音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2011年06月24日
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テーマ: Jazz(1978)
カテゴリ: ジャズ




 アート・ファーマー(Art Farmer)は、1928年生まれのトランペット、フリューゲルホルン奏者で、1999年に71歳で亡くなっている。そんな彼の代表作としてよく知られるのが、この『モダン・アート(Modern Art)』である。録音がなされたのは1958年。演奏者には、ビル・エヴァンス(ピアノ)やベニー・ゴルソン(テナーサックス)といった有名どころが並ぶ。とはいえ、録音時の段階では、アート・ファーマー自身も含め、彼らは50年以上経ったいまの聴き手が想像するような名声を得ていたわけではなかった。当時はダウンビートの新人賞を受けるような、まだまだこれから伸びていくという程度の知名度だった。

 こういうメンバー構成をみると、何かとっても正統で、ジャズの王道を行く音楽をやっているような盤かと思われるかもしれないが、良くも悪くもそうではない。正直、聴き手によって曲の好き嫌いが分かれそうという点は否めない。1.「モックス・ニックス」からして、何とも軽快な(ということは好みでない人には“軽薄な”という評価になり得る)旋律で、スタンダードなことをやっているというよりは個性的な曲を取り上げている。

 そんな事情を考えると、究極的には、万人受けするアルバムではないと思う。ついでに言ってしまえば、イカツイ顔のオジサン(もちろんアート・ファーマー本人)がアップで映り込んだジャケットも決して趣味のいいものとは言い難い。少なくともジャケットに関して言えば、何となく手にとって試しに聴いてみようとはなりにくい盤でもある。

 こんな書き方をすると、本盤のことを悪く言ってるのかと思われたかもしれないがそうではない。やはり、トランペットの音の美しさ、二管のアンサンブルの美しさを考えれば、ぜひ試してみる価値のある名盤だと思う。その上で、上記のように個々人の趣味は二分されるかもしれなけれど。

 筆者のおすすめをいくつか挙げておきたい。2.「フェア・ウェザー」はベニー・ゴルソンの作で、ゴルソン独特の(ゴルソン節とでも言えばいいのだろうか)美しいメロディにアンサンブルが心地よい。それから7.「アイ・ラヴ・ユー」。コール・ポーターの曲だが、イントロなしでいきなり曲が始まり、次々とソロ・パートが入れ替わっていき、最後はトランペットにサックスが絡んでいって美しくアンサンブルでまとまっている。



[収録曲]

1. Mox Nix
2. Fair Weather

4. The Touch Of Your Lips
5. Jubilation
6. Like Someone In Love
7. I Love You
8. Cool Breeze


[パーソネル・録音]

Art Farmer (tp)
Benny Golson (ts)
Bill Evans (p)
Addison Farmer (b)
Dave Bailey (ds)








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Last updated  2013年07月09日 06時47分55秒 コメント(3) | コメントを書く


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