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ウエスティ Benの部屋
12月27日(火)
朝食後7時半頃にナイル川西岸の観光に出発。
ナイル川西岸は日が沈む方向にあることから、死んでから行く国がある所であり、古代エジプト時代は墓地として利用され死者の都(ネクロポリス)と呼ばれた。
まず向かったのは「王家の谷」。朝早いせいか、かなり肌寒い。
途中でツタンカーメンの墳墓の発見者であるイギリス人ハワード・カーター氏が発掘中に滞在したカーター・ハウス(近いうちに博物館として公開されるらしい)と、早稲田大学の吉村作治先生が滞在さる通称「早稲田ハウス」が見えた。
王家の谷で現在発見されている墓は62あり、そのうちのいくつかが公開されている。
やはりツタンカーメンの墓が一番有名だろうか。
ここは新王国時代に岩を掘って作られた岩窟墓で階段を下りていくと前室、玄室、宝物殿などがある。
「王家の谷」入場チケットでツタンカーメンの墓以外の3つの墓に入場できる。私が入場したのは、ラムセス4世、ラムセス9世、ツタンカーメン(別チケットが必要)、ラムセス3世の墓の4つ。
だいたい作りは似ていて、下降通路から美しいレリーフが施され、保存状態が良いと色まで残っている。古代エジプトの神々の絵が描かれ、王が神々に様々な捧げ物をしているパターンが多い。
ツタンカーメンの墓はやや小ぶりで、王のミイラは玄室に安置されている。
これはツタンカーメンの墓が発見された時の写真。アヌビス神に守られていた。
エジプト政府としては、既に発見されている墓や遺跡の保存・修復に力を入れたいそうだが、資金が不足しがちで、協力を仰がざるを得ないが、協力を申し出る国・団体・個人は修復・保存よりも新たな遺跡・墓の発見が目的のようだと言う。
何かの形で自分の名を残したいのはピラミッドや神殿を築いた王も現代人も同じようだ。
続いてハトシェプスト女王葬祭殿。
入り口からタフタフと言う電気自動車に乗って神殿に向かう。
夫の死後自ら王となって君臨したハトシェプスト女王だが、義理の息子のトトメス3世とはあまり良い関係を築けなかったようで、死後この神殿から彼女の像がはずされ破壊される、という憂き目にあった。
内部の壁面には美しい色彩のレリーフが残っている。
様々な神様、そして神nに王が捧げ物をする場面を題材にしたものが多い。
ホルス神に捧げ物をするトトメス3世。
97年に観光客が無差別銃撃テロの犠牲になったのはここらしい。とても残念な歴史が加わってしまった。
午前中最後の観光はメムノンの巨像(アメンホテップ3世座像)。
クルーズ船の出航が12時だというので間に合うようにわざわざ対岸からモーターボートで戻ったのに、船は定刻になると燃料補給に出かけてしまい、出航時間が遅れた。
さすが、エジプト。
その後小一時間遅れて出航。
ナイル川沿いの移り変わる景色を楽しみながら昼食。
その後、連日の朝早くからの観光の疲れがどっと出て、2~3時間ほどキャビンでお昼寝。本格的に寝てしまった。
そのうち、外に人の声が聞こえて目が覚めた。
外はナイル川のはず、何故?と思ってカーテンを開けると小船に乗った物売りがクルーズ船の周りに何隻も来ている。
いつのまにかクルーズ船はエスナに到着し停泊していたようだ。
船長主催のウェルカムカクテルの後、夕食をすませてサンデッキに出ると盛んに物売りの「Lady!」と言う掛け声がかかる。
サンデッキ、と言っても実質的には3階建ての建物の屋上にあたる。
物売りは水面=地上にいるので一体どうやって物を見せたり、お金を払うのか。
すると、物売りがビニール袋に入れた「商品」をサンデッキの客めがけて放り投げてきた。
これがまさに
百発百中
で届くのが凄い。
よくもまぁ、あんな不安定な手漕ぎボートから正確に物を投げてよこすものだ。
逆にデッキの上の客が避けたりすると、プールに着水したりしてしまう。
この写真は翌朝改めて撮ったもの。
どうやらガラベーヤやスカーフなど主に布製品を売っているようだ。
「商品」の色や柄が気に入れば値段の交渉に入る。
まず、物売りが「○○LE(エジプシャン・ポンド)またはUS$」とか言うので、それを半分くらいに値切る。
すると、「OK」と言って、半額にするのかと思うと「では△△LE」とさっきの値段をちょっと下げる。
それで気に入らなければ更に交渉が続く。
品物を持ち逃げしたりすると、クルーザーの中まで追いかけてくるらしい。
値段交渉が成立すると、さらに商品入りの袋を投げてよこすので、その中にお金を入れて投げ返して売買成立と相成る。
これがなかなか楽しいのだ。
私が買ったのは「カーペット」と呼ばれていたが、寒い時には頭から肩までこれでグルグル巻きにしたりするしっかりしたウールの両面織りの織物。US$12.5でゲット。
ショッピングを満喫した後は夜景を楽しんだ。星がとても綺麗に見える。
エスナの水門を通るのを待っているクルーザーはカイロ側だけでもかなりの数がいて、私達のクルーザーは到着した時点で37番目だという。
水門を通る時は、上りと下り1隻ずつ水門の中に入って、水位を調節する。
それに最低30分はかかるらしい。
私達のクルーザーは明日朝9時半位に水門の中に入る予定らしい。
もし繰り上がった場合には、部屋に電話して教えてもらう事にして、ベッドに入った。
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