「マイルス・デイヴィスとは誰か」
「ジャズの帝王」を巡る21人
小川隆夫 /平野啓一郎 2007/09 平凡社 新書 235p
No.912 ★★★★★
「ビ ッチェズ・ブリュー」 を聞きながら、この本を読んでいる。なんとかの一つ覚えよろしく、 「アガルタ」 つながりでマイルス・デイヴィスまできたところで、この本に出会った。マイルスとのつながりのある、他のミュージッシャン達とのエピソードを交えながら、マイルスその人の人間と業績を浮き上がらせていく。まず一人目はチャーリー・パーカー。
40年になって、パーカーはカンザスシティに一度戻っている。そしてジェイ・マクシャンの楽団で再びニューヨークに進出し、42年1月からハーレムで評判の高い「サヴォィ・ボールルーム」で演奏するようになった。このときの模様はラジオで全国に実況中継されている。そして<チェロキー>の驚くべき演奏が、その放送を聴いた多くのファンとジャズ・ミュージシャンの心を捉えた。 p12
<チェロキー>といきなり来たのでびっくり。なるほどこちらからのつながりもあったか。この本は整形外科医にしてジャズ・ジャーナリスト小川隆夫と作家・平野啓一郎の共著である。平野は、梅田望夫との対談集 「ウェブ人間論」 の中で、 SF映画 のことに触れていた。そのことがなんだか気になって、結局あれから一年経ってみれば私もすこしはSFをかじり始めているのだった。今度は、この本において、マイルスを初めとして、ジャズの手ほどきをしてくれるのだろうか。
サ ンタナにとって69年が飛躍の年だったように、マイルスにとってもこの年は一大転機を迎える年になった。「ビィチェズ・ブリュー」(ソニー)の録音である。この作品で、彼はロック・ファンの音楽観に変革をもたらし、ロック系のミュージシャンにも強い影響をおよぼすようになる。(マイルスへのオマージュ) p129
何はともあれ、それぞれのミュージシャンつながりでアルバムの紹介などがあるので、その20人のリストをピックアップしておく。
1)チャーリー・パーカー-----最初にして最大の”師”
「チャーリー・パーカー・オン・サヴォイ~マスター・テイクス」
「マイルス・ディヴィス・アンド・ホーンズ」
2)ディジー・ガレスピー-----目標としたトランペッター
「ザ・チャンプ」
「クールの誕生」
3)ソニー・ロリンズ-----グループに入れそこなったテナー奏者
「サキソフォン・コロッサス」
「バグス・グルーヴ」
4)ジョン・コルトレーン-----過剰なる”ビバップの亡霊”
「至上の愛」
「カインド・オブ・ブルー」
5)シュガー・レイ・ロビンソン-----パーカーに替わる兄貴分
「バグス・グルーヴ」
6)テオ・マセロ-----マイルスのテープにはさみをいれた男
「スケッチ・オブ・スペイン」
「イン・ア・サイレント・ウェイ」
7)ビル・エヴァンス-----クラシックとモード・ジャズの関係
「ポートレイト・イン・ジャズ」
「1958マイルス」
8)ハービー・ハンコック-----”黄金のクインテット”の弁証法
「ヘッド・ハンターズ」
「マイルス・スマイルズ」
9)トニー・ウィリアムズ-----リズムという名の魔物
「ライブ・アンダー・ザ・スカイ’79」
「セヴン・ステップス・トゥ・へヴン」
10)ウェイン・ショーター-----こいつがいればオレは何もいらない
「ウェザー・リポート」
「ネフェルティティ」
11)ジミ・ヘンドリックス-----ロック/ギター/黒人
「バンド・オブ・ジプシーズ」
「バンゲア」
12)キース・ジャレット-----もう一度共演したかったピアニスト
「サムホエア・ビフォア」
「アット・フィルモア」
13)ジョン・マクラフリン-----ロックのアクセス・ポイント
「内に秘めた炎」
「ジャック・ジョンソン」
14)カルロス・サンタナ-----マイルスをロックで演奏する
「魂の兄弟たち」
「ゲット・アップ・ウィズ・イット」
15)カールハインツ・シュトックハウゼン-----同時代の”クラシック”
「コンテクタ」
「オン・ザ・コーナー」
16)ウイントン・マルサリス-----可愛い造反分子
「ウイントン・マルサリスの肖像」
「デコイ」
17)マイケル・ジャクソン&クインシー・ジョーンズ-----80年代アメリカで黒人であるということ
「愛のコリーダ」
「ユア・アンダー・アレスト」
18)ジョー・ゲルバード-----絵画における共同制作者
本「マイルス・デイビスの絵画」画集
「アマンドラ」
19)プリンス-----帝王と貴公子の幻の共演
「パープル・レイン」
「ドゥー・バップ」
20)マーカス・ミラー-----プロデューサー時代からサンプリング時代へ
「ライブ・アンド・モア」
「TUTU」
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