地球人スピリット・ジャーナル1.0

地球人スピリット・ジャーナル1.0

2007.05.07
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カテゴリ: アガルタ

地球人スピリット・ジャーナル 2.0 につづく



「インド・アメリカ思索行」 近代合理主義克服の道 立川武蔵 1978/10 山と渓谷社

 連休に、我が家の積ん読本の整理をしていて、この本を再発見した。どうやら古本書店で1990年代初頭に買い込んでそのままになってしまっていたらしい。立川武蔵の本は、チベット本を検索していくと、ちらほら出てくる。このブログでも何冊か読んだが、必ずしも納得感があったわけではない。なぜだろう、という疑問は、この本を読んでようやく理解できたところがある。以前読んだ
「マンダラ瞑想法」 に、私はこのように書いていた。

この辺の「鈍感さ」は、著者がインド・プーナ市のバンダルカル研究所を訪れていながらp148、Oshoに触れていないところにも現れているように思うのだが、どうだろう。

 実に不思議に思っていたのだが、著者はこの「アメリカ・インド思索行」において、かなりのページで1977年当時のプーナのOshoアシュラムをレポートしていたのである。私も、この貴重(?)なレポートを保存したいがために、この本を買っていたのであろう。

 まず270ページのこの本の中で、丁度半分の前半のページを使って、1975年のアメリカ・イタリアをレポートしている。1967年から1970年までアメリカに滞在したことのある著者にとっては二回目のアメリカだった。当時の大学風景やカウンター・カルチャーを日本からの旅人の目で見ている。当時のアメリカの風景を感じ取れて面白い。

1970年の夏、ハーバード大学付属のフォッグ美術館集会室で、50名余りの学生に向かって一人のチベット僧が講演していた。「僧」とはいっても、普通のズボンにスポーツシャツという格好で、義足という点を除けばボストンの町ではどこでも見かけられるような一東洋人であった。その講演は瞑想における意識状態に関するものであったが、話す直前、10分間ほど、彼は聴衆の前で瞑想していた。
 それから5年経った今、わたしはあのチベット人がこの数年間に、アメリカにおいて大規模な運動を展開してきたことを知った。彼の名はチョギャム・トゥンパといい、チベット仏教の宗派の中でももっとも古いニンマ派、およびニンマ派と関係が深いカギュ派の伝統をうけた「活仏(トウルク)」である。
p77

 これから30年経過した現在では、たくさんの
チベット関連の著書 がある立川だが、当時では、せいぜいこの程度の認識だったのである。「チベット仏教の宗派の中でも最も古いニンマ派」などという表現は、現在では書かないだろう。「古派」ではあるが、「もっとも古いわけ」ではない。

「反文化」はこの数年で確実に成長した。以前には、「ヒッピーの思想」として、いささか軽んじられていたこれらの運動に、今は博士課程の学生が積極的に参加している。また、「反文化」が博士論文の対象となるケースも多くなっている。7.8年前にはどこかおどおどしていたハリ・クリシュナ協会のメンバーたちも胸を張り、途方もなく大きなオーディオ装置の前で歌っている。数年前までは「反文化」関係の出版物は、特殊な本屋か、あるいは特別コーナーに収められていたのに対し、今は哲学あるいは宗教コーナーに、プラトンやカントと並べられて売られている。 p80

 1975年当時、1942年生まれの著者は33歳。アメリカ留学のチャンスを得ることができる日本人研究者は当時においても多くなかった。それにしても、青年・立川武蔵の感性に、どこか、冷めたピザのような、魅力のなさを感じる。一緒にいたら、お行儀はいいのだけど、どこかドン臭い奴、と私なら決め付けていたかも知れない。

 この本の後半では、インドがレポートされる。インドの中でも、著者が留学してサンスクリット語を習ったプーナ大学のあったプーナ市の街角や文化状況についてである。そして二年後の1977年夏、再びプーナに行っている。そこで、インドを見、インドに旅してくる欧米人たちを目にする。

アメリカのヒッピーに代表される青年たちは、何を求めてインドに来るのだろうか。アメリカ人ばかりではない。日本からも数多くの人間がインドに来ている。かれらはインドに豊かな自然を求めてくるのだろうか。そうではあるまい。なぜならば、インドの自然は日本に住むもの、あるいはニューイングランドやカリフォルニアに住むものが”豊か”と思うようなものではないからだ。 p186

インドに豊かな自然を求めて来るのでないとすれば、それでは貧しい自然を求めてアメリカ人、そして日本人はやってくるのだろうか。貧しい、従って人間にとっては苛酷な自然を見にやって来るのだろうか。インドの自然は確かにスケールが大きい。その大きな自然の中で人間が苦しんでいる。その中に自分も生活してみたいと思うのならば、性の悪いマゾヒズムではないか。そのような貧しい自然の中に生きている人は、人間の原点あるいは限界をみせてくれているなどと思ってインドに来るならば、それ以上の非人間的な態度はあるまい。 p190

 ふう、転記しているだけでも、このような文書には、目を通すにも限界がある。この視点は、まさにこの著者の視点であって、当時インドを旅していた人々は、勿論、こんなへんてこな「マゾヒズム」などには陥っていない。

インドやチベットに興味をもつアメリカ人の学生のほとんどが、インドの宗教に興味を持っていた。現在のアメリカのいわゆる反文化を支えている学生グループのほとんどが宗教的な集団だった。アメリカや日本の若者が求めているのは、やはりインドの「自然」ではなく、文化、とくに宗教なのだ。 p191

 はぁ、分かりきった結論に達するのに、これだけページを費やしている。

一月に日本を出発して以来、ほぼ七ヶ月の旅が終わろうとしている。アメリカの学生たちがなぜインドの宗教にあんなに興味を示すのかという問いは、まだ答えを見つけていない。そして、われわれ自身がインドから何を学ぶべきかについても、わたしは答えを見つけることはできないでいる。
 近い将来インドににまた来たいと思う。また来て、それらのことを考え直したいと思う。
p193

後半につづく





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Last updated  2010.05.21 11:23:40
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