世界で一番愛する人と国際結婚

奇跡の遠距離復縁




マロンと知り合って2ヶ月が過ぎた。私がブランに最後の
メールを打ってからは、既に4ヶ月が過ぎようとしていた。
めっきり少なくなっていたが、思いだしたかのように、
ブランからはまだメールは来ていた。


ある日、ブランに返事をしてみようという気になった。
数日後がブランの誕生日という口実を思い出したからだ。


ただ、何も書かなかった。私のメッセージは何も入っていない、
シンプルなオンライン・グリーティングカードを送っただけだ。

グリーティングカードの開封通知と共に、すぐにお礼のメールが来た。
その直後に電話も来た。外出中で、その電話に私は気がつかなかったのだが、
切羽詰った様子の声で留守番電話にメッセージが残っていた。


「どうしてももう一度話がしたい。電話をもらえないだろうか。」


私はその留守電を保存したが、電話をする気にはなれなかった。


数日後、更にメールが来た。長い長いメールだった。


「僕達はとても相性がよくてCompatibleだから、君を失いたくない。
僕はとても辛い。なんとかもう一度会って話せないだろうか。


君のことをいつも考えている。1分ごとに考えている。
いや、1秒ごとかもしれない。僕はどうかしている。」


長いメールの最後には、Loveの文字があった。


なんだか今までと様子が違っている。
いやいや、ここで期待してはいけない。
私は、できる限り短く冷たいメールを返した。


「もう、何もお話することはありません。」


しかし、ブランは根気よく私にメールを送り続け、
その後いつの間にか私も返事を出し、
3、4ヶ月の間、ほぼ毎日メールを繰り返してしまっていた。


そうして、彼は日本にやってきた。
春がすぐそこまでやって来ているものの、
3月のまだ肌寒い日だった。


彼は、私のオフィスのロビーに、プレゼントを持って立っていた。
9ヶ月ぶりに会うブランは相変わらず優しくて素敵だった。

彼は私を新宿の高層ホテル、パークハイアットに連れて行った。
夜景の綺麗なNYスタイルのレストランだった。



「君が僕を思うより、僕が君を思うことのほうが多かったと思うよ。
もう少し待って。君との結婚のことはちゃんと考えているからね。」



私の気持ちは一気にブランに戻ってしまった。

ブランは今でも私を愛している。ブランはとても私を愛している。
確かに、もしかしたら、私がブランを愛する気持ち以上に
ブランが私を愛する気持ちのほうが大きかったのかもしれない。

ブランがそうしたいのなら、結婚という形にこだわらなくてもいい。
ただブランと一緒にいられれば、それでいい。



「結婚する気がないのなら、それはあなたを愛していないからよ。」


他人に何と言われようと、もう構わない。本当に心からそう思った。


このまま遠距離恋愛でもいい。やはりブランとやっていこう。

私は、マロンにお別れのメールを書いた。


つづく


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