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BLUE ODYSSEY
ダンジョンの美女
ダンジョンの美女 [act.1]
「この世で一番美しい女性は誰か?」
そう聞かれれば、クレオパトラから絵画や彫刻に描かれたビーナスまでありとあらゆる女性の姿が浮かびます。
しかし街一番の権力者”グレープナー長老”はこう言いました。
それは『ローレライ』だと。
ある日、どこかの国の王子だと名乗る男がこの街へやって来ました。
「時が時ならば、俺は一国の王子だぞ!」
その男は酒場で巻くし立て、誰かれ無しにそう言って回りました。
「俺は女にモテてモテてしかたがなかった。俺の巧みな話術はシェークスピアより繊細だ。多くの女達が俺の語りの虜になった」
この街の男「けっ!今どき、シェークスピアかよ?!」
この男、どうも言う事がうさん臭いのです。
おまけに他人の事はよく批判しますが、自分も同じような事をいつもしていました。
それに酒場で”他の男が女に対して使う口説き文句”をそのまま借用して使います。
”王子”と言うのも本当かどうか怪しいものです。
そこでいつしか周りの者は、彼を”ホラ吹き王子”とあだ名しました。
彼は無精ひげを生やし、年も少しくっていました。剣士らしくいつも長い剣を持ち歩いてはいましたが……、どうも運動神経はあまりよく無さそうでした。そう、全体的に”もっさり”していると言いますか……。
彼がいつも得意気に話す話の中身とは違い……、彼はこの歳までまったく女性にモテた事が無いようでした。
彼は常に「俺は女性にモテる」と言っては、酒場の女達に声をかけましたが……、彼女達でさえ彼をあしらいました。生理的に受け付けないようでした。
彼の話はいつもクドくて面白さがなく、他人から拝借したネタばかり話していたからです。
ある日、この街に大きな懸賞金の話が舞い込みました。
この地に古くから存在する『ローレライのダンジョン』。
その奥深くに眠る伝説の剣”ミスリルソード”を取ってくると言うものです。
その剣がそこにある事は昔から街の誰もが知っていました。
ですが、危険なガーディアンがいるため、これまで誰も取りに行こうとしませんでした。
しかしこの街の掲示板に貼り出された貼り紙を見ると…………、
このほど、その剣を欲すると言う王が現れたらしいのです。
金貨1000枚とその剣を交換すると言うのです。
この降って沸いたようなおいしい話に、街はにわかに活気付きました。
そして、我先にとダンジョンに向かおうとしました。
しかし………………、
この街の一番の賢者とされるグレープナー長老が皆を引き止めました。
グレープナー長老「皆、忘れたわけではあるまい!
その伝説の剣を守るガーディアンは、あのいまわしき”ローレライ”だぞ!」
この街の男「”ローレライ”……」
ざわざわ………。
長老は皆を集めて集会を開きました。
グレープナー長老「ダンジョンの一番奥までたどり着くにはかなりの危険が伴う。
あそこには狂暴で力の強いモンスターがうようよいる。
どんなに力の強い男でも、あれだけ狂暴で皮膚の硬いモンスターを倒すのはそうとう苦労するはずじゃ。
たとえそこを通り抜けられたとしても…………、
その先には伝説の剣を守るローレライがいる。
彼女だけは打ち負かす事が出来ぬ。
彼女はとても美しい女性の姿をしている。
しかし、それが真の姿なのかは誰も知らない……。
その姿を持って、彼女は男どもの心をかき乱して無力にする。
だから誰も彼女を打ち負かす事は出来ないのだ!!」
グレープナー長老はそう言って皆を止めました。
グレープナー長老 「”ローレライ伝説”は知っておろう。
あまりに美しく、見る者を虜にしてやまない伝説の美女。
だが、ローレライは最後に恋人に裏切られ、ライン川へと身を投げた。
無念は彼女を亡霊にさせた。彼女は今もあのダンジョンの底に住み着き、復讐の炎を燃やし続けているに違いない!」
そして街に住む冒険者達は対策会議を開き、そこを通して何か名案を考えてからダンジョンに潜る事にしました。
もちろんこの会議には、今やこの街の男の顔をしている”ホラ吹き王子”も出席していました。
……しかし、そんな最中、よその土地から来た者達が勝手にダンジョンの中に潜ってしまいました。
この事を知った街の男達。
その中でも感情を抑えきれぬ者達が、
「俺は行くぜ!賞金が欲しいんだ!」
「俺もだ!」
と言って、ダンジョンに向かいました。
ダンジョンの美女 [act.2]
しかし、最初に潜った”よその土地から来た者”と、その後から潜った”この街の男2名”は、再びダンジョンから生還する事はありませんでした。
グレープナー長老 「それ!言わん事ではない!!!ワシの注意を聴かぬからだ!」
でも、その後もよその土地からやって来た者達が次々とダンジョンに入り込みました。
この街の冒険者達はグレープナー長老の言葉によって止められているのに、
他の者に先を越されるのは、見ていて我慢ならないものがあります。
それに他の者が先に入ってあの伝説の剣を持って帰れば、賞金は手に入らなくなります。
そこでホラ吹き王子は怒りました!
ホラ吹き王子「俺が先に入って、賞金を手にする!」
この街の男「手にしてどうするんだ?」
ホラ吹き王子「ふふふふ…、その金で奥さんをもらうのさ!!」
この街の男「金で女を釣る気か?女が金で来るのか?!」
この街の男「それにローレライをどうやって倒す?名案は浮かんだのか?」
ホラ吹き王子「俺はローレライも落としてみせる!!」
この街の男「”落とす”?”落とす”って……、お前の事を好きにさせるわけ?」
この街の男「あははははははは!!!!あははははははは!!!!」
この街の男「何言ってるんだ?この男。お前、頭がおかしいんじゃないのか?!」
この街の男「自分の顔を鏡で見たこと無いのかよ!」
この街の男「ほら、これは俺の嫁さんの手鏡だ!
これを貸すから見てみろや!!あはははは!!!」
この街の男「それにどう見たってお前の性格と話術じゃ、普通の女にもモテないぜ!」
この街の男「あははははははは!!!!あははははははは!!!!」
ホラ吹き王子「(くくくく……………………!
(笑いたければ笑え!お前達が気付く頃には……、俺は賞金の山を手にしている!!!)」
それからも、かなりの数のよその土地から来た者がダンジョンへ潜り込み、誰一人として帰って来ませんでした。
そこでグレープナー長老は街の正式な”おふれ”として、「ダンジョンに入る事をかたく禁ずる」と皆に伝えました。
その頃はもう50名ほどの男達がダンジョンに飲み込まれていました。
彼らは皆腕っぷしに自信のある男達だったので、その後は誰もダンジョンに入ろうとはしませんでした。
けれど……………、
何を勘違いしたのか、ホラ吹き王子はダンジョンに入る気満々でした。
彼は自分の家の中で、大きな鏡台に自分の全身を映し、得意のポーズを決めていました。
「俺はなんていい男なんだ。これならローレライでも惚れるだろう…………」
ホラ吹き王子はこれまでどの女性からも「素敵」と言われた事がないハズですが…………。
夜、ホラ吹き王子は重装備に身を固めました。
連射式のボウガンとたくさんの小型の矢。
油の入った皮袋。
そして腰に吊り下げたカンテラ。
投げる事も出来る小型ナイフ。
そして金属製のやたら重くて分厚い鎧。
最後にひときわ長いロングソード。
そして夜中、コッソリ家を抜け出して、誰にも見つからないようにダンジョンの入り口にやって来ました。
入り口には柵が設けられて、入れないようになっていました。”おふれ”が出てからこうなったのです。
しかしホラ吹き王子は、昼間、役所でここの鍵をちょろまかしてきました。
カチャカチャ……。
ガシャ!
鍵が開きました。
そしてダンジョンの中に入ります。カギは中からでは閉められないので、柵は開けたままにしておきます。
中に入りました。
真っ暗でした。
でも、手持ちのカンテラで照らすとダンジョン内がわりとよく見えました。
歩き始めると、すぐに戦闘の跡のような、血の付いた壁面が見つかりました。
ホラ吹き王子「うわ!」
どうも先に入った冒険者がモンスターと戦った跡のようです。血は周囲の壁や天井にぐるりと回るように付いていました。
またモンスターの緑色の血の跡もありました。
冒険者の遺体やモンスターの死骸は………、すでに他のモンスターの餌となったみたいで、そこにはありませんでした。
ホラ吹き王子はかなりの恐怖を覚えながら、そこを通り過ぎ、さらに奥へと進みました。
先にかざしたロングソードの穂先が震えていました。
ホラ吹き王子「金を手に入れて……、嫁をもらう……」
そうつぶやきながら先に進みました。もう既に体がこわばり、顔面が汗だらけになっていました。
ダンジョンの美女 [act.3]
確かこのダンジョンは地下10階まであります。
そこを奥へ奥へと下って行くと、先ほどと同じような戦闘の跡がいくつも見つかりました。ホラ吹き王子はそのたびに恐怖を覚えました。
しかし奇妙な事に戦闘跡には嫌と言うほど出くわすのに、モンスターには1匹たりとも出くわしません。
ホラ吹き王子「しっ…、しめた!!
俺のにらんだ通りだ!先に入った者達がモンスターを片付けたんだ!
これはラッキーだ。楽にここを通れる!」
ホラ吹き王子は少し勢いづきました。
ホラ吹き王子「やはり、俺は頭が良い。
今がダンジョンに潜るにはちょうど良い頃合なんだ。
モンスターはもういない!」
地下8階になると、戦闘跡にはモンスターの死体が見受けられるようになりました。
それはかなり巨大な筋肉質のモンスターでした。
ホラ吹き王子「トロールだな。体長3メートルはある。力も強そうだ」
ここに来てモンスターの死骸は他のモンスターに持って行かれていません。これは他の生き残ったモンスターがもういないという事の証でしょうか?
………そして地下9階になると先に入った冒険者の死体も見つかりました。
ホラ吹き王子「うわ!」
ホラ吹き王子は思わず目をそむけました。
ホラ吹き王子「うわ~~~~~~~~。怖いな~~~~~~~~。
でも、どうしたんだ?
やはりモンスターはもういないと言う事かな?
だからこの死体を食う物がいないんだ!」
こうしてまた、先に進みだし、いくつもの冒険者の死体を乗り越えました。
地下10階に来ました。この階の一番奥に例の伝説の剣が眠っているはずです。
ホラ吹き王子「俺に幸運の女神が舞い降りた!
10階まで来た。奇跡だ!
そして、もう少しだ!!」
これまでよりさらに慎重に足を進めました。
地上からかなり深い所に来ています。
この階だけ他の階とは違う異様な妖気みたいな物が感じられました。
突然!何か巨大なものが現れました。
? 「キイイイイイイイイイイーーー!!!!」
小型のドラゴンが暗闇からスッと現れて、ホラ吹き王子に襲い掛かりました。
体長は尻尾まで入れるとゆうに5メートル以上はありました。
ホラ吹き王子「ぎゃああああああああああああああ!!!」
ホラ吹き王子は重い鎧のため、動きが遅く、ドラゴンのアタックを避け切れませんでした。
ホラ吹き王子「うわああああああああああああ!!!
死ぬーーーーーーーーーーーー!!」
ズバッ!ブスッ!!
その時、後方からやや背の低い何者かが飛び出して、ドラゴンに斬りつけました。
そしてあっという間に、見事な剣裁きでドラゴンを斬り捨てました。
「ふぅーーーーーーーーーーーー。」
それから床に倒れているホラ吹き王子に近寄って来て、手を差し伸べました。
ホラ吹き王子「なっ、何者だ?貴様!」
その者は顔全体にターバンのような布を巻き、その隙間から目だけ出していました。
それはまつ毛の濃い美しい目でした。どうやら15・6歳ぐらいの人間のようです。
「僕も剣士です。このダンジョンに入り、伝説の剣を取りに来ました。
ここは1つ僕と協力しませんか?」
ターバンの奥から少しどもったような声が聞こえました。
それは風邪をひいた時のような声です。
ホラ吹き王子「”協力”だと?」
背の低い剣士 「今から僕もこの先にある伝説の剣を取りに向かいます。
どのみち僕と一緒に行く事になります」
ホラ吹き王子「断ーーーーーーーーーーーーーーーーーーる!
俺は1人で伝説の剣を取りに来た。
先に俺がここに入った。
順番だ!
俺が先に剣を取る!!
それにここのダンジョンの鍵を開いたのは俺だ!!
お前は俺が開いたからここに入れたんだろ?!」
背の低い剣士 「開いてたから入ったまでです」
ホラ吹き王子「あれは俺が開けたんだ!
だからお前は”俺の次”!俺が先に行く!」
背の低い剣士 「今、命を救ってあげたのに?」
ホラ吹き王子「俺は”命を救ってくれ”とお前に頼んだ覚えはない!
貴様が勝手にやった事だ!」
ホラ吹き王子は剣を床に突いて、自分の力で立ち上がり、
ホラ吹き王子「俺”先”、 お前”後”、 いいな?!」
と言いました。
背の低い剣士は手のヒラを差し出し、
「どうぞ、ご自由に」
と答えました。
それからホラ吹き王子は不満いっぱいという感じで先に進みました。
ダンジョンの美女 [act.4]
目の前にホンの少し広いスペースが出現しました。そこは行き止まりで目の前に1枚岩の壁が立っており、そこに台座が付いていました。
その台座の上に鞘に入った剣が置かれていました。
端麗な装飾。それは伝説の剣に間違いありません!
ホラ吹き王子は我が目を疑いました。
ホラ吹き王子「やったーーーーーーーーーーーー!!!
こんなに簡単に伝説の剣が手に入るなんて!!!
やはりタイミングって大事だな!
幸運はタイミングで呼び込める物だ!!」
ホラ吹き王子は後を振り返って、背の低い剣士に言いました。
「おい!坊主!俺が”先”だからな!順番は守れよ!俺があの剣を”独り占め”にする!いいな?!」
と凄い形相で言いました。
背の低い剣士は両腕を広げ、「わかりました」となかば飽きれたように言いました。
背の低い剣士 「でも注意してください!ローレライが現れますから!」
ホラ吹き王子「わかってるさ!!!そんな事!!!
しかしこの俺のイケメンフェイスを見ろ!
ローレライなど……………………、
”家に連れて帰ってやるぜ!”」
背の低い剣士 「はあ?”連れて帰る”????……」
ホラ吹き王子は腰の皮袋から”くし”を取り出して、自分の髪をとかしました。そしてヘアースタイルを整えました。
ホラ吹き王子「ばっちりだ!これで決まった!」
それから喜んで剣を取りに行きました。
すると……………………、
その一枚岩の向こうから光に包まれた”何か”が現れました。
それは1人の、まばゆいばかりの光に包まれた女性でした。
辺りは光の洪水で溢れたようになりました。その為、暗いダンジョンは急に明るくなりました。
白い肌。ととのった顔立ち。
それは、とにかく見る者を魅了してやまない究極の美人とも言える顔でした。
ホラ吹き王子「なんて美しい……………………」
ホラ吹き王子はすっかり魅了されてしまいました。
「騙されるな!」
後から背の低い剣士が言いました。
ホラ吹き王子は振り返って、背の低い剣士に「引っ込んでろ!」と言いました
ホラ吹き王子「俺だってわかってるよ~~~~~~~。
けど、こいつは美しい……………。」
するとローレライが微笑を浮かべて言いました。
ローレライ「まあ、なんてハンサムな男性なんでしょう?」
ホラ吹き王子「はん?」
ホラ吹き王子はこれまで聞いた事もないセリフを聞いて、面くらいました。
ホラ吹き王子「え?俺の事?」
ローレライ「もちろんですわ。他に誰かおりますか?
こんな美しい顔の男性なんて……。」
ホラ吹き王子はこう思いました。
「(こいつは…………、
きっとダンジョンの中だけで暮らしていて、他の男を見た事が無いんだ。
くくく…………、
いわば世間知らずの箱入り娘…………くくく………。」
ホラ吹き王子はまたしても”くし”を取り出し、髪をとき上げました。
ホラ吹き王子「まーーーーーーー、なんだ。
俺とデートしたいって女は山ほどいるけどさぁーーーーーーーー。
ま、俺も、メンクイなんだよねぇーーーーーーーーーー。
いい女としかデートしないんだよ!」
ローレライ「私ではダメでしょうか?」
ローレライは両手を合わせて切なそうな顔をしました。
ホラ吹き王子「(ぐはっ!なんて美しい!!!)
まーーーーーーー、
そこに置いてある”剣”をいただけるなら、考えてもいいですよーーーーーー!」
ローレライ「あっ、これですか?」
ホラ吹き王子「ええ………………。」
ホラ吹き王子は思わず唾を飲み込みました。
ホラ吹き王子「(ゴクッ!)」
ローレライ「いいですわ」
ホラ吹き王子「ほへ?」
ローレライ「こんなハンサムな殿方は見た事がありませんもの!」
そう言ってローレライは台座から伝説の剣を取りました。
ローレライ「ただし…………………、」
やはりタダでは渡してくれなさそうです。
ローレライ「私を連れて帰っていただけませんか?」
ホラ吹き王子「ほへ?」
ローレライ「もう、こんなダンジョンの中に1人でいるのは飽きました。
地上に出たいのです。
地上には貴方のような美しい殿方がいっぱいいるんでしょ?
私も地上に帰りたいんです。」
ホラ吹き王子「そりゃ、ーーーーーーーーーーーーー!!
ねがったりかなったりですーーーー!!
………………いやいや。
オホン。
そうですか。
ですが………………、
あいにく、わたくしが地上で一番ハンサムな男なんですよ。
他にはぺーぺーな者しかおりません。
どうです?ここはひとつ……、
私の元に”嫁に来る”なんて事は?」
ローレライ「まあ!」
ローレライの顔がパッと明るくなった。
ローレライ「いいですわ!
私を嫁にもらってくださるなら、この剣は差し上げます!!!!!」
ホラ吹き王子「やったーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
思わず手に力が入るホラ吹き王子でした。
ダンジョンの美女 [act.5]
ローレライ「ではこれを差し上げます。でも、その前にこの剣を鞘から抜いて確かめてもいいかしら?
剣が錆付いているかも知れませんから。
実は何百年も手入れも無しで置きっぱなしで………。
ね?ハ・ン・サ・ムな勇者さん☆」
ホラ吹き王子「ああ~~~~♪いいっすよ!☆どうぞどうぞ☆」
ローレライは鞘から剣を引き抜きました。
そして……………。
剣に錆が無いか確かめました。
剣は手入れが行き届いているような感じで、光り輝いて見えました。
さらにローレライは…………………、
その剣でアッと言う間にホラ吹き王子を斬り捨てました!!
ホラ吹き王子「ぐはっ!!!ぐふっ!!」
驚く後方の背の低い剣士。
背の低い剣士 「はっ?!」
ドサッ!
時すでに遅く、石造りの床に倒れてもピクリとも動かないホラ吹き王子。
ローレライ「あらあら、もう1人小さな方がいらしたのね?
いえね、この人はあまりに醜いので斬り捨てたのですよ。
言う事もいい加減ですしね。
だって、ご自分の姿を鏡で見た事が無いようですもの。
おーーーーーほほほほほ!」
背の低い剣士 「くっ、くそーーーー!」
ローレライ「わたくし、醜いものが大嫌いなの!
貴方は若くて美しそうね!
その目を見ればわかるわ!
さあ、その布を取って顔を見せてださいませんか?」
背の低い剣士 「断る!!」
ローレライ「心配いらなくてよ。
私は美しいものには優しいんだから。
この男のように斬って捨てたりはしないわ。
さあ、こっちにいらっしゃい!」
ローレライは悩ましげに手をかざして、その背の低い剣士を呼びました。
それから魅惑の眼差しを送りました。
背の低い剣士 「美しい………」
ローレライ「ふふふふ………………」
さらにローレライは悩ましげにその輝く髪をかきあげました。
流れ落ちる髪……。
確かにその姿は美しいビーナスのように見えました。
背の低い剣士は吸い寄せられるようにそこへ歩いて行きました。
それはまるで催眠術にかかったかのようでした。
ローレライ「ふふふふ………………。さあ、いらっしゃい。」
背の低い剣士はフラフラとした感じでローレライの3歩手前まで来ました。
ローレライはまた一段と悩ましいポーズを取りました。
その時!
ズバ!
剣が体を切り裂きました。
「ぐはっ!」
口から血を吐いて……………、
ローレライが倒れました。
ドサッ!
背の低い剣士は素早くローレライの手から伝説の剣をもぎ取りました。
ローレライ「くそう…………、貴様---------!!!
さっきのはまやかしかあ~~~~~~~~?!!
くーーーーーーー!!
しかし、なぜ効かぬーーーー?!!!私の妖艶の魔法があーーー!!!!」
ローレライは剣士を睨みました。
ドサッ!
しかし力尽きて、そのままうつぶせに倒れて動かなくなりました。
そしてお腹の辺りから光る液体が流れ出しました。
これがローレライの血なのでしょうか?
背の低い剣士は伝説の剣の鞘を取りました。
ローレライの体に背をむけて剣をきっちり鞘に収めました。
その時です!!!
「があーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
死んだと思っていたローレライが起き上がって、背の低い剣士につかみかかりました。
避ける剣士。
ローレライは剣士が顔に巻いている布をつかみました。その拍子に顔の布が解けました。
ローレライ「おっ、お前は……………………」
その布に下には、
ローレライに負けないほど整った美しい少女の顔がありました。
ローレライ「そっ、そう言う事か………………。」
少女は急いで伝説の剣を引き抜き、ローレライに突き刺しました。
ローレライ「ぐわあああああああああああああーーーーーーー!!!」
光が一段と強くなり、ローレライの体はその中に解けるように消えて行きました。
……やがて、光は完全に消え、
ダンジョン内はまた薄暗くなりました。
その後、後方でガチャガチャと大きな音がしました。
見ると何人もの甲冑を付けた男達と、あのグレープナー長老が来ていました。
グレープナー長老はカンテラを前方にかざして、そこに伝説の剣を握り締めた少女の姿を発見しました。
グレープナー長老 「クリスチーナ!!」
その少女はグレープナー長老の孫娘”クリスチーナ”だったのです。
グレープナー長老 「姿が見えんから心配しておった。
ダンジョンの鍵が外れておったので、まさかと思って来て見れば…………、
やはり!
しかし、お前がなぜここに?!!」
クリスチーナ「私も剣士になりたかったの!
なのに、いつもグレープナーお爺さんは反対してたでしょ?
だからこうして功績を立てたかったの。
そうすれば皆に認めてもらえる筈ですもの!
それに……、
女の私なら、あるいはローレライを倒せるかと思って」
グレープナー長老 「なんと!!
そうであったか!
そう言えばローレライの魔力は………、女性には効かんかったのか。
なるほど、
考えてみればそうかも知れん!
恐ろしい力の正体とはこんなものであったか…………。
あって無い様な力じゃったな………。」
THE END
魅力があると思っても……、実は”まやかし”だったりします。
これはそんなお話です。
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