ばみの乱読日記　と猫雑貨。

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ばみとんきー

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近頃の日本では、精神的に病んでいる若者が多くなったといわれている。結果として、事故にあったり事件に巻き込まれたりするケースも稀ではなくなった。例えば、東電OL事件で殺された女性は高校時代から拒食症だったという。また、宮崎勤事件では、多重人格説をとなえる専門家もいる。その他、アダルト・チルドレン、PTSD、境界性人格障害、ストーカー、アパシー、パニック障害など、現代日本に蔓延する若者の“心の病”を、ベテラン精神科医が豊富な臨床例を基に綴った問題の書。

以前に感想を書いた“依存症の女たち”のようなものかな、と思ったら
こちら著者が精神科医と専門家なためか
もっと 理論的 に、でもわかりやすく現代の心の病を紹介しています。
精神科の病気というものは他の病気と違って
検査ではっきりとわかるものではなく
ある程度のチェック項目に当てはまれば診断名がついてしまうため

その上マスコミなどでハンパな知識を参考にして“私も病気なのに違いない”
と不都合なことを病気のせいにしたい人が増加しているのではと思います。

たとえば アダルト・チルドレン 。
たとえば ＰＴＳＤ 。

著者も本の中で言っておりますが
“アダルト・チルドレンという言葉が広く世間に知れ渡るとあたかも
ＡＣ病としかいえないような　 現状の不満足な状態をすべて親のせい と、

そのため最近ではＡＣの背景をアルコール依存症の
親がいる家庭と限定してつかうようにしています。
どんな家庭においても子供たちは親から抑圧をかけられている
と感じるものであって、それをすべてＡＣ家族としてとらえると
子供たちはみな病気としてみなければならなくなりますから。“

まったくその通り！

もちろん程度にもよりますが。
その“程度”のさじ加減がわからなくなっていることが
問題の根源なのでしょうか？

またＰＴＳＤ。
阪神淡路大震災の後被災地の心のケアのために現地に入った医師を
待ち受けていたのは被災者よりも
ボランティアで集まった若者たちだったとか。
若者たちは“復興が進み仕事がなくなった”“助けに来たつもりなのに
被災者のほうがたくましい”などといって自信を失い
燃え尽きたようになっていたそうです。“
・・・とか。
戦争を経験した上の世代は災害に対して精神的に強かったが
若い世代は少しのことでうつ状態になってしまうの傾向にあるそうです。
その結果なにかあるたびにトラウマになるということのようです。
池田小事件では事件のあとＰＴＳＤを恐れて校舎全部を取り替えたそうですが
これも
強くすることになるのか？ と問題提起しておりますが
まったく　その通り！！

心を鍛えるにも小さなことから乗り越えていって
多少のショックにも耐えられるようになるのが普通ですよね？
何でもかんでも過保護にしてしまうこと
その鍛錬の機会が失われなにか起こったときにショックから立ち直れず
一生の傷になることこそ子供たちにとってはかわいそうなことだと思いますが。
可愛い子には旅をさせよ、じゃないですが可愛い子こそ
転んだときにすぐ手を貸して立ち上がらせるのではなく暖かく
自分で立ち上がるのを見守っていたいものです。

最近のニュースでも学校が絡んでなにかあった場合すぐに
カウンセラーを学校へ派遣して“大丈夫？”“傷ついていない？”なんて
大人が大騒ぎしますよね？
そうやって騒がれたらなんとも思ってなかった子供だって
なんとなく トラウマになっている気がしてくるだろうし
そう言えば親をはじめ大人は大騒ぎして壊れ物に触るように接してくれる。
これではわざわざ子供にＰＴＳＤという病気を教えて
作り出しているようなものです。
そのうち“そんな気がしていた”だけだったのが すっかり“その気” になって
本物の病気（原因は無いのにトラウマが残る！）になったら
どうするのでしょうね？
そしてなにか不都合なことがあるごとにあのときのＰＴＳＤのせいで
ワタシの人生狂わされた。すべて自分以外の人のせいなのに！と
人を恨んで人生過ごすことが本当に幸せなのでしょうか？

ここでは紹介でききれませんが
社会問題になった“コギャル”やその親たち、
また精神障害者の犯罪にかんしてなど大変興味深い内容です。
子育ての真っ最中の方や妊娠中の方にぜひぜひオススメの本です。

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