要求してばかりいるような堅苦しい流派とは全然違うよ。生徒が天狗になるから、教える立場の人間はあまりほめ過ぎないように、なんてことも言わない。アヌサラはポジティブなんだ。」



フレンドはそう言って、椅子の背もたれに頭を乗せ、心ここにあらずといった感じで、脇のテーブルの上にあった、ピカピカに磨き上げられた球状の置物を撫で回していた。
『〔アヌサラは〕入りやすいんだよ。発展させるのだって簡単だ。その上、深くて、洗練されていると来てる。』


一部の宗教には、罪と罰、そして規律ばかりに注目し、喜びはないがしろにするという傾向があるが...


「あの手の連中は、”No”と言うのが基本だ。だけど、アヌサラはね、”Yes”なんだよね。(...中略...)


我々がやっているのは、【Yesヨガ】だよ。」 フレンドは顔を輝かせた。

(同上、Mimi Swartz)



これ、2011年に公開・発売された「アヌサラヨガ」のドキュメンタリーDVDの予告編だそうです。インド風音楽をバックに、マンハッタンの喧騒が写され、「疲れきった現代人、癒しと救いを求めてヨガへ...(←思いっきり意訳)」といった、ベタベタな演出で始まります。後はお約束通り、「アヌサラヨガで私は幸せになりました!」といった体験者の声がずら~り。





「ポジティブで、楽観的で...」とご本人が言うだけでなく、参加者にまで「楽しくって、身体に優しい」」「血圧やコレステロールを下げ...」と語らせるなど、とことんいいことづくめなんですね。



ここまで行くと、カルト宗教の勧誘ビデオ級の「やらせ感」すら漂います。
締めが、「アヌサラヨガへいらっしゃい」という男性の声、ですからね。おいおい、ヨガと一口に言っても、体質や既往症や、過去の怪我とか、人によって合うヨガ・合わないヨガは違うのだから、そんなに無理してアヌサラに引き入れようとするんじゃないよ。つい、突っ込みたくなります。




そう。耳障りは抜群にいいんです。「耳にも、心にも、Yes!しか入れない」タイプのヨガ、ってわけですね。いわゆる「お手軽スピ系」と一括りされるような、「あなたはあなたのままでいい」「いまここに注目するだけで全てが変わる」...といった「教え」と非常に近いものがあります。





だから、「癒しが欲しい~!」という人、
「旦那との別れ話がこじれまくって、毎日ヘトヘト。元気が欲しい~!」という人、
「厳しいこと、難しいこと、いらな~い。楽しくって気持ち良いヨガだけ欲しい~!」という人。




そういった人達には、まずウケるでしょうね。
(つまり、平均的なアメリカ人にはまずウケる、ってこと。)
こうした【Yesヨガ】がパッと目の前に出されて、拒否する人なんてそうそういないでしょ。
「気持ち良い」を却下して、わざわざ「しんどくて厳しくてつまんない」を選ぶ、なんてMな(マゾヒスティックな)人、ごく少数派...でしょう?




でも、「...それだけ?本当に、"Yes"だけでいいの?」という疑問は、どうしても拭い去れません。
本当はきちんと向き合わなければいけない、「暗い部分」「キツイ部分」「しんどい部分」に無理やり蓋をして、全てをポジティブであるかのように信じ込み、現実否認をしている...そういう胡散臭さ、感じませんか?



私は感じました。思いっきり。...以下、その4へと続きます。





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Last updated  2013.09.28 17:19:50
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