「Bambi。的成長日記」

「Bambi。的成長日記」

【アイツ。】




【アイツ。】

アタシはいつまで経っても成長してなくて

相変わらず悪い癖のようにどんな街に居ても、

居るハズのないホームでもいつもアイツの姿を探してた。



やっと、探す視線の先にアイツの姿を見つけた成人式。




何も変らないアイツを見つけた瞬間、周りが何も見えなくなった。

アタシはまっすぐにアイツの元へ歩いて

アイツはアタシを見つけて小さく微笑んだ。




離れていた時間を埋める言葉なんて必要はなくて

ただ、感情のままに相手を求めていた。


アイツは「成人式終わったら電話するカラ」

って周りに気づかれないように小さな声で囁いた。

2人で秘め事をしているかのように

アタシも小さな声で「待ってる。」って囁いた。



成人式が終わってスグ約束どおりに電話が来て迷うコトなく

2人は誘われた飲み会を全部キャンセルして2人っきりになれる場所へ急いだ。


離れた時間を埋めるように、

いつもより多くクチビルを重ねながらカラダを確かめ合った。



言葉なんて必要なかった。



いつまでも離れたくなくて朝なんて来なければいいと思った。

それでも朝はやってきて離れなきゃいけない現実で目覚めた。



新幹線の駅まで送ってくれたアイツは黙って

アタシにキスをして目を合わせずに車を出した。


アタシは車が見えなくなるまで

目が離せなくてバックミラーに写るアイツと見つめ合ってた。



何も言葉に出来なかったのは離れることが分かっていたから。

東京に戻ってきてアイツからの電話。

「お前、オトコ作るなよ。」初めて聞いたアイツの気持ち。




アイツはアタシが東京に戻ってからよく言葉にして気持ちを言うようになった。


恋愛恐怖症だったアタシはその気持ちが本当なのか

疑っていてアイツの言葉に戸惑ってばかりいた。



「俺、出張で東京行くコトになった。一緒に住もう。」



この言葉でアイツに必要とされている気がした。

束縛されるコトが嫌いなアイツが一緒に住もうって言ったコトは衝撃的だった。


結局、アイツの出張は延びて、東京に来るコトはなくなった。

アイツは残念そうに言った。

【このままお前の事束縛するのは嫌だから

 待っってろとは言わないけど、もし俺がそっち行った時

 お前にも俺にもまだ気持ちがあったら一緒に暮らそう。】


アタシは何故かすこしホッとして、何事もなかったかのように

いつもと変らない毎日に戻った。


もしも、この時一緒に暮らしていたら

どんな風になっていたんだろうって今でも思う。



【モドル】 【ススム】








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