世界で一番愛する人と国際結婚

冬のソナタ NY~ソウル 4


もう二度とあり得ないと思った、ブルーとの再会を果たしたのは、
あれから実に8年も後のことだった。



2000年の年の暮れ、会社の同僚達と一緒に4日間のソウル旅行を
することになった。


ブルーのことを急に思い出した私は、
NYで知り合った友人に彼の消息を聞いてみた。


そして、友人のお膳立てで、

私の滞在中、一度だけ、彼と会うことになったのだ。


ソウルに同行する同僚達に了解を得た。


当時、付き合って2年目になるアメリカ人の恋人、ブランにも、
ソウルでexに会うと言っておいた。




そして、ホテルのロビーで再会し、今車の中で指を絡めてしまった私達。

「着いたよ。」

とブルーは、手を離して車を止めた。


私の頭の中で流れていた、『ある愛の詩』も止まった。


私達は、彼の予約してくれていた、静かな料亭のような場所で食事をした。


8年間のお互いの近況を語った。


彼は就職はせず、大学に残ってずっと研究を続けていたらしい。
1、2年後に、アメリカの大学でドクターを目指すのだそうだ。
今、付き合っている人はいないと言った。


「君が初めてのガールフレンドだったから、
その後も女の子と出会う度に、いつも君のことを思い出していた。」


と照れて笑った。


私は、結局、あの後、例の日本人の男性とは別れてしまった
という話をすると、彼の顔が曇った。


でも、貴方はまだ若くて、私達には未来がなくて、私はあの時、
ああする以外にいい方法が思いつかなかった。




==========-

2005年12月。


ソウルでの再会から、更に5年。


風の噂では、彼はアメリカの大学の博士課程で研究を続けているそうだ。


お互いの連絡先は知らないままだが、


恐らく同じ大地で、時々お互いの幸せを祈りあっているのだと思う。





冬になると思いだす短い思い出。



日韓の国交が正常化されて、既に30年近くがたっていたものの、
13年前は韓国ブームもなく、韓国はまだ近くて遠い国でした。
実際、私はアメリカやヨーロッパよりも遠くに感じていました。


彼のお陰で、韓国文化を少し垣間見ることができ、
あまりに短く、はかない恋でしたが、
彼から学んだことは、大きかった。



終わり


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