「がんばれ仏教!」
お寺ルネサンスの時代
上田紀行 2004/06 日本放送出版協会 全集・双書 318p
発行年月: 2004年06月
Vol.2 No.0090 ★★★★☆
「がんばれニッポン!」の掛声の中、女子バレーボールを応援しながら、「がんばれ仏教!」を読むのもなかなかオツなものだ。そういえば、 「がんばれマルチチュード」
なんてのもあったな。でも、カウンセリングを学んだときに教わったことは、クライエントに対しては容易に「がんばれ」を言ってはいけない、ということだった。ひたすら傾聴をこころがけるのを旨とせよ、ということだったような気がする。
このタイトルを聞いた時は、ちょっとうんざりという気もしたが、本文を読んでみれば、なるほど、日本仏教の現状に対する認識は、著者と私の間にはそれほどの差がない、ということに気がついた。あとは、著者が仏教者たちとどのような出会いをもち、どのような心境になったか、という違いであるようだ。
私は今の日本仏教がそのまま続けば、期待される仏教に変身するとは思わない。それどころか、現在の伝統仏教はこのままだと衰退し、早晩、死に至ると思っている。
p3
しかし、そもそも「仏教」あるいは「寺」を稼業とすること自体、他の職業とはおのずから違っていて当たり前なのだ。そもそも矛盾しているし、可能性が限定されている。失望しつつ著者が、幾人かの魅力ある寺や僧侶を引き合いに出すが、それは何十万という存在の中のほんの一つまみの数人の稀有な「成功例」でしかない。
わずかしかなくても、一例でも二例でも魅力ある例があるだけマシとしなければならないのかもしれない。だが、ことは「お寺」の有効活用法の研究ではないのだ。問題の本質が、地球人が未来にもつべきスピリチュアリティの探究にあるとすれば、「がんばれお寺さん」というような趣旨では、当ブログとしては、やっぱり納得できない。

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