「密教的生活のすすめ」
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正木晃 2007/11 幻冬舎 新書 198p
Vol.2 No.369 ★★★★☆
宗教学をわかりやすく解説する第一人者として知られる著者が、密教の修行法の中から一般人でも簡単に実践でき、確実に効果のあるものを選び、やさしく解説する。 「裏表紙」
「増補チベット密教」 、 「裸形のチベット」 、 「マンダラとは何か」 などの著書のある正木晃の本は、数あるチベット本の中でも一番波長があうなぁ、なんて一人ごちていたのだが、それは波長があうのではなくて、彼のほうが波長を合わせてくれていた、ということのようだ(笑)。たしかに「宗教学をわかりやすく解説する第一人者」であると認定することには、当ブログもおおいに賛成する。
後期密教の経典はタントラとよばれる。欧米の学界で、密教のことをタントリズムと称するのは、このタントラという言葉にゆらいしている。 p32
密教という単語はそろそろ終わりにして、地球標準語になりつつあるTANTRAという言葉に統一してもいい頃ではないだろうか。しかし、それにしても、「密教的生活」という言葉はどうであろうか。企画力で鳴らす「幻冬舎」の本だけに、推測するには、このタイトルは、たぶん、編集者の提案であっただろう。いっそのこと、 「タントラライフ」 とでもしたらどうだったのだろうか(笑)。
それにしても、わかりやすく解説はしてあったとしても、著者は、解説されているチベット密教そのものに対する理解もまた第一人者の一人である。ポイントをしっかり押さえていて、一冊の新書からあふれ出るエネルギーが籠められている。当ブログVol.2の369(ミロク)冊目にふさわしい一冊である。
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