おとぼけ香港生活から脱皮

おとぼけ香港生活から脱皮

bebe母香港最終日前夜



昨晩の茶楼とはまた別の茶楼に行き、定番のポウレイ(=広東読み=プアール茶)を頼んだ。
お茶碗の洗い方からお茶を注いでもらったら、指をテーブルにコツコツ
叩くことも一通り教えておいた。

こんなただっ広い茶楼を目にする母はやはりカメラを出し、収めることとなった。

母の湯飲みにお茶が無くなったので注いでみる。
「ああ、ありがとう」と手を添える。

違うでしょっ!指をこうやるんだよ!

と突っ込むと、「ああ、そうか」とにんまりする。

この作業が母の笑いのツボに嵌ったらしく、お茶を注ぐ度に
母は指をコツコツをやりながら笑っているのだ・・・・


ま、そんなことは良しとして、豊チャンは母に金のネックレスをプレゼント
してくれると言う。
なので、私達は香港で一番信用のある「周生生」へと向かった。

香港の装飾品は殆どが手作りある。金のレートの他に手工料が付く。
負けてもらうのはこの手工料しかできない。
だが、選んだ人は判ると思うのだが、香港には中々これと言った
デザインが見つからない。 私も豊チャンに何個か金を買ってもらったが、
デザインを選ぶのに相当時間がかかる。
なので、いつも妥協で選んでしまうのだ。

店を出て、私達はチム(九龍半島の先端)まで歩いていき、
フェリーを乗り継いで香港島へ渡った。
何処へ行ったか忘れてしまったが、6時頃豊と待ち合わせをして、
母を連れてビクトリアピークに行ったのである。

ピークのトラム電車駅に行くまでの、わずかな距離しかないのだが
屋根なし2階建てバスに乗った。

途中坂を右に切りながら下る所があるのだが、私はいつもこのバスに乗ると
この瞬間がジェットコースターに乗っている感覚に陥る。←(他に誰かいませんか?)

どこかのツアーに申し込むとこの2階建てバスに乗ってネイザン道を
走ってくれるらしいのだが・・・
まあ、少々の時間ではあるが、乗ることが出来たのでよしとしよう。

約束の時間通りに私達は下りてきた。そして、今度は晩御飯の時間だ。
今日はテンプルストリートの屋台にした。

なのでまたフェリーに乗ってヤウマウテイに行かねばならない。
フェリーから降りて、2階建てバスに乗った。
母が香港に来て、初2階建てバスだ。昼間に乗った屋根なしとは
また違うものがある。

香港では2階建てバスの2階の最前列は、事故に遭うときには一番危ない
席なのだが、私達はそこを占領した。
ネイザン道をちょっと走るだけなのだが、母には堪らなく興奮する
乗り物らしい。

丁度、帰宅ラッシュ時とあって、道は混んでいた。前には同じように
2階建てバスが走っている。

バスが停車する時の、この前車にぶつかるかぶつからないかの微妙な
隙間が遊園地の乗り物に乗ってるくらいのスリルさだ。

母はバスが停車する度に、前のバスにぶつかりそうなそのスリルに
雄たけびをあげていた・・・・


話は少し逸れるが、母の遊園地でのこんなエピソードがある。

母は遊園地の乗り物が大の苦手であるのだが、一度、親戚に連れられて
行ったことがある。母はどれにも乗ることなく、私達の後を付いていた。
敢えて乗れるといえば、観覧車と汽車ポッポくらいである。

そんな所に赤ちゃんを連れた家族がおもしろびっくり箱へと入って行った。
赤ちゃんも入れるくらいなんだから、母でも大丈夫だろうと一緒に
入ったのだが・・・・

中に入ると部屋の中にブランコがあり、そこへ私達は向かい合わせに
腰掛けた。
放送でこれからスタートすると言う。

スタートし始めると同時に部屋の壁がグルグル廻りだした。

すると、どうだろう。
母は中腰になり、両隣に座っていた従姉妹に両腕を伸ばしてガードをし、
この回転してるこの乗り物から落ちないように一人、けたたましい雄たけびを上げている。

「危ない! 危ない! 危ないぃぃぃぃ~~~~~!!!

その横で従姉妹達はきょとんとしている。

そうである。この乗り物はただ、壁だけが回転してるのであって実際、
自分達が廻っているのではない。何も危なくもないのだ。

この中の状況はスピーカーとなって外に流れている。
青ざめて出てきた母に、おじさんは「ねーやんの声が一番大きかった」
と伝えていた。

これ以前にも、以後にも、もう観覧車しか乗ることができないだろう。



話を戻すが、ここの屋台は豊チャンとタイ料理屋があってよく来るのだが、
いつしか来客の接待コースになってしまった。そして、いつもと変わらず
同じようにタイ料理と隣の店にオーダーした。

日本にいる時に母を連れてタイ料理を食べに行った事があるので、
タイ料理に抵抗はない。
しかし、シーフードサラダが今まで以上にとてつもない辛さであった為、
涙を出しながらむせ返した。

楽しい食事を済ませた後、テンプルストリートを歩きながら、明日の
帰国に備えてMTRでホテルへ戻った。

最後の晩とあって、今日は泡のバスタブにした。
用意が出来たので母に入るように促した。するとどうだろう、

なんと、泡のお風呂に入った写真を撮ってくれというではないかっ!!

昼間買ってもらった金のネックレスを着けて、写真を撮ってくれと言う。

ま、本人の希望なので仕方なしに、私はこんなに壊れた母を写真に収めることにした。


次の早朝には母は帰って行ったが、今回、あらゆるものを体験させることが
出来て、我ながら満足だった。チンチン電車にも乗ったし、2階建てバスで
母の雄たけびを聞くことも出来た。
私の香港の暮らしぶりも見せることも出来たし、本当によかったと
思っている。

ただ、一つ心残りなのは、足裏マッサージが出来なかったことだ。
だか、連日ずっと歩いていた私達の足は豆が出来てしまったので
当然、できないのではあるが・・・
今度、来た時には絶対連れて行こうと思う。

ところで、あのお風呂のヌード写真は←(泡の中なので写ってはいませんが)
どうしたかと聞くと、しっかりとアルバムに挟んで皆に見せたそうである・・・


*セキュリティーボックスはこの晩にホテルのマネージャーらしき人が
来て開けれるようにしてくれました。が、思いっきり注意を受けてしまいました。
皆さんも使用前はちゃんと説明書読むようにしましょうね。

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