ばみの乱読日記　と猫雑貨。

屠られた者たちは、その刹那、眼前に何を見たのか。あの殺人鬼たちはどこへ消えたのか…。市民という仮面の下で、人間の業深き本性が嗤う。男と女の情痴殺人から、自壊していく家族の惨劇、どす黒い邪欲に溺れた鬼畜の凶行、さらに、ほくそ笑む凶徒の姿が見え隠れする未解決事件―。隣人が羅刹と化す恐怖、突然襲う不条理。「新潮45」誌上で大反響を呼んだ、傑作ノンフィクション集。

殺人者はそこにいる

以前感想を書いた 殺戮者は２度笑う と
同じルポシリーズで

西宮　森安９段刺殺事件
井の頭公園バラバラ殺人事件
京都主婦首なし殺人事件
柴又　上智大生殺人放火事件
熊本　お礼参り連続殺人事件
名古屋　臨月妊婦殺人事件
埼玉　富士銀行行員顧客殺人事件
札幌　両親強盗殺人事件
葛飾　社長一家無理心中事件
つくば　エリート医師母子殺人事件
札幌　社長令息誘拐殺人事件
世田谷　青学大生殺人事件
広島　タクシー運転手連続４人殺人事件

１３事件に関してのルポが編集されています。

札幌の１９歳の長女がホストと一緒に両親を殺した
記憶に新しい事件などもふくまれています。

この事件に関しては逮捕後２人の話が食い違い
お互いに罪を擦り付けている そうですが
どうしてお金のために両親を殺すようなことをしたのか
内容が浅く。もっと掘り下げたルポにしてほしかったなと思います。

あと、社長一家無理心中事件の妻と娘を殺した後
自分の自殺までテープに吹き込んだものをベースに書かれたルポ
が印象的。

無理心中・・
とっても日本的な発想だと思いますが
にっちもさっちもいかなくなったとしても自分ひとりでケリをつければいいものを
家族を自分の手にかけるなんていうのは
自分勝手なことだと思います。

後に残すのが不憫で、なんて
不憫かどうかは（死んだほうが良いかどうかは）
本人たちが決めること。

まぁ、それはおいておいても
この実況テープ、自殺に1回失敗しているんですよね。
失敗した後錯乱しながらこれまた実況報告をしている。
いったい何にたいして報告しているのか。
もしかして例えテープレコーダーが相手でも報告することで
自分の行動を客観的に見ようとしていたのか？

結局日を改めて2回目で成功（？）するわけですが
このテープを実際に聞いた人によると
この”時”テープの背景に ごぉっ という風の音が入っているそうです。
あの世から吹く風か？なんて書かれていましたが
そうかもしれませんね。

ぞっとする話です。