おとぼけ香港生活から脱皮

おとぼけ香港生活から脱皮

「ここだけの話ですが~税関で~」


ビーグル犬が導入された。

ビーグル犬が導入されたってことは
日本への持込禁止なのにも関わらず、
無申告で密入してしまう輩が後を絶たない、と言う訳で
ビーグル犬が導入されちゃったってことなのだが
ここだけの話、私も持ち込みしたことがある。(爆)←(何を隠そうこの「爆」は照れ隠しの爆なのだ)
そう、そのフトドキ者の「輩」に部類されるのである。


数年前、日本へ帰国しようとする私の元へ
FAXが届いた。
それは日本からのリクエストリストで
そのリストの中に
なんと高級中国食材としてかの有名な
『金華ハム』が記されていたのだ。


kinka1-3.gif


まさか、こんなでかい豚の足一本を
「鉞担いだ金太郎~♪」のように
担いでいけるわけはなく、
10cmほどのブロックに切られた
真空パックされてる金華火腿(ハム)を
黒のビニール袋で包み、
漬物を漬ける実家の母の為に買った
大量の味の素や中国ならではの調味料で隠すように
細心の注意を払い、
万が一、税関でスーツケースを広げても
なるべく見られないようにと
スーツケースの一番底に
入れておいた。


日本に着き、税関を通過しなくちゃいけないのだが、
万全な体制で臨む、小心者の私は
ガラガラの税関を一通り見回した。

なぜ、見回したかと言うと
気合の入っている若造税関員は
荷物の中身を確認する確立が高いからと睨んでいるからだ。
そして、そう睨んでいる私は
女の子には優しそうな、
それでいて日々の仕事に疲れて適当な仕事をしそうな
中年のおっちゃんの税関員に目が止まった。

意を決した私は
ポーカーフェイスを作り上げ
おっちゃんの立っているカウンターに足を向けた。


税「どこからですか?」

私「香港からです。帰省です♪」


やはり、私の睨むとおり、おっちゃんはニコニコ顔だ。


税「荷物は何入ってるのかな?」

私「お土産とか服ですね」

税「どんなお土産かな?」

私「ええとぉ・・」


と、まるで幼稚園児扱いのおっちゃんだが
このまま行けばクリアしそうだった。


私「ええとぉ・・・、中国の調味料とかぁ、味の素ですね」


その言葉におっちゃんの眉は動いた。

どうも、味の素の 白い粉 に反応しちゃったようなのだ。


税「おっ!ちょっと見せてもらえるかなぁ?」←(依然、笑顔だ)

私「(げげーー、味の素って言うんじゃなかった!!)あ、いいですよ~♪」



と、スーツケースをカウンターの上に置き
錠をといてスーツケースのチャックを
自ら開けた。



つづく・・

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