「X51.ORG THE ODYSSEY」
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佐藤 健寿 2007/04 夏目書房 単行本 261P
★★★★☆
ア ガルタについては 、佐藤健寿ブログ 「X51.ORG」 の中の 「謎の地下王国シャンバラは"実在"するか ― 視察チベット編」 に詳しい。本とブログの記述を読み比べてみると微妙に違いがあるが、それは、出版時における統一感のためと思われるし、若干の補足という意味もあるだろう。アガルタをAgharttha(p194)という表記にしていることは、このブログにおいては目新しい。
シャンバラ、シャングリラ、アガルタに関しては、それぞれの成り立ちを説明しているものの、それぞれが互いに同一視化され、なおかつ、実在する場所としては特定できないとするあたりは、結論としてはとくに目新しくはない。ただ、著者の「世界の奇妙なニュースや、奇妙な事件を日々収集することをライフワークとしている」旺盛な表現力と行動力には目を見張るものがある。
U FOやヒトラー、雪男などへのアプローチは、私にとってはむしろ伏線で、あまりそちらの方向へ脱線されると、なんともついていけない。 落合信彦 などへの言及も、この本で初めて知ったこの「ノビー」とやらの立ち居振る舞いも、個人的には、やはりあまり感心しない。この人物は、母校の記念行事で講演を行ったので、もう20年近く前のことになるが、私も聴いたけど、その当時もピンと来なかった。
「70~80年代のいわゆるニューエイジ・ブームにおいては、西洋における膨大な数のシャンバラ(シャングリラ)本が出版されているが、その多くは「ラマ僧から聞いた意味深な話→アジア放浪するも発見できず→実はシャンバラは私たちの心の中にあった」といった「ありがちな」流れの物が多く、今回の視察においてはあくまでの実在としてのシャンバラを重視したため、それらの本は一切資料としていない。」 p202
ブ ーム云々はともかくとして、「シャンバラは私たちの心の中あった」というオチが、私にはいちばんホッとする結論だ。「心の中」と簡単にいってしまうが、単に幻想や空想という意味ではなく、 リサ・ランドール が仮定するような異次元の世界として謎解きされていくのが、真っ当な方向だろう。
もちろん佐藤健寿のようなバックパッキングで、実在の存在を探求する人々のことを嘲笑する気は毛頭ないが、その勝算は薄いだろうと、 初読時 より、私は早々と結論を出している。地球空洞説にしたって、誰がどう真顔で説明しようと、その荒唐無稽な論理には、まともな現代人ならついてはいけるはずがない。どこかで折り合いをつけなくてはならない。そこからの解決策として残されているのは、唯一「5次元」立証可能性しかないだろう。
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