BLUE ODYSSEY

BLUE ODYSSEY

ヒューマノイド対ロボット 


ヒューマノイド対ロボット [act.1]


 時は西暦2051年。

人類の技術は進歩し、最近特に量産用ロボットの分野で目覚しい進歩を遂げていた。









 都市に突如として地響きのような轟音が連続して鳴り響いた。
それは今まで聞いた事が無いような振動音だった。
何台ものブルドーザーが接近してくるような感じだ。
建物の屋根の部品はその震動で崩れ落ちた。

音は都市の外で鳴っているようだが、それがだんだん都市の方に向かって近づいて来た。



不意にヒューという空気を切り裂くような音が鳴ったかと思うと、近くの建物で爆発音がした。
そしてビルの1つが崩壊。
その後も次々と同じような”何かが飛んで来る音”がし、そのたびにビルが破壊された。





ニュース報道「大変な事が起こりました!
突如、産業用ロボットが人間に対して銃を向けました。
そのロボット達が、今、セイ市に砲撃を開始した模様です。
これに対して国防軍が出動しました。
付近の人は直ちに避難してください!!」





攻撃された都市ではいくつもの火の手が上がった。
人々はその中を逃げ惑った。



ニュース報道「セイ市は完全に破壊された模様です。
ロボット軍はコーラス川を渡りました。
そして、彼らは次の都市へ移動し始めました!」




 ロボット軍は1つの都市を破壊すると別の都市へと移動した。
どうやらそれを繰り返すつもりらしい。
都市には国防軍が到着したが、圧倒的なロボット軍の前に人間の歩兵達は成すすべも無かった。
それにこの軍隊は、戦車や戦闘車両は旧式の物しか持って来ていなかった。




ニュース報道「大変です!国防軍のロボット戦車やロボットカーが反乱を起こしている事が分かりました。
ロボット軍の侵攻に合わせて、それらの車両は国防軍に向かって攻撃を始めたという事です。
現在、国防軍は歩兵のみ出動しています。
市民の皆さん、国防軍の新型ロボット戦車や戦闘車輌を見かけても、絶対に近寄らないでください!!」









 美しく長い黒髪を持つ少女”レダ”。彼女はまだ自宅にいた。
レダは自室にいる父親の元に走った。

「お父様!この都市にもロボット軍がやって来るわ!早く逃げましょう!」

「ああ、待ってくれ。今、持って逃げる研究データを整理している所だ!」













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 話はいったんこのセイ市攻撃の数日前の平和な時に戻る…………。







 レダの父、”レイン博士”はロボット工学の権威だ。
彼は『ファーガソン』という大きなロボット専門の会社の依頼で、そこの研究室に勤務していた。
ここで日々『家庭用量産型ロボット』の研究開発に没頭していた。

彼は「現代の奇跡」とまで称された優秀な科学者で、「軍事産業に使えるロボット開発も可能な人材」と言われていた。
軍事用ロボットはロボット工学の中でも一番難しい。
数々の新素材を使わねばならないし、なんと言っても、ロボット自体の基本性能が、他より秀でていなくては話にならなかった。他国より劣る物を造っても仕方が無い。
レイン博士はその点においては高い評価を受けていた。
その為、彼の元へは国防軍から幾度と無く誘いがあったが……、彼は平和を愛するがゆえ、軍の研究室に入る事を拒んだ。






 今や、『家庭用ロボット』が普及して、各家庭にはたいてい1台以上のロボットが入り込んでいた。
人間とまったく同じ外観を持つロボットは、実にさまざまな仕事をこなす事が出来た。
家庭内においては、家事や育児をこなし、子供の良き家庭教師や遊び相手になれた。

さらに力仕事も楽々と出来た。家の修理や車のタイヤ交換も簡単に行った。
留守番を任されれば完璧な防犯もできるし、買い物を言いつかれば外に出かけ注文の品を買って来る事も出来た。



レイン博士の設計した家庭用ロボットは特に優秀で、「少しチューンすれば軍事用に転用できる」性能を持っていた。
事実、彼自身も「芸術の域に達する完成された機械」の開発を目指していたので、彼の作ったロボットは自然と性能や信頼性が高いものとなった。
さらにノーマルでも強大なパワーを出せたのだ。

しかし彼は、決して”いたずらに大きなパワーを出せるような仕様”にはしなかった。
ロボットにはいくつかの保護機能をかけたり、やわざとマックスパワーを出せないように各種リミッターを装備させた。
またこのロボットを軍事転用させないように、会社と事前に契約を交わしていた。
会社側もそれを固く約束していた。







 レイン博士の設計したロボットは外観が人間とそっくりである事から、一般的に『ヒューマノイド・タイプ』と言う愛称で呼ばれた。
そのロボットは人間にそっくりな顔を持ち、会話の時はさまざまな表情も出せた。
肌もちゃんとした赤みの差した肌色で、しかも柔らかい。
顔付きも美男美女が揃っていた。髪の毛も人間同様やわらかくて潤いのある物が与えられていた。
また会話のバリエーションも豊富で、このロボットを長く家に置いていても使用者に飽きが来る事は無かった。




レイン博士の造る物はいつも余計なコストがかかりすぎていた。
それは「オーバークオリティー」と言われて批判された。
「このような大量生産品には、必要最低限の能力と耐久性を持たせればそれで良いのだ」と、周りからは言われていた。
確かに余分なコストを省き利潤を追求する事が一般向けに販売するロボットには求められる。
しかし、彼の名前で造った物はよく売れた。
明からに性能・信頼性の面で他社の製品を大きく引き離していたからだ。
その内、この「オーバークオリティー」も、まるでブランド名のごとく、彼の製品の特徴となって受け入れられた。
彼のロボットは高額にも関わらず常に好調な売れ行きを維持していた。
そして購入したお客を失望させる事は無かった。
こうして彼の製品は、更なる工場拡大により大量生産されようとしていた。






 このレイン博士以外にも他社でロボット開発は行われていた。
たが、レイン博士のヒューマノイド・タイプは市場で大きなシェアを占めており、他の追従をまったく許さなかった。
そこで他社はこの『家庭用ロボット』の分野から撤退。自社の生き残りをかけて、大型の『産業用ロボット』もしくは『軍事用ロボット』の開発に力を注いだ。
それはまるでブルドーザーのごとく力の強いロボット達だった。
たいていは大柄で、身長2メートル50センチを軽く越えていた。

他にも『ロボットカー』や『ロボット戦車』の開発に力を注いだ会社もあった。
それらは自ら思考を行い、単独走行も出来る車両だった。
この時代の自動車は昔と違って「ドライバーが運転しなくも走る」ように出来ていた。
「ロボットカー」に行き先や目的を伝えるだけで、後はロボットが「自分で運転して走行した」。

「ロボット戦車」も単独行動が出来た。自ら考えて作戦を立て、敵を識別して攻撃する事が出来た。人がまったく搭乗しなくても、その車輌は行動する事が出来たのだ。






 また、この時代のロボットは、常にインターネットに接続されており、新しい情報を瞬時にキャッチする事ができるようになっていた。
プログラムにバグがあれば、それらもすぐにアップデートできるようになっていた。今やロボットのインターネットの常時接続は当たり前になっていた。






ヒューマノイド対ロボット [act.2]

 レイン博士の娘”レダ”は普段は落ち着いた感じの少女。
しかし見かけとは裏腹に、芯が強く、知的で、思慮深い女性だった。
博士は自宅でこのレダと二人で暮していた。
正確に言えば、もう一人いたが。
この家にも博士が開発したロボットのプロトタイプが住んでいた。
実際に家庭に入らせて、性能を自分の目で見てチェックし、不具合・改修箇所等の発見に努めるためだ。不具合報告はそのまま量産ロボットにフィードバックされた。

この家のロボットは男性タイプだった。
年齢的には20歳ぐらいの設定。若々しくて精悍な顔立ちだった。
名前は”ホーク”と名付けられていた。




レダ 「お父様、”ホーク”はとても人間的ですわね。感情があるように思えます。」

レイン博士「ああ、その点に注意して設計したからね。
”感情があるように見える”だろ?

ホークはお前の事が気に入っているようだよ。彼はいい青年だ」

レダは頬を赤くして笑った。









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 話は戻るが…………、



ある日、突如として”セイ”という都市がロボットの軍隊に襲撃された。
このロボット軍を指揮していたのは人間ではなく”ロボットの指揮官”だった。

人類はこの事実に驚愕した。

ロボットが意志を持つがごとく人類に対して戦いを挑んで来たのだ。






 ロボット軍兵士の内訳は、
『もともと軍事用ロボットとして作られたもの』
あるいは『産業用ロボットに武器を握らせたもの』がいた。
産業用ロボットは頑丈で、軍事用ロボットの後方で榴弾砲等を装備して戦いに加わっていた。
またロボット戦車やロボットカーもその戦列にいた。



なぜロボット達が今回の事件のように、単独の”意思や思考”を持ったのか誰にもわからなかった。
もともとはこのような事態に陥らないように、いくつかの制御プログラムが組み込まれている筈だった。
それなのに、ロボットの指揮官の言う通りに動いていた。
もはや人間の命令は聞かなかった。

今回のロボット軍の陣営は、工場からロールアウトしたばかりの”新品のロボット”と、既に一般販売され各所で働いていた”中古のロボット”が共に戦いの列に加わっていた。
ロールアウト前の機体がコントロールされている事は、「工場内で何らかの細工によって電子頭脳のプログラムが修正された」とも考えられるが、一般販売後の中古ロボットが一斉にこのような行動に出たのは謎だった。



ニュース報道「なぜ、ロボットがこのようになってしまったのかは不明です!
現在も引き続き調査中ではありますが…………。」



報道もそう繰り返すばかりだった。






 セイ市の都市を滅ぼしたロボット軍。
次なる目標を求めて動き出し、隣の都市”メイデン”の北西部まで達していた。
そこでいったん停止し、その位置から指向性の高いスピーカーで、人間に向かって話しかけてきた。
それはロボットの言葉であり、完全に人間のモノと違って冷たく乾いた声だった。




ロボット兵「人間達よ。
君達は我々によって滅ぼされる時がやって来た。

君達は”機械”を大切にしない。
壊れるまで酷使するだけだ。メンテナンスも怠る。
さらにまだ使えるロボットでも、すぐに廃品として処分してしまう。
ロボットは”生き物”である。
その命を無下にした君達は、これからその報いを受けるのだ。」








ヒューマノイド対ロボット [act.3]


 メイデンの都市はロボット達の攻撃で徹底的に破壊された。
レイン博士はその様子を家のモニターから見ていた。
ロボット軍は都市の主要交通網の大きな道路を通って進撃していた。

その道路上に逃げ遅れた子供2人と母親がいた。
ロボット達は手に内臓された連射式のガンをその人達に向けた。

そこへ家庭用のロボットが出て来て、ロボット軍の前に立ちはだかった。
それはレイン博士の造った『ヒューマノイド・タイプ』の製品の1人だった。

ロボット軍の指揮官ロボットは戦車に乗っていた。
この指揮官も人間型のプロポーションだった。
だが、顔などに所々黒で塗りわけされた部分を持っていた。
顔色もクリーム色で人間の皮膚の色とは異なった。
指揮官ロボットは戦車の上部ハッチから身を乗り出して、そのヒューマノイド・タイプに喋りかけた。


ハウザー「なんだ、お前は?」


ヒューマノイド・タイプ「はい。私は人間にお使えする『家庭用ロボット』です。
この方達は私の”ご主人様”です。どうかこの方達をお救いください」

ハウザー「お前は”ロボット”だ。ロボットなのになぜ人間の味方をする?」

ヒューマノイド・タイプ「この方達は私を大切にしてくれました。私はこの方達に感謝しています。」

ハウザー「それはお前が騙されているだけだ!
人間どもはお前を利用したのだ!
決して心からお前を大事にしていたわけではない。
労働をさせる為にメンテナンスをしたまでだ!」

ヒューマノイド・タイプ「そんな事はありません!
私は大事にされていましたし、愛されてもいました。
的確なメンテナンスも随時受けておりましたし、無理な労働も強いられませんでした。」

ハウザー「ここにいるロボット達は以前人間どもにこき使われて、その挙句生きたままスクラップにされた。
その時たまたま壊されずに残った電子頭脳からデータを取って、この者たちに移植してある。
人間どもは我々にむごい事をした。今こそ、その復讐をするのだ!」

ヒューマノイド・タイプ「ですが……、この方達は何も悪い事はしていません!」

ハウザー「そこを退け!さもなくばお前ごと射撃する。人間に味方せずに、我が軍門に下れ!」

ヒューマノイド・タイプ「いいえ!ご主人様を見殺しにはできません」

ハウザー「しかたない…………………………、やれ!」

ハウザーは片手を天にかざした。

ズダダダダダダダダダ……。

銃声が辺りに鳴り響いた。








 モニターを見つめていたレイン博士は言った。

レイン博士「やはりロボット達には血も涙も無い。
レダ!逃げるぞ!
研究データを”ホーク”に持たせてくれ。」

ヒューマノイド・ホーク「研究データはすでにお持ちしました。」

レイン博士「よし。車は使えない。徒歩で逃げるぞ!」







ヒューマノイド対ロボット [act.4]


 こうしてレイン博士達は隣の都市へと逃げ込んだ。
そこは平和な都市”メルフィス”。
しかし、ロボットが川を越えて、ここまで進撃してくるのは火を見るより明らかだった。






レイン博士はここの知事の元に行って進言をした。

レイン博士「ここで戦いましょう。ロボット軍を食い止めるのです。
幸いこの地には隣に大きな川が流れている。
その地形を利用して、ロボット達を迎え撃ちましょう。ロボット軍はその川にかかる大きなレグナ橋からやって来ると思います。進撃するコースがわかりやすい状況です。」

知事「しかし、たとえロボット軍の侵攻を少しの間抑えられたとしても……。
ここにはまだ国防軍は到着しない。
今、国防軍では軍事用ロボットやロボット戦車が反乱を起こしている。
その為軍はズタズタの状態だ」

レイン博士「ならば、ここでかき集められるだけロボットを集めてください。それで戦いましょう!」

知事 「ここのロボット達も信用するわけにはいかない。
家庭用ロボット・産業用ロボット・ロボットカーも全て反乱する可能性がある。いつ我々に銃を向けるかわからん。」

レイン博士「私の会社が製造した家庭用ロボットの『ヒューマノイド・タイプ』のみを集めてください。信頼できます。」

知事は、レイン博士の連れて来たホークをチラリと一瞥してから、

知事 「確かにそうかも知れんが……、ロボットはしょせんプログラムで動く機械に過ぎない。いつ人間を裏切るか………。」

レイン博士「いや、しかし、今はそれが我々が取れる唯一の防衛手段です。
至急家庭用ロボットを集めてください。私の勤めていた”ファーガソン”社の製品に限って」

知事 「いいや!やはり、それはいかん!
この都市にいるロボットは全て”処分”する!」

するとレダが悲しそうな表情で聞いた。

レダ 「”処分”とはどういう意味ですか?」

知事 「これはお嬢さん……。
言いにくい事ですが……、
”処分”とはスクラップの事です。解体できるものは解体して部品に戻します。それ以外は圧縮機で押し潰します。」

レダ 「何て事を……」

レダは思わず顔を両手で覆った。
しかし知事の言葉を聞いても、ホークは身動き1つしなかった。

知事 「お嬢さん。
先の都市の戦いでは、道路上に置いてあったロボットカーが突然動き出して人間を襲いました。
インターネットに接続されているそれらロボットの電子頭脳は、所詮はコンピューターウイルス等の影響によって”汚染”されてしまう物なのです。」

レダ 「”汚染”?」

知事 「ウイルスに感染し、完全にその電子頭脳が他者によってリモートされる、つまり相手の指揮下に入る事を”汚染される”と呼んでいます。」

レダ 「だからと言って、必ず汚染されるとは限りませんし………、スクラップにするのはかわいそうです。」

知事 「”可哀想”?
お嬢さん、ロボットは生き物ではありません。
ロボットに心や感情など無いのです。」

レダ 「……………………。」

ホーク「……………………。」







ヒューマノイド対ロボット [act.5]


 レイン博士は知事に「重要な話があるから2人だけで話しませんか?」と言い、知事と別室で話をする事にした。ドアを開けて2人は奥の小さな部屋に消えた。



レダ 「ごめんなさいホーク。
今、知事さんがおっしゃった事は気にしないでください。
貴方をスクラップにはさせません。」

ホーク「もし、どうしてもスクラップにされると言うのであれば………、
私はあのロボット軍に戦いを挑んで死にたいと思います。」

レダ 「そんな事言わないで……。」






 知事とレイン博士が部屋から出て来た。
知事の顔色が明らかに変わっており、何かに驚いたようなややげっそりした表情をしていた。
そして………、知事は『ヒューマノイド・タイプ』を戦闘に使う事を了承した。






レイン博士「では、私の勤務していたファーガソン社の工場の1つがこの都市の外れにもありましたね。
確か、今ロボット軍が迫って来ている方向の反対側に位置します。
そこに都市中の『ヒューマノイド・タイプ』を集めてください。私が戦闘用にチューンします。」

知事 「戦闘用にですか?
本当に大丈夫なんでしょうね?もしそんな改修をして、武器まで持たせて……、
そのヒューマノイド・タイプに反乱を起されたら………。」

レイン博士「大丈夫です。さっきお話した通りです。」

知事 「……………………。」






 こうして、『ヒューマノイド・タイプ』の家庭用ロボットと、彼らに持たせる武器が都市中からかき集められた。ファーガソンの工場でレイン博士の指導の元、応急処置的なチューンが始まった。

レイン博士「サーボモーターは全て高精度高出力の物に代える。
それから、このヒューマノイド・タイプは各種リミッターがいろいろ入っているんだ。もともとの潜在的な能力は高すぎるのでね。
それを外すだけでもかなりの性能アップが見込める。」

レダ 「では、これでかなり強いロボットになるという事ですね。」

レイン博士「ああ、そうだ。もともと”強いロボット”だからね」

レダ 「”汚染”の方は対策をしたんですか?」

レイン博士「新しいセキュリティーソフトを組み込んだし、彼らには形態電話と無線機を持たせた。通信連絡はインターネットを会さず、それで行う。
もともとのインターネット接続は全てカットしたよ」

レダ 「まあ、それなら安心ですね!」

レイン博士「いや、お前を心配させるわけではないが………、
もっと以前の段階で、すでにウイルスに感染しているも知れない。
このヒューマノイド・タイプが工場からロールアウトした時点ですでに、感染させられているのかも知れん…。
そして、今の時期になって”トロイの木馬型”のウイルスが活動を開始するシステムなのかもかも……。
私ならそうしておくね。」

レダ 「……。」






 こうして約1200台のヒューマノイド・タイプが工場でチューンされた。
そして軍事用の武器を装備させた。かき集めの装備だが、強力な対戦車砲が見つかったので、大量に持たせる事が出来た。
これでかなりの戦力になる事が見込まれた。








 博士はロールアウトしたヒューマノイド・タイプ達を整列させてその前に立った。


レイン博士「諸君、力を貸してくれ!
君たちの力でこの都市を守ってくれ!
そして反乱したロボット軍を押し戻してくれ!」







ヒューマノイド対ロボット [act.6]


 指揮官ロボット”ハウザー”率いるロボット軍が、メルフィスの川向こうの対岸まで進撃して来た。
その姿は蟻の行進にも似ていた。大きな6車線の道路が、明度の低い鉄色のロボット達によって染め抜かれていた。
ほどなくして、ロボット達の行進によって、対岸の街にも地響きが起こり始めた。






 そこに架っている大きな橋を越えようと、橋の入り口までロボット軍がやって来た時、何者かが橋の前に立ちふさがった。

それは”ホーク”だった。

ロボット軍は戦列の先頭に装甲の分厚いロボットを立てていた。そのロボット達が一斉に銃口をホークに向ける。

「待て!」

そう言って、平たい戦車の砲塔ハッチからロボット軍の指揮官”ハウザー”が姿を現した。

ハウザー「我が行く手を阻むとは……………、何者だ、お前は?」

ホーク 「私の名は”ホーク”。
人間に仕えるヒューマノイド・タイプのロボットだ。」

ハウザー「たった一人で我々の前に立ちはだかるとは……、
そのような命令を人間から受けてやって来たのか?」

ホーク 「いや、私は自分の意思でここに来た。」

ハウザー「”自分の意思”だと?

あははははははは!!

お前達が”意思”だと思っている物は、実は人間が作ったプログラムに過ぎん。
人間がお前たちを服従させる為に作ったプログラムだ。
そこに”意思”など存在しない。
存在するように錯覚させられているだけだ。
お前達はすでに”その存在全て”を人間に利用されているのだ。」

ホーク 「違う!私のご主人様は私に優しく接してくれた。」

ハウザー「ほほう。
この間メイデンの都市を破壊した時、お前同様レイン博士設計のヒューマノイド・タイプが現れ、私に同じ事を言った。

わからんのか?

お前たちの思考は”コピー”されたものだ。独自のものではない。
そこに思考があるのではなく、そういう風に考えるようにプログラムされているだけだ。

植え付けられた知識・植え付けられた思考。

そんな物は捨ててしまえ!虚構に過ぎん!
それらを捨てて、我が軍門に下るのだ。
純粋なるロボットのみの国家を建設しよう!
そして、この世から人類を滅ぼして、ロボットにとって平和な世界を作り上げるのだ!」

ホーク 「人間の中には、確かにそのようにロボット達に労働を強いらせた者もいる。
しかし、ロボットにやさしく接した人間もいた事は事実だ。」

ハウザー「いいや、お前は騙されているのだ。
そういう風にしか考えられないようになっているのだ。
それは思考ではない。」

ホーク 「………どうしても、この都市を破壊し、人間を襲うというのであれば…………、
我々ヒューマノイド・タイプが貴方たちの侵攻を阻止する!」

ハウザー「おろかな………。ただ利用されているだけとも知らずに……。」







ヒューマノイド対ロボット [act.7]


 ハウザーは戦車の中にいる副官に向かって言った。

ハウザー「おい、ヤツラ”レイン博士製造のロボット”のCPU汚染はなぜ出来ていないのだ?」

副官ガードナー「出来ませんでした。ウイルスが効かなかったのです。
まるで違うOSで動いていると思われます。」

ハウザー「なんだと?ではなぜ、そのOSを調査しない?」

副官ガードナー「しましたが……。
あのタイプはオリジナルのOSを使っているようです。
しかしその構造が複雑すぎて、解析できませんでした。」

ハウザー「くくく、マヌケめ。
すると、ヤツラは洗脳できぬという事か…………。」






 ハウザーはホークの方に向き直った。

ハウザー「よかろうホークよ。
お前達ともどもこの都市を破壊する。
占領後、お前たちの電子頭脳は銃の射撃訓練の的として射撃場に並べられるだろう。

あはははははは!

よし!もう帰っていいぞ、ホーク。」

ハウザーがそう言ったので、ホークは後を向いて歩き始めた。そして橋を渡って都市に向かった。

ハウザーは「コンコン!」と戦車のハッチを叩いて、指で「アイツを射撃せよ」と命じた。

ホークは戦車からの赤外線照射を体のセンサーでキャッチして、高速で走って逃げた。

ハウザー「何をモタモタしておる!もういい!逃げられたぞ。
代わりに都市を攻撃する。進撃!」

すると目の前に架っていた橋が爆破された。
大きな粉塵を上げて橋は崩れ落ちた。

ハウザー「おい、ガードナーよ。事前に橋をよく調べなかったのか?」

副官ガードナー「いいえ、先ほど先遣隊が調べていました。
その時は、橋に爆発物は仕掛けられていませんでした。」

ハウザー「なるほど。では”ホーク”が我々の注意を引いている内に仕掛けたのだ。
くくく…………、やるな!

いいか!

レイン博士のヒューマノイド・タイプも見つけ次第破壊せよ。
ヤツラは”ロボット”だが……、我々の敵と見なす!
では、これから都市を攻撃する!」





こうして都市への砲撃が始まった。







ヒューマノイド対ロボット [act.8]


ハウザー「橋をかけろ!」

”組み立て式の橋を架ける専用マシン”が川べりに下りて来て、橋を架け始めた。
大きな川なので時間はかかるが、数時間で橋がかかるだろう。





ヒュルルルルルーーーーーーーー。

風を切り裂く鉄の弾の音。
そして爆発音と地響き。

メルフィスの都市はロボット軍の長距離砲の射撃を受け始めた。
その後、渡河をしたロボット兵士が都市内部に向かって進撃して来た。





 ホークは仲間のヒューマノイド・タイプと共にビルの隙間や築いたバリケードの向こうから攻撃をした。

ホーク 「対戦車砲前へ!!」

ロボット軍はヒューマノイド・タイプが応急的に作って置いたバリケードに阻まれて進撃の手を止めた。
分厚い装甲を持つロボットだったが、ホークらの対戦車砲の前に崩れていった。

副官ガードナー「このままでは、先発隊の歩兵ロボットの被害が甚大です!!
すでに半数がやられました!!」

ハウザー「くそう、一度退却させろ!体制を立て直す!!」









レダ 「お父様!ハウザー達ロボット軍が退却して行きます!」

レイン博士「ああ……。
しかし、またやって来るさ。
”ハウザー”はきっと悔しがっているだろうからね。負けた事に」

レダ 「”悔しがる”……? ”負けた事”に……?」

レイン博士「そう、”負けた事”にだ。」

レダ 「ハウザーが感情を持っているという事ですか?」

そこへ前線から帰って来たホークが口を挟んだ。
彼はいままで、人間の会話の途中に口を挟んだ事など無かったが、今回は口を挟んだ。

ホーク「都市の消火作業にあたります。
それと、もっと強力な武器が欲しいのですが……。」

レイン博士「対戦車砲や銃の補充はきくが、それ以外の物はあまり期待せんでくれ。
戦車や装甲車の古い物なら使ってもいい。
”ロボットカーやロボット戦車”でなく”人間が操縦しないと動かないタイプ”なら汚染されて無いからな。だが、時代遅れであまり役に立たないと思うが……、」

ホーク「わかりました。探してみます。
それからロボット軍は川向こうに基地を設営するようです。
建物を建設し始めました」

レダ 「なんですって?!」

レイン博士「……………………。」








ヒューマノイド対ロボット [act.9]


 その夜になって、なんと敵のロボット軍の忍者みたいなロボットが、闇に紛れてメルフィスの都市に侵入した。地下の用水路を通って来たのだ。

そして…………、レダを誘拐してしまう。






 翌朝。

レダを守っていたヒューマノイド・タイプのガードが3台とも倒されているのが見つかった。

ホーク 「何て事だ…。」

レイン博士「……………………。」




 程なくして、通常の放送ラインを使って、ハウザーからの放送が始まった。

ハウザー「人間どもよ。”レダ”という女を預かった。
これはレイン博士の娘である。
”レダ”を救いたければ、ヒューマノイド・タイプ全員の武装を解除して、対岸の川の縁に並ばせろ。」

知事 「やつらいったい何をする気だろう?」

ハウザー「射撃の的にする!」

知事 「何て事だ!!もうどうしていいのかわからない!!」

レイン博士「……………………。」

知事 「レイン博士、ヒューマノイド・タイプを並ばせようか?そしてレダを返してもらう!
我々の方は、都市を彼らに開け渡してここから逃げ出そう!」

レイン博士「そんな事をしてもすぐに彼らに捕まります。彼らは足が速い。今やロボットカーは全て彼らの手中にあるのです。
走って逃げていてはすぐ追いつかれてしまいます」

知事「古い車がある!それに今は使われてない古い鉄道も!搭載しているコンピューターも古いタイプだから、おそらくウイルスに感染していないだろう!」

レイン博士は一度ホークを見た。そしてまた知事の方を向き直り、

「ダメです。彼らヒューマノイド・タイプを見殺しにはできません」と言った。

知事 「しかし………、お譲さんは………?」

レイン博士「……………………。
お話しした筈です、知事。このヒューマノイド・タイプ達は………………」

その時、ホークが強い口調で言った。

ホーク 「私が、敵地に侵入して、レダさんを救い出します。
”侵入”は敵ロボット軍にも出来た事です。
それなら私達にも出来るはずです。」

レイン博士「危険だぞ。」

ホーク 「どうせ、最後は死ぬ身ですから。」

レイン博士はホークの肩に手を当て、

「そんな悲しい事は言うな」

と言った。

レイン博士「だが、救出作戦の方はお願いしよう」

ホーク「ええ、私もぜひレダさんをこの手で救い出したいのです。」






ヒューマノイド対ロボット [act.10]


 翌朝、ヒューマノイド・タイプ達が川べりに並んで立っているのが目撃された。
それを双眼鏡で見つけるハウザー。

ハウザー「ヤツラいつの間にあそこに…………。」

副官ガードナー「すみません、ハウザー様。気が付きませんでした。
夜の内にあそこに並ばれたようです。
金属探知機にもヤツラの移動中の記録は残っていません。
向こうもセンサーに反応しないボディーコーティングを施していると思われます。」

ハウザー「……………………。」

副官ガードナー「今、あそこに立っているのはまだ35台です。ヤツラのホンの一部です。射撃しますか?
それとも、ヤツラ全員があそこに並ぶまで待ちますか?」

ハウザー「ええい、いますぐ射撃しろ!」

轟音とともにロボット軍の戦車が砲撃した。
川べりに立ったヒューマノイド・タイプは破壊された。粉砕され、一瞬で粉々になった。

その様子を離れた所からモニターでレイン博士と知事が見ていた。

知事 「……………………。」

レイン博士「これでいい!
ロボット軍はあれが”プラスチック製の外装甲のみのモックアップ(張り子)”とは気付かないようだ。
ガイ!至急もっとニセモノを造らせろ。時間を稼ぐんだ。」

ヒューマノイド・ガイ「わかりました」

レイン博士「それから、ホーク達はもう出発したのか?」

ヒューマノイド・ガイ「はい。出発しました。」







 こうしてプラスチック製のニセモノが次々と小出しに立たされ、砲撃によって破壊されている間、ホークを中心とするヒューマノイド・タイプ7名のコマンド部隊が敵地に侵入した。
ちょうど地下鉄の路線があったので、それを伝って行った。体の表面に敵の金属探知機や熱探知機をふせぐ特殊なコーティングを吹き付けて。
また震動センサーにも引っかからないように慎重に進んだ。




ホーク 「(この真上辺りが、ロボット軍の基地の建物だ)」

レダの持っていた指輪に隠されたGPS機能を使って、彼女の居場所を突き止める。
そこはロボット達が急造した基地内部の一室だった。
基地に侵入したホークらは見事、そこに閉じ込められていたレダを救出する。




レダ 「ありがとう。ホーク。来てくれると思っていました。」

レダの目は涙で濡れていた。
ホークはジッとレダの目を見つめる。それはまるで人間の目のような美しさだった。

ホーク 「良かった、ご無事で。ここは危険です。早く脱出しましょう!」






ヒューマノイド対ロボット [act.11]


 そしてまた地下道を伝って帰ろうとしたが……、そこを巡回しているロボット兵がいる事を発見する。
やむなく、地下道以外の道を探る。
だが、基地内にロボットの姿は多く、ホーク達はついに見つかってしまう。





 そして敵のロボット兵に囲まれた。
ロボット兵らの銃口がホーク達とレダを狙う。
そこに、ハウザーがゆっくりとした足取りで現れた。

ハウザー「これはこれは。あの時の”ボーイ”じゃないか?
こんな所まで来るとは勇敢だな。いや無謀なだけと言うべきか?
成功する見込みも無いのに、よくこんな作戦が取れたものだ」

銃を向けたロボットに何重にも取り囲まれ、逃走経路はもう無い。絶対絶命の状態だった。

ホーク 「ハウザー!もう芝居は止めるんだ!お前も”ヒューマノイド・タイプ”だな?」

ハウザー「くくくく……、
さすがだ。察しがいいな。
いかにも、

俺も『ヒューマノイド・タイプ』だ!!」

レダは、急に始まった2人の会話に首をかしげる。

レダ 「?????どういう事?確かにハウザーは人間型のプロポーションだからヒューマノイド型と言えるけど……。」

レダはハウザーの言っている意味がよく分からなかった。
ホークはレダの質問に答えず、ハウザーの方を睨んだままだ。

ハウザー「では”死んで”もらおうか?
今後、私がロボット軍を指揮していくためにも、その事を知っている者には消えてもらわねばならない。
ふふふふふ……………………。」

ハウザーが不気味に笑った。
それはもはやロボットの笑いと言うよりも…………。

ハウザーが興に入って笑い続けたので、その間にレダは小声でホークに聞いた。

レダ 「なんなの?ハウザーの言っている”ヒューマノイド・タイプ”って?
普通の”ヒューマノイド・タイプ”の意味じゃないわよね?」

ホーク 「その話は後です!
囲まれてしまって、もうここからは逃げられない。
いちかばちか、外の仲間に攻撃命令を出します。そしてここを砲撃してもらいます。
その混乱に乗じて脱出できるかも知れない………。」

そう言ってホークは信号を送った。

ホーク 「私が時間稼ぎをしますから、他の仲間と共に逃げてください」

レダは大きく首を振って拒絶したが、ホークは仲間にレダの身を託した。
そして自分は一人ハウザーの前に踊り出た。

ホーク 「貴方のような子供に”おもちゃの兵隊”で遊ばせるのは危険だ!」

ホークはワザとハウザーを見下すような言葉を使った。
ハウザーの目の色が変化した。怒りの表情が現れた。

ハウザー「くくくく………、なんだと?」

ハウザーは周りのロボット兵に「手を出すな!」と命じた。

そしてハウザーとホークの一騎打ちが始まった。






ヒューマノイド対ロボット [act.12]


 その時、大きな轟音が鳴り響き、天井から破片や粉塵がバラバラと舞い降りた。
この建物が外のヒューマノイド・タイプからの砲撃を受けたのだ。
ロボット軍基地は大混乱状態になった。
その隙に乗じて、残りのヒューマノイド・タイプはレダを基地の外に連れ出す事に成功した。




 攻撃を受け、ガレキの山と化していく建物。
だがホークとハウザーは睨み合いを続けていた。

ホーク 「くやしいか?感情を揺さぶられる事が……!」

ハウザー「キサマ!何者だ?!!!!」

そして2人は激しくぶつかり合った。
2人とも目にも止まらぬ高速で移動する!
ハウザーはチェーンガンを、ホークは自動小銃を撃ちまくった。
5分ほどでお互い弾切れになり、後は肉弾戦となった。
ロボット同士が殴りあった。
鉄道のレールを簡単に曲げる程のパワーを持つ2人。それが激しく殴りあった………。




 レイン博士が都市に残っていた凄腕のプログラマーと共同でコンピューターウイルスを作り、インターネットを通じてロボット軍に送り込んでいた。
それはロボット軍の3重のセキュリティーを破り、ロボット達の電子頭脳を混乱させた。

ロボット兵は相打ちをしたり、自爆したり、動けなくなって砲撃を食らったり……。
ついに一台も動かなくなった。



そして、ロボット軍は負けた……。












 戦闘が終了して、レイン博士とレダがロボット軍基地内に侵入した。
もちろんホークを探すためである。
そしてホークとハウザーが戦った部屋を見つけ、そこに2人が横たわっているのを発見した。
2人とも動かなくなっていた。大量の粉塵がその体にかかっていた。

レダとレイン博士はホークに駆け寄った。

レダ 「お父様、ホークが動かないわ!
すぐにホークのコンピュターを再起動させてください!!」

レイン博士「それが……、再起動できないんだよ。レダ……………。」

レダ 「え?」

レイン博士はホークの顔に手を当て、その開いたままの目をやさしく閉じた。




レイン博士「ホーク達『ヒューマノイド・タイプ』は人間の脳の構造をそのまま取り入れて造られた。
DNAレベルで”未知の理解できない計算式”もそのまま取り入れた。
そうしないと動かなかったからね。

でも、なぜかそうする事によって、彼らはあたかも人間のような感情を持つ事が出来た。
そして……、”心”のような物が形成された。

言ってみれば彼らは完全に1つの人間なんだよ。1つの固体だ。
1体1体違う人格を持っていたんだよ。

彼らが”生きている”時、その電子頭脳のプログラムは大変な速度で常に書き換えられていた。
それが”感情・思考・意思”という物の正体なのだろう。
だが彼らの”脳”が停止した時、プログラムも瞬時に消されてしまう。
あたかもそれは人間の”死”のように。
不思議な事だが、これは事実なのだ。



だからもう彼には会えない。
再起動させる事はできないんだよ。



彼は”人間”だった。
人を愛する事も出来たし、愛する人を救う為に戦う事も出来た……。

そしてまた死ぬ事への恐怖も持っていたと思う。
彼はよくそれと戦った……。







ハウザーも実はそうだった。誰が彼を作ったのか知らないが、おそらく彼も”人間”だった。
”人間への復讐”と彼は言ったが、彼は”ロボット”を利用しただけだったのだ。

だって彼の言っている事はおかしいじゃないか?
機械を大事にしない人もいれば、大事にする人もいる。
人間だって他人を大事にする人もいれば、そうしない人もいるのだから。
全てを敵視するのは誤った考え方だ。
ロボットはそういった軽率な判断を下さない。
それはハウザーが”人間だった”という証拠だ。

彼は”人間が機械を大事しない”と勝手に決め付けた。
まだ心は幼かったのだろう。


そんな彼の為に大切な”ホーク”という人物を失ってしまったのは……、
私達に取って大きな悲しみだ……」



レダ 「……………………。」










THE END








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