K/Night

K/Night

音・空の涙・トンネル


音が聞こえた
しかし此処には何もいない

音が聞こえた
しかし此処にはそれを出すモノは何もない

音が聞こえた
しかし此処には在るべきでは無い音

それは人間の声

とうに消え去った筈の
人間のそれ

恨みか妬みか
さては羨みか

音は存在を誇張するかのように
大きくはなり
小さくはなりを繰り返す
誰も何も
聞くモノはいないのに

音が聞こえた
それは哀れな声の
悲鳴だった

【空の涙】
パラパラと
降り行くモノは
空の涙
その中に
溶けていくは
僕の涙

誰かを愛し
誰かに愛された
けれどそれは
あっけなく終ってしまった

誰かは此処から去って
僕は
たった1人
此処に取り残された

空から降る
涙が頬をつたり
僕のそれを隠す

どうか
どうか
今だけ
僕を
君の涙で隠して下さい
まだ
まだ
全てがふっ切れたわけじゃないけれど
明日には
きっと
きっと
笑っていられるように
笑えるようにするから

どうか今だけ

パラパラと
降り行くモノは
僕の涙を隠す

それは空の涙

【トンネル】
先の見えない
真暗な道
たった1人
歩き続ける

如何すれば良い?
如何したら良い?
真暗な道は
真暗なままで
真暗な心を映している

誰かいますか?
何かありませんか?
此処は何処で
如何すれば
出られるのですか?

誰も答えない

先の見えない
真暗な道を
唯々
歩き続ける

それに
終りを告げたのは
小さく
仄かに
見える光り

それは
決して
出口ではなかった

それは
もう1人の自分への
入り口

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