地球人スピリット・ジャーナル1.0

地球人スピリット・ジャーナル1.0

2007.11.14
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「Google vsセカンドライフ」 3Dウェブ仮想社会の覇権争い
山崎秀夫 2007/10 アスキー 新書 190p
No.887 ★★★★☆

メタバースと呼ばれる仮想社会サービスの隆盛を前にして、今、米国では本質が議論されています。この議論は「極楽浄土派」(Immersionist)と「娑婆世界派」(Augmentationist)に分類されています。
  「極楽浄土派」とは、ネットコミュニティを現実世界をまったく別なものにして、羽根が生えたようなアバターを使うことです。セカンドライフは現実と異なる「仮想社会」ということです。(中略)
 一方、「娑婆世界派」は、ネットコミュニティを「現実を補完する単なる手段」と見做します。SNSで支配的であった「実名原理主義」の主張は、これに相当します。
p7

 あえて言うなら、このブログでは「レムリア」カテゴリが「極楽浄土」で「マーケットプレイス」カテゴリが「娑婆世界」ということになる。3D仮想バーチャル空間においては、とにかく一度、どこまでいくか自由に極楽浄土を作ってみるのもいいだろう、と思う。だけど、いつかは飽きるし、一部のマニアのカルトにとどまってしまうだろうと直観する。

 なら、娑婆世界として、現実世界の延長として使えばいい、となると、これもまたつまらんということになるだろう。せっかくに創造性が、せっかくの3D世界が、そんなことに使われるのでは、協力はしません、という人々が必ず登場してくるはずだ。

 私は、昔ある時期、某SNSの中に1000の友達をもっていた。しかも異性だけ。しかも自己紹介の写真を顔出ししている人だけに限ってみた。そして、1000のコミュニティにも参加してみた。そして、その時の私自身の自己紹介は「極楽浄土派」で、虚構の塊。この極楽浄土で私は、数個のコミュニティの管理人もやっていたのだが、とくに私に違和感を察しされることもなく、なんなくその仮想コミュニケーションを楽しんだのだった。

 しかし、それはあくまで実験的なもの。1000人の友達と1000個のコミュティ参加ができる、ということは瞬間的に証明はできたけど、現実社会の私は、そのSNSに参加していても、楽しくなくなってきたので、その実験は数週間で終了した。

 で、ある時は、閉鎖的な有料SNSに実際にお互いの顔もライフスタイルも知っている知人達10数人を誘って、たこ部屋的なSNSもなんどか運営してみたことがある。これもまた濃密なコミュニケーションができるので、実務的には非常に有効なのだが、こちらも、すぐ疲れがでてくる。人間、それほどの濃密な関係ばかりじゃ、いやになっちゃうんだよね。

 結論として言えることは、今後展開される3D仮想バーチャル空間は、「極楽浄土」と「娑婆世界」の間にある、両方の要素をいくらかづつもっている空間ということになるのではないだろうか。折衷案みたいなことで申し訳ないが、そういうことになる。このブログのカテゴリでいえば「アガルタ」ということになる。

 楽天ブログでもYahooオークションでも、ニックネームや年令あるいは性別だって、時としてはアバウトにしておくことができる。あるいは仮想であることもできる。だからこそ楽しめる部分もあるだろうが、実際にアフェリエイトが発生したり、出品物を落札した場合には、リアルな住所や連絡方法が求められる。濃度でいうと、まったく仮想である部分と、現実の部分がグランデーション的に切り替わっていく。そのようなものになるだろう。

セカンドライフでは、非常に積極派と15%と消極派の85%の間で、明らかに格差社会ができています。
 DIYに積極的なユーザーは15%で、そのユーザーたちがメタバースの中で住居を持ち、商店街を作り、物(オブジェクト)を作って売買しています。
 そして、一部の企業がメタバース内で、商店街と集客装置の役割をもつテーマパークを作っています。
 課題となるのは、残りの85%のユーザーです。この「あまりに積極的ではない」人たちを、いかにしてセカンドライフに参加させるかということです。
p113

 著者はリピーター率を一部の成功したMixiなどのSNSと比較しているが、それはアンフェアだろうと思う。成功していないSNSのリピーター率などひどいものである。いちいち名前は挙げないが、ひとつだけ上げるとすれば、例えばこの楽天ブログと連動している楽天リンクスなんて、どうですかなぁ・・? まぁ、すくなくとも私の見るところ、惨憺たるものではないだろうか。

 どこの会議でも、どのSNSでもMLでも、かならずROMや幽霊会員は発生する。しかたないことなのだ。もちろんボトムアップははからなくてはならないが、仕組みづくりとしては、深くコミットした人は、より以上に見返りがあるシステムを構築するしかないはずだ。コミットメント力のない人は、見返りが少ないので、自然に淘汰されていく。それでいいような気もするのだが。

 Googleが仮想空間に進出し、セカンドライフがオープンソース化して、3D空間が人間社会と共存していくようになるとしたら、より標準化されてくることは間違いない。私の関係する行政も一部上場企業もすでにセカンドライフに参加している。もちろん、日経新聞あたりに煽られて、単に参入したというニュースが流れるだけでも元を取った、というようなアナウンス効果を狙っている嫌いもあるが、なにはともあれ、積極的な模索は続いている。

セカンドライフの取り引きやモラルに関する法律問題が、現実社会で本格浮上するための条件は、次の4つです。
1)セカンドライフなどのゲームサービス全体の規模の巨大化
2)グーグルの参入による3Dインターネットの普及
3)アバターやメタバースの標準化の進展
4)電子マネー論議の進展
 p152

 いみじくも 「ウェブ仮想社会『セカンドライフ』」 という本の中で、セカンドライフに参加するには、「英語力」「財務力」「ITスキル」そして「創造力」が必要、ということが 書いてあった。4)電子マネー論議は「財務力」問題と関連してくるだろう。あとは、3)のアバターの標準化というのはコミュニケーションのもんだいだから「英語力」に通じるところがある。1)全体の規模拡大とは、つまり一人一人がDIY化していくのが一番いいわけだから「ITスキル」や「創造力」問題に連動する。あるいは、2)のグーグル参入もそれを企業として行うということを意味するのだろう。

 個人でアバターを作って「極楽浄土」を楽しもうとする流れと、企業が建物をたてて「娑婆世界」のシステムの延長を持ち込もうとするせめぎあいがあり、どちらから参入するかで表現はちょっと異なるが、今問題になっていることはそれほど違ってはいない。

 このブログでは、マーケットプレイス(娑婆世界)とレムリア(極楽浄土)の間にアガルタを置いている。それに対応する仏教用語はまだ見つけていないが、敢えていうなら仏国土(ブッタフィールド)とでもしておこうか。この身このまま悟りを得る世界。

 いつか未来にやってくるだろう 千年王国論 (決してやってこないのだが)を夢想したり、かならずや知られざる国にあるだろう ユートピア (どのようにいくのかついぞ分らない)へと逃避するよりも、セカンドライフが今切り開こうとしている仏国土(といっていいかどうか・・・)の動向をにらみながら、個人も企業も、そろりそろりと参加してみるのもいいのではないかな。

 ただ、野村総研研究員である、この本の著者のようにように、あまりにビジネスライクばかりでその世界にちかづくと、 ダース・ベーダー のようにフォースの「ダークサイド」に落ちるから、ご用心。






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Last updated  2009.02.05 13:27:15
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