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2006.12.10
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カテゴリ: 森博嗣

好戦的な僕の右手が、機銃のロックを外していた。
『撃っても良いかい?』と聞いてくる。
撃っても良いよ。右手が撃つ。


戦闘気乗りであり、前線基地のエースパイロットである。




人を撃ち殺した右手で、
ハンバーガーを食べ、ボウリングをやる。
好戦的な分けでもないが、人間の生き死にに執着は無い。
いつだって人を殺す。
いつか誰かの右手に撃たれるときまで。




一巻を読んだだけじゃあ、全体を掴む事は出来ないが、
カンナミのような‘キルドレ’は、

ついでに言えば歳をとらない永遠の子供。
そういう風に、生まれてきた。
あるいは、そう生きることを強いられた、と言っても良いだろう。




冒頭句の痛烈な大人批判がイカしている。



戦争を知らない大人たちへ捧げよう。
彼らの過ちは三つある。
子供たちは自分たちから生まれたと信じている。
子供たちより多くを知っていると思い込んでいる。
子供たちがいずれ自分たちと同じものになると願っている。
その妄想の馬鹿馬鹿しさといったら、
戦争よりも悲惨なのだから・
・・と。




S&Mシリーズでは真賀田博士が言っている。
人間は生まれた瞬間が一番賢くて、
成長するにつれて馬鹿になると。
大人と子供の境界線はよく分からないが、
彼ら戦闘気乗りは、キルドレは永遠に子供だ。
カンナミの右手を批判する大人は想像しない。

花火大会と爆撃がほぼ同じ物理現象だということを。




戦争は嫌いだし、軍人も好きじゃない。
でもそういった意識は、
安全圏にいると思い込んでいる大人たちには、
無関係でいると思い込んでいる人間たちには





・・・まぁ、ともあれ、
この物語で尤も主軸となってくる登場人物は、
やはりカンナミの前任者であったクリタ・ジンロウだろう。
他にも草薙瑞穂や敵の黒猫なんかも気になるのだが、
それはこの際おいておこう。
一巻ではよく分からないと言うのが正直なところ。
4巻まであるらしいので是非、読んでおきたい。




カンナミは感情と言うものが常人と異なるようで、
楽しい、嬉しい、悲しい、寂しい・・・
知ってはいても周囲の人間とズレがあるように思う。
お葬式で悲しくて泣く場面だな、と思って泣くのと。
泣かずに無表情でいるのと、
一体どちらが健全なのだろうか。




私だってコレまでの人生で、
悲しくも嬉しくもないようなときに、
周囲にあわせて見せた事は、少なからず、ある。
そんな時にふと思うのだ。
私が異端なのだろうか?
それとも何人かはやっぱり周囲に合わせていたりするのだろうか?




場の空気にあわせると言うのは実に大人な対応だろうと想像する。
感情なんて人それぞれ、むしろ全員が同じ感覚を持っているほうが
キモチワルイとさえ思う。
カンナミは周囲に合わせることを自然に強要されてきたし、
あるいは他人と違うことがわかって異端視されてきた子供のようだ。
まぁ、そうでなくても歳をとらないという時点で避けられるだろうけど。
ともあれキルドレという存在、実に興味深い。






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Last updated  2006.12.10 21:56:55
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